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再掲【詩】「No comment」

ズレているのは承知さ スレていないのも
世間の素(す)がどんなのかはわかんないよ
例えばあなたに合わせようとしても
僕の天然はあなたと次元が違いすぎてる
ハイタッチを決めようとあがくのは無駄な努力だと
経験値が少ないながらも分かってるさ

道行く綺麗な女の子とイケナイことしてイキたい
道端で一枚の宝くじを拾って当ててしまいたい
欲望はあくまでも図々しく厚かましくご都合主義で
そんな自分を満員電車の窓に薄く映して苦笑いだ

だけどここじゃ全てノーコメント
この部屋のドアを閉めれば全てノーコメント
僕はハイとローを行ったり来たりするから
けばけばしい衣装で僕は僕に笑いかける

調子はずれの歌声にも時期はずれの溜息にも
あなたに何か言って欲しいわけじゃない
ひょっとしたら言って欲しいかもしれない
だけどここではノーコメント

治らないかもしれないな いや治さないかも
標準(まんなか)がどれぐらいかは知らないよ
あなたが胸張って「当たり前」と言っても
僕にとっちゃそこは的の前じゃないかもしれない
ハイスコアを出したくないと言えば嘘になるけど
そのゲームの景品にはいつだって失望してきたよ

背を向けたいけ好かない誰かの頭を思いきりどつきたい
誰でも分かる問題の答えに対して大声で間違えたい
願望はいつまでも魅力的で自虐的で異常快楽で
そんな自分の顔を暗闇でなぞるといつもどっか歪んでる

だけどここじゃ全部ノーコメント
この部屋の明かりを消せば全部ノーコメント
僕は躁と鬱を行ったり来たりするから
ちぐはぐでつぎはぎな服で僕は僕におめかしする

調子はずれの歌声にも時期はずれの溜息にも
あなたに何か言って欲しいわけじゃない
ちょっとだけは言って欲しいかもしれない
だけどここではノーコメント

そしてもう少しだけノーサンキュー

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