見出し画像

わたしの魂は何度でも必ず、恋人に出会えるから。

友人や家族や親戚とたくさん過ごした数日だったけれど、今日は久々に恋人と二人で、ゆっくり家で食事をすることができた。
相変わらず、妊婦のわたしのために良い栄養バランスを考えた思いやりの溢れるごはん、ありがとう。

今、寝落ちした彼の顔を見ている。

どんなに爆睡していても、わたしがキスすると最後の意識を振り絞って若干唇を突き出して応答するの可愛いすぎるし、健気だし、愛らしいから、好き。

あと、爆睡中にほっぺにキスすると、精一杯の応答なのか頷くのも、ほんとに可愛らしいと思う。

あと、わたしが自分の足を恋人の足の間に挟むのが好きだから、どんなに熟睡していても足を押し当てると隙間作って、「はいどうぞ」みたいな感じにしてくれるのも、とても可愛いくて好き。

寝ている最中でもこんなに好かれてるのすごい。
どんな夢を見ているのかな?
あとから聞くと、いつもすごいファンタスティックでストーリー性のある夢だよね。

2018年8月21日

精子がなぜ卵子を目指すのかという疑問に関わる証言
《誘惑的で抵抗しがたい性質を持った、何らかの科学的なメッセージの源泉をめざす熱狂的なスーパーレースに巻き込まれたのだ》『輪廻する赤ちゃん』より

大変興味深い。
精子と卵子に関する産科学には、解明されていない謎が膨大にあるらしい。
まるで宇宙だ。

2018年8月22日

起きなければならない時間を特に伝えていなかったのに、「今日、昼本番だからそろそろかなと思ったけど起きてる?」とドンピシャな時間に電話くれて、わたしよりスケジュール把握している恋人、本当にすごいし、ありがとう。
ひたすら面倒みてもらう人とみてくれる人とのこのバランス、本当にありがとう。

2018年8月25日

恋人に、「眉毛と伸びて来た前髪をカットしてほしいな」と、楽しげにお願いされた。
妊婦になってデリケートゾーンを代表として毛髪関連のケアをこんなに怠っているわたしを、お前よく信頼してカットしてくれだなんて頼んだな…と、心底感心した。

わたしの生命保険の死亡受取人を、父から恋人へ移行した。いよいよ、人生を終身的に彼に捧げるというような心持ちがする。
毛にしても財産にしても、その他のあらゆることも、徐々に信頼し合い任せ合っていくのが夫婦なのだろう。

それから、恋人に出会ってからというもの、容姿が良い異性への興味関心が尋常じゃなく失くなった。
もうそんなものに心惹かれる必要がないから。格好良い人の需要は、ことごとくシングルの人に向けられているものだと思う。
元から、容姿においてはイケメンより美女への興味関心が強いわたしなのに、さらに失くなり、無に等しい。

2018年8月23日

恋人の夏休み最後の夜だった昨夜、タイ料理を食べて、そのあとわたしたちが出会うきっかけをくれた大切な方、Kさんのバー「Xaos」へ。Kさんのお誕生日のお祝いにワインを渡し、たくさん笑って過ごした。
夏生まれのKさんも、似合う花は向日葵だと思う。

帰宅し、二人でゆっくりと音楽を聴いた(恋人の従姉妹でフルート奏者の方の録音)。
フランスものを集めた作品集で、フォーレやドビュッシーの楽曲の複雑で美しい色合いが、夏の夜に溶け出して滲んだ。
恋人とであれば相変わらず、今夜のどの過程も楽しかった。

季節の終わりの名残惜しさを感じながら長い長いキスをして、互いの身体にもたくさんキスをしてから、ひとつになった。
すべてが終わってぴったりと抱き合い、互いの髪を撫で合っていた時、わたしはとてもはっきりと、胸が震える音を聴き、やがてその音が、心をすっかり満たしてゆくのを感じた。

同時に、その音には終わりがないということも、動物的に悟った。
わたしたちには、別れという「終わり」が存在しない。死別さえも。

別の次元でこの魂が続くのか、または新しい命として生まれ変わるのかは確証がないけれど、わたしの魂は何度でも必ず、恋人に出会えるから。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?