慰安婦問題に真剣じゃない保守界隈の実態

あれだけ「従軍慰安婦の強制連行は捏造だ!」「朝日新聞は捏造新聞だ!」と言っている連中、本気じゃなかったんだな、というのが分かって悲しい。

どういうことか、ここで指摘します。

植村隆の捏造が判示された訴訟の判決文はどれ?

植村隆の捏造が認定・判示された訴訟は、いったい誰に対する訴えで、どこの裁判所で、何月何日の判決文?

これに対して令和2年12月6日時点で「最高裁」「櫻井よしこ」という単語が出てきたらアウト

安倍晋三議員と同じ間違いを犯したことになります。というか、安倍議員にそう間違わさせたのは、保守系の界隈がちゃんと理解してないからでしょう。

植村が櫻井よしこ氏に対して訴訟提起した「札幌訴訟」の最高裁判決は確定しました。が、この争いの中では、植村が捏造=事実と異なることを知りながら敢えて記事を書いた、ということは認定されていません。

そのように櫻井よしこ氏が信じたことにつき相当の理由がある=真実相当性が認められたにすぎません。

もっとも、札幌裁判は植村の記事に事実誤認(「女子挺身隊の名で」という部分が、法令に根拠のあるものという印象を読者に与えるが、それは事実と異なる)があり、読者に対して誤導的であることを暗黙の前提として処理しています。

植村隆の捏造は西岡力氏に対する名誉毀損訴訟の東京訴訟で認定

植村隆の捏造は西岡力氏に対する名誉毀損訴訟の東京訴訟で認定されています。その前提事実としての日本軍又は日本の政府機関による強制連行も判決文の中で事実と異なると否定されています。

この点は何度も何度も書いていますが、改めて上記でまとめています。

さて、この判示は令和元年6月26日の東京地裁判決でなされ、東京高裁令和2年3月3日判決でもそれを維持しています。

このときの報道ぶりと界隈の反応を振り返りました。

朝日新聞ですら「捏造」の判示を掲載

文春などへの賠償請求棄却 元朝日記者の慰安婦報道訴訟 編集委員・北野隆一 2019年6月26日 21時46分
判決は植村氏の記事について、「金さんが日本軍により、女子挺身(ていしん)隊の名で戦場に連行され、従軍慰安婦にさせられた」という内容を伝えており、事実と異なると認定。植村氏の取材の経緯などを踏まえ、「意図的に事実と異なる記事を書いた」として、西岡氏の記述には真実性がある、などと判断した。

弁護士ドットコムでも詳細に解説していました。
2019年06月26日 21時51分 慰安婦訴訟「捏造」と書かれた元朝日記者が敗訴 賠償認めず

当時の報道について私も以下書いていました。

ところが、植村支持側が「真実相当性が認められたにすぎない」「真実性は認められていない」「捏造は西岡の方」などと捏造していました。

なぜか反応が薄い保守界隈

令和元年7月頭のDHC虎ノ門ニュースの放送の動画ですが、令和2年12月6日時点で180しかリツイートされていませんでした。私がリツイートしてから幾分か増えましたが。

Dappi氏の動画付きツイートは、リツイートが軒並み1000超えで、この時期でさえ5000リツイートはざらにあります。

にもかかわらず、この動画は180しかリツイートされていない。

どうして「従軍慰安婦の強制連行は捏造だ!」「朝日新聞は捏造新聞だ!」と言っている連中はこれに触れないのか?

不審なのは地裁判決時の界隈の反応だけではありません。

東京高裁判決後に触れたのは【4件】だけ

植村の西岡力氏に対する訴訟の東京高裁判決が出た今年(令和2年)の3月3日以降、植村隆の記事は捏造であると真実性が認定された旨に言及したツイートは、私の記事のシェアを省くと【4件】しかありませんでした。

にもかかわらず、真実性を認定していない櫻井訴訟の最高裁判決について言及するツイートは、とてもとても多いです。

それに対して、朝鮮系アカウントが判決内容を捏造するツイートばかりが検索でヒットします。

安倍晋三議員がFacebookで札幌訴訟経由の最高裁判決を引いて「植村記者の捏造が確定したということですね」とコメントを書いてしまい、植村側から内容証明郵便書簡で削除を求められたのちにコメントを削除して、それを左派メディアが「捏造が捏造だと認めた」と取り上げて言論汚染が広がってしまったのは、こうした無関心が影響していないとは思えません。

今現在、アメリカ大統領選挙や上念司関係で騒いでる連中、わが国の慰安婦捏造問題の正確な理解にはまったく無反応ですよね。

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