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再掲【詩】「手紙」

あなたが欲しがっていた手紙を書けないままに僕は日々を過ごしてる
「書くよ」とあなたに言った約束を忘れたわけじゃないけど筆は取れなくて

時間はそっと沈黙の砂の量を増やしてる

誰だって知ってる戻れないことを
いつだって気付いてるのにどうして疎かにしてしまうのだろう

目を閉じれば最後に見たあなたの後姿を思い出せる
だけどもうあなたの顔をはっきりと覚えていない

僕だってこんな今日を望んでたわけじゃないのに
あなたにとうとう言わないままで季節はまた幾度目かの冬を迎えた

時間はそっと後悔の砂の粒を大きくしてる

心のどこかはあなたを探してるずっと求め続けてる
そして心の別の場所はあなたのいない景色を認めている

生きていくことは諦めそうになる自分を
どうにか支えながらそれでも空を目指すことだと思う

この弱い心でもがきながらここまで歩いてきた
そのことに少しは胸を張ってもいいんだろうね

ねぇ この空の向こうで元気でいてくれているかな
もう逢えないけどあなたはこの空のどこかで笑っているんだろう

時間はそっと想い出の砂の数を増やしてる

あなたを忘れるわけじゃないけど
心の引き出しの中にそっと大事にしまって

行こう 明日がどんな天気でも 僕なりの笑顔で
扉を開いて 出会いと別れが渦巻く素晴らしい世界へと

時間はそっと希望の砂を育んでいつか僕らへ降らすだろう

ねぇ 恋とか愛とかそういうのじゃないけど僕はあなたが好きだった
もう逢えなくても僕はこの空の下のここで生きていくから

この詩があなたに届くかどうかは分からないけど
この詩はずっと果たせなかった約束の僕からあなたへの「手紙」

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