孤独の背後に広がる海

ふたりでいる時、わたしは本当にいろいろな顔をするのだそうだ。愛し合っている時、攻撃的な顔をすることがあるらしい。
攻撃すべきはまったくあなたではないのに、過去に渦巻いた憎しみの破片が少しだけこぼれてしまっているのだとしたら、それはものすごく悲しい。

でも、そんな一面もすべて受け止めてくれるあなただと解っている。
失いたくない、嫌われたくない、見捨てられたくない、等は、いよいよ大切になったと言うこと。

あなたはわたしに惜しみない愛情を注ぎながらも、同時に、わたしが表現者として1人からの愛情に満ち足りることも恐れているらしい。
たしかに愛情への飢え渇きは、表現のある種の活力になる。そのバランスを取っていかなきゃいけないのはわたしだ。

強い孤独を感じる時、その背後に果てしなく大きな海のようなものが広がっていると感じる。表現者としてその海を失ってはいけないのは解る。
強い孤独の背後に広がる海が、あなたという存在に取って代わってしまいそうになる。それは抱きしめることができ、抱きすくめられることもでき、持ち重りがし、あたたかくて驚くほどぴったりと形が重なる、わたしだけの海だ。

もっと言うと、その海は、わたしを全肯定し、すべてを笑いながら受け入れ、時には諭し、向日葵のように無邪気な様でそこにいる。

2017年7月23日


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