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再掲【詩】「そのスピードで」

疲れちゃったな
そう思いながら真っ暗な部屋のベッドの中で
天井を見上げる

想いに苛立ちが混じり
想われることに重みを感じてきた
言葉も少なくなり
それで僕を理解してなんて激甘な願いだね

舌の滑りがよくなった分だけ
自分自身がどうしょうもなくなる
循環は次第次第に悪くなっている

僕を貫くアナタガタの言葉は一体何だろう?
この僕の薄っぺらな胸を刺しているのだろうか?
誰かが絞るように僕に見せた想いに僕はどう応えればいい?

 「こんにちは」と「さよなら」を繰り返すのが僕たちの暮らし
 いつかその素敵な微笑みに目を眩ませた出逢いもあれば
 きっと涙こぼれそうになるのを必死で我慢した別れもある
 世界はそのスピードでいつだって廻ってるね

僕は糧を持っているのかな
そう思いを巡らすけど
記憶の日陰に隠れてる思い出は僕にはなかなか見えない
だけど何かは変わってる
そう思わなきゃ生きている意味がない

一瞬一瞬に人はその手に持つ多面のプリズムの色を変えながら光を放ってる
闇だって光だ
それなら憎しみだって愛情だ
自分に苛立つのは言い訳するなら自分に期待してるのかも
いつだって僕は僕に正しい そう思えるようになれたら

疲れた体と心なら癒せばいい その術を僕は知ってるはず
苛立ちが増えるならもう少し待ってみよう その時間はまだあるはず
悪循環でもあがいていようよ そうやって生きてきたじゃない

僕を貫くアナタガタの言葉に「優しさ」が滲んでるなら
この僕の薄っぺらな胸でも動いているものがここにあるから
誰かが僕に垣間見せたその想いに少しでも応えることができるはず

 「ありがとう」と「ごめんね」を繰り返すのが僕たちの暮らし
 いつか差し伸べられた手におずおずと触れた幼き日々もあれば
 きっと差し出された手を握りかえせず背を向けた日々もある
 世界はそのスピードでいつだって止まらずに廻ってるよ
 僕たちもそのスピードでいつだって鮮やかに輝いてるよ

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