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再掲【詩】「Go West」

罪は数え切れないぐらい抱いた
罰は甘んじて受けるわけはない
逃げられるだけ逃げていこう

僕が生きていることで死んだ人もいるだろう
僕が生きていることで負けている人もいるだろう
顔も名前も知らない 知りたくないのが本音だ
だけどこの空の下 そういう関係もあるだろう

夢を最後に見たのはいつだろう
僕らは東に東に歩いてきた
この手に欲望を持ってこの足に鎖を引きずって

それは罰なのかそれとも賞なのか
「あなた」の素顔がどんなだったかを知らないから
その正解を知らないままさ

もう西を向いて歩いてもいいだろう
どうしたってたどり着けない場所を求めるなら
少しでも微笑みが浮かぶほうへ
少しでも幸せだと思うほうへ

許されないことを重ねてきた
誉められたものじゃないってことは分かってる
愛を受けながらも誰かに返すこともないままに

僕らは生まれたときに祝福されたのかどうか
そんな疑問を心の根元に張り巡らせている
読み物をどれだけ紐解いてもそこに答えはないそれは問うだけのものか?

東に東に歩かずにはいられなかった
そんな僕らの歴史は哀しいぐらいにグロテスクだ
愛を求めながらも憎しみも背負ってしまう僕らの性(さが)

ありふれすぎるぐらいにありふれてる
何もかもが違うそう六十億の人なら六十億通りの人生
コピーなんてないそれぞれがオリジナルな僕らさ
だけど僕らの深い深い場所にある気持ちは同じだろう

だから西を向いて歩いていけばいいだろう
どうしたってたどり着けない場所だと分かっていても
少しでも微笑みが浮かぶほうへ
少しでも幸せだと思うほうへ

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