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朝日新聞のWEBアンケートは基本的に結果誘導されている:「女子力」2回目のアンケートもインチキだった

朝日新聞のWEBアンケートを根拠として「女子力」の歌詞が含まれている楽曲は良くないとして学校で配布されたCDの回収までした鳥取県の男女共同参画推進員について書きましたが、アンケート自体が「女子力」に否定的な記事にリンクが貼ってあることによって結果誘導されていたことを明らかにしました。

今回は、このアンケートの後に2度目の「女子力」に関するアンケートもあり、そちらも結果誘導が行われていることを示します。

朝日新聞の「女子力」WEBアンケートと関連記事

【「女子力」の正体】募集期間2017年1月25日~2月14日14時 計715回答

女子力のサイト内検索結果

募集期間中に「女子力」をタイトルに冠する記事は9記事にも達しました。有料会員記事を省くと以下の記事になります。

1:(フォーラム)「女子力」って?:2 そのもやもや1月29日 5時00分
2:「女子力を」啓発動画、思わぬ炎上 言葉に潜む窮屈さ1月29日 5時03分
3:「女子力」という言葉なぜ広まった メディアの使い方は1月30日 5時45分
4:「女子力動画」で大躍進、紅白ゲットしたアイドルの驚き1月31日 18時51分
5:(フォーラム)「女子力」って?:4 女子力男子2月5日 5時00分
6:「女子力男子」前園さん、謹慎きっかけに自分を飾らず2月5日 5時29分
7:(フォーラム)「女子力」って?:5 どう向き合う?2月6日 5時00分
8:「女性陣は芋煮作って」、なぜ 「女子力」取材した思い2月6日 7時25分

なお1回目のアンケートの募集期間である1月22日に書かれた記事として

9:「女子力」って何だ 宴会でサラダ取り分け上手な人?

朝日新聞の「女子力」記事の内容

朝日新聞の上記「女子力」関連記事のうち、1,2、3番は1回目のアンケート結果を引用し、そこにおける「女子力」に対する否定的な意見がほぼ全てを占め、記事を構成しています。1,2番は基本的に同じ内容です。3番は用語の使用について肯定的なものや中立的な意見の後に、1回目のアンケート結果で否定的な意見のみを掲載しています。

4番はNMB48の吉田朱里氏が「女子力動画」で女性人気を獲得したとする内容で、終止、肯定的な内容です。

5、6番は元サッカー日本代表の前園真聖氏が「女子力」を肯定的に論じているものや、女子力についての著書を持つ者や性的少数者らの見解など、両論併記しつつ若干肯定的な見解が優勢だと思います

7、8番はNMB48の吉田朱里氏が「女子力」に関する肯定的な見解を述べた記述の後、なぜか朝日新聞の女性記者らの「女子力」に対する受け止めが書かれており、全員が否定的な見解を示しています。

朝日新聞の「女子力」記事のアンケートへのリンク

これらの記事の構造は一様ではありません。

2回目の「女子力」アンケートへのリンクの有無とその形態が異なります。

1番は文末本文にリンクと個別メールアドレスが、2番は文頭のリンクと文末本文にリンクと個別メールアドレスに、3番は文頭にリンクがあるのみです。

4番は文頭にリンクがあるのみです。

5番は文頭リンク、6番は文頭リンクと文末本文末尾にリンクと個別メールアドレスが掲載されています。

7番は文末本文にリンクと個別メールアドレスが、8番は文頭にリンクがあるのみです。

文頭のリンクとは【アンケート:「女子力」の正体】【「女子力」アンケートに寄せられた意見はこちら】という文言であり、WEB記事を読む者としては基本的にスルーする位置にあります。

文末本文のリンクとは【◇アンケート「『女子力』の正体」をhttp://t.asahi.com/forumで実施中です。ご意見はasahi_forum@asahi.comでも募集しています。】というもので、記事を読み終えた者がクリックする傾向にある位置にあります。

なお、1回目のアンケート締切前の記事である9番では、【議論の広場「フォーラム」ページはこちら】というリンクが冒頭にあり、これは最新の募集期間中のアンケートへのリンクとなっています。

女子力記事とアンケート回答数の関係

1回目のアンケート結果の方が規模としては倍以上あったのですが、2回目のアンケートで最も回答されたのは募集期間2日目の1月26日の170件でした。

1回目のアンケートの24.3%が1月22日の記事が書かれてTwitterで大拡散された以降に投稿され、その前日や前々日は1,2件程度の投稿だったということからは、この投稿の影響が第2回目のアンケートの初期の投稿に影響した可能性があります。

それ以外は多くても50件ほどであり、記事のリリースによって大幅に回答数が増えたというような傾向はみられませんでした。

また、Twitterのみ調べましたが、何か特定の記事が大きく拡散されたということは見当たりませんでした。

1回目のアンケートの意見の中で否定的な内容のみを掲載している

問題はいくつかありますが、一つは1回目のアンケートの意見の中で、ほぼ否定的な内容のみを掲載している点です。

「女子力」に対して肯定的な意見を述べる記述もあるにもかかわらず、記事中で取り上げた意見は全て否定的な内容だったというのは、一体どういう事でしょうか?

朝日新聞の女性記者というフィルターのかかった意見

さらには朝日新聞の女性記者から見た「女子力」に対する見解が掲載されたことも問題でしょう。

アンケート実施主体の側に属する人間の見解を載せた記事にアンケートへの誘導リンクを載せてはダメでしょう。

基本的にリベラルメディアの朝日新聞ですから、どういう意見が出そうかということは分かっていたはずです。1回目のアンケート実施の際にそれは予測可能だったでしょう。

ネット上のアンケートはエコーチェンバーで偏る

Twitterでは個人アカウントがアンケートを投稿可能です。

政治的な話題に関しては、右派のアカウントがアンケートを取った場合と左派のそれとでは、ある一定の規模までであれば偏った結果が生じます。

政治クラスタの枠を超えて数十万アカウント以上がアンケートに参加した場合には、そういう偏りはある程度解消されますが、基本的には当該アンケートをツイートしたアカウントに近しい者たちばかりが回答します。

それは朝日新聞のアンケートも同じでしょう。基本的に朝日新聞読者に向けたものであるのだから、考え方として同じ者が集まってくる傾向になるのは当たり前です。3,4問しかなく、1か月の期間を設けたのにたった700程度の回答しか得られなかったアンケートですし。

その上、恣意的に引用された「女子力」に否定的な意見が書かれた直後にアンケートへのリンクが貼られた記事があるというのなら、その調査結果は汚染されたものであると判断するしかありません。

このようなアンケート結果を用いて、大多数の人に影響が出る活動のために分析し判断することは到底許されないでしょう。

以上

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