見出し画像

【詩】「All right」

目が覚めて毎朝自分が今日も生きてることを確認してる
一日の四分の一を僕は意識をなくしちゃう
昔の誰かが言ってたように歴史は夜に創られるんだってさ
そんときゃ僕は熟睡中だから観客にもなれやしない

気が付きゃ二十代の後半はスタートしてる
四捨五入すれば三十路になっちゃう
おちていく暮らしで肌を荒れさせシワを増やしてきたよ
変わったのが体脂肪率と酒量だなんて苦笑いするしかない

咳き込みながらコミュニケーションを取る自分にうんざり
どっかおかしいんだと思い込みながらも健康診断の結果は異常なし
いつか倒れる倒れると騒ぎながらも何とかタイムカードにまだ欠席はない
ありがたいことに胃の痛みも知らずにこうして過ごしてる

振り返れば生きてきただけの過去がある
うっすらと浮かんでくる泡のような思い出たち
もう会えない友もいれば返せない借りもある
この僕には過ぎた幸せだと部屋の闇の中見つめることがある

最後に泣いたのは誰のためでもなく自分に対しての涙
誰もいない公園で歯を食いしばりながらずっと泣いてた
その悔しさすらもう忘れて僕はへらへら笑っているよ
欲を塗して醜く鏡に映るそんな俗物が僕だと分かってる

時は平等に流れて歳は等しくとっていくもの
生まれたときに約束されていた未来なんて本当はない
環境や資質に左右されちゃうこともあるだろう
しがらみや現状に流されちゃうこともあるだろう
だけどいつだってこの道を歩んでるのは誰でもない自分だと言い聞かせよう

思い悩んで日が暮れちゃってもそれでもAll right
部屋の中こもって気が付きゃ夜になって後は寝るだけでもAll right
明日になりゃまた別の悩み事に悩まされるだろうけどもAll right

「今まで」と「これから」はいつだって一緒じゃないと分かってる
些細なことだけども小さくもない不安を背負って猫背な僕だけど
せめてもうちょっとだけもう少しだけ胸を張ってもいいだろう


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?