シャンパーニュと蝋燭
恋人とは、親友や同士のような関係でもある。昨夜は、互いに時間のない中で集合し、2時間ほど真剣に将来のこと話した。まるで放課後の教室に居残る2人の生徒みたいに。男女というより、人と人だった。キスもせず触れもせず真剣に向き合って話した。でもますます好きになった。
話し合ったあと、15分くらい笑いながらキスをしてセックスはせずに解散した。わたしが今日歌の仕事の本番だからだ。行ってきます。
そしてその翌日は、普段は夜中にしか会えない恋人と、早い時間からデートを致します。11時15分待ち合わせで、解散は力尽きる時。楽しみすぎてちょっとどうしたらいいかわかんない。
2017年10月25日
大好きな人と乾杯。グラスをぶつけながら、自然に「ありがとう」って言い合っていた。ディナーを頂いたフレンチは、絵に描いたような「隠れ家」で、店内の照明は卓上の蝋燭の灯だけ。そこでわたしは、夢のようなものを見た。蝋燭の手前に置かれたグラスに、シャンパーニュから立ち上る気泡が影になって生き物のように弾けるのが見えた。あまりの幸せな光景に、わたしは言葉を失くした。
その後は恋人の部屋に帰り、散々飲んだというのにまたシャンパーニュを開けて、いよいよ酔っ払ってわけわからなくなりながらリビングの床で愛し合ったが、わたしの下着を、これ今までで一番好き、すごく可愛いと褒めてくれたのを覚えている。そして死んだように1つの布団で眠り、早朝に目覚め、朝陽が眩しい寝室でまた愛し合った。昨夜のメイクがドロドロになっていて恥ずかしかったが、どういうわけか「すごく良い顔してる」と彼は何度も言った。
長く愛し合ったが最後は、本当に静かに、ひとつになりながら、ただただじっとしていた。朝の光の中で見つめ合いながら。そのとき急に、昨夜のシャンパーニュの泡の影を思い出して泣きたくなった。恋人も彼なりの幸福な光景を思い描いているのか、目尻に涙が溜まっていた。幸せって、こういうことだなと思った。
わたしたちは、すごく変なふたつの動物だ。お互いのからだの凹凸で繋がりながら、ただただ見つめ合っているなんて。でも、同時に思う。いつか歳をとって、肉体でひとつになることができなくなっても、心が繋がり合う瞬間をいつまでも恋人と共有したい。
2017年10月26日
基本ノリの良いわたしたちは、共に新たな世界の扉を開いている。性に関して、楽しみながら少しずつレパートリーを増やしている。そして恋人は無邪気に、こんなの初めて!を連発してくれる。それが本当でも嘘でもわたしは嬉しい。お礼の気持ちを表したいから、彼に喜んでもらえる甘やかな下着を増やそう。
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