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フェイスブック広告を使用した仮説検証

はじめに少し自己紹介をさせてください。私は現在Frectというサービスを運営しています。Frectでは気になる香水の試香紙をご自宅まで郵送し、お客様がご自宅でゆっくり試して納得した後に香水を購入していただくことを目指したサービスです。

今回、以上の事業アイデアの仮説検証について、どのように進めていったのかをまとめました。広告は計4回の改善を繰り返し、最適なクリエイティブを見つけながら仮説の検証を目的に運用しました。

【目的】 仮説検証
・香水やルームフレグランスなどの香り物の商品をオンラインで購入したい
・それらの商品をお家で試したい
事業の軸となるこれら二つの仮説を検証するために行いました。
配信開始当時は、どれほどのCTR,CVRを記録したら仮説立証とするかについて明確な基準は設けず、とりあえずターゲットがどのような反応をするのか試してみました。

初期のランディングページはこちら

【期間】 2週間
時間の節約のために数日といった短期間で一気に配信し、ターゲットの反応を見ることも視野に入れましたが、曜日によって反応が変わる可能性があったため最低でも1週間、予算が許せば2週間をめどに配信しようと考えました。

【予算】¥20,000(使用¥15,000)
予算をいくらにするかは非常に迷いました。この段階で広告費に多額の費用を注ぎ込むことはできませんし、安価すぎても有効なインプレッション数を稼げません。
様々なスタートアップの事例を調べた結果参考にしたのが、SmartHRの立ち上げです。事業選定→LP作成→2万円でリスティング広告→行けそうならプロダクト設計。これを参考にして、とりあえず2万円でやってみることにしました。とにかく手探りです。

【ターゲット】 女性 25才〜30才
・女性
・若者
以上の二つを基準にしました。香水の全体市場の約75%が女性ということ。後々バイラルマーケティングも視野に入れていたため、拡散力のある若者かつ経済力のありそうな年代に限定しました。

【使用媒体】 InstagramおよびFacebook
広告配信開始時はInstagramとFacebookの両方に広告を配信しました。ターゲットから考察するに、Instagramを配信先として限定してしまうのも良いかなと思いましたが、念のためFacebookにも配信しダメならすぐ停止することに決めました。
結果、FacebookはInstagramに比べCTRが著しく低かったため即、広告配信を停止することになりました。


①ABテスト

初めにABテストを行いました。
テストしたのは以下の二つの広告です。大まかなクリエイティブは同じで「香水」か「ルームフレグランス」かの文言のみ変更しました。これによって、香水とルームフレグランスのどちらのニーズが強いかを調べました。

広告A

広告B

【結果】
広告A インプレッション1042 クリック数9
広告B インプレッション3443 クリック数35

インプレッションやクリック数がAとBで3倍ほど違うのは、途中この二つで大きな差はないと分かったため、ルームフレグランスで勝負しようと思い広告Aの配信を停止しました。なのでインプレッションやクリック数よりも、CTRに注目していただければと思います。
最終的な結果を見てもCTRはほぼ変わらないので、「香水」と「ルームフレグランス 」でそこまで大きな差はないのだとわかりました。

②動画広告(文字なし)

香水とルームフレグランスのニーズに大きな変わりがないと分かった後は、クリエイティブの最適化を目指しました。
まずはABテストで配信した広告とは正反対のイメージである以下の広告を配信しました。動画にした理由は、高速で切り替わるInstagramのストーリー広告において文字を読んでもらうために動画と音楽で引き付けるようにするためです。
文章では課題の共感から入りホームページへの誘導という流れで作成しました。

↑音声つき動画ファイル

【結果】
インプレッション6130 
クリック数122

化粧品広告の平均CTRが1.0ほどなのに対し、この広告はCTR2.4を記録しました。正直この広告がこれほどのクリック数を記録するとは想像もしませんでした。今回の広告配信の目的である「お家で香水やルームフレグランスを試したい」というニーズが存在することが確認できたため、この時点で仮説は立証できたとしました。

次の動きとして以下の3つの選択肢がありました。
・この広告を引き続き配信
・新しい仮説を立て検証
・CTR2.4以上のクリエイティブを目指す
結論、更なるクリック数を稼ぐためCTR2.4以上のクリエイティブを目指すことにしました。

③動画広告(文字あり)

CTR2.4以上を記録するクリエイティブを作るために、動画や音楽などのベースは変更せずに動画内に文字を入れることでサービス内容を強調、さらなるインパクトを与えようと試みました。

↑音声つき動画ファイル

【結果】
インプレッション1294
クリック数12
見てわかるようにCTR2.4以上とは到底かけ離れた数字となりました。
文字を入れることで広告っぽさが増し、嫌がられてしまったのではと考えています。

この時点で残りの予算からさらなるクリエイティブを作成しても、最適なクリエイティブが分かったところで予算が上限に達してしまうことになると判断。

結論、残りの予算をCTR2.4を記録した動画広告の配信に費やしました。

④動画広告(文字なし)

CTR2.4を記録した広告に残りの予算を全額注ぎ込みました。
この時点で
・香水やルームフレグランスなどの香り物の商品ををオンラインで購入したい
・それらの商品をお家で試香したい
という仮説は検証できていたので、ビジネスモデルを再構築しました。

以前の試香紙の郵送サービスからフルボトル香水のレンタルという事業に行きつき、それに適したランディングページを作成し公開しました。

ランディングページをこちらのデザインに大幅に変更し、CVRボタンの文言を「事前登録」から「会員登録」に変更。クリックへの心理的障壁を下げました。

番外編

ここからインスタグラムの運用を本格的に行いました。
#香水  などの顧客になり得るアカウントの投稿にコメントを残していきました。コメントでは、投稿を褒める→相手と自分の共通点を提示→疑問を投げかける。と言ったフローでなるべく多くの交流をするよう心がけました。
結果、Instagramのアカウントに飛んできてプロフィールをチェックしリンクをクリックしてくれた人が32人。そこから会員登録をしてくれた人が3人を記録。香水を使用する人には刺さるサービスであると再確信することができました。

以上が広告を使った仮説検証の記録です。
今回の検証で事業の軸となる
・香水をオンラインで購入したい
・香水をお家で試したい
という仮説が検証できました。

反省点としては、広告予算が限られているにもかかわらず欲を出し、本来の目的である仮説の検証からコンバージョン の向上に移行してしまった期間があったことです。それによって広告予算を少し無駄にしてしまいました。

事業アイデアは、
試香紙の郵送→フルボトル香水のレンタル
という流れを得て、現在では試香紙郵送のサブスクリプションサービスとなっています(今後変更する可能性は大いにあり)。

今後は検証で得られたファクトをベースに事業アイデアの再構築、並びにMVPの作成に着手していきます。

Frectは香水ブランドの思いを重んじ、気になる香水を家で試せるサービスを作ります。
応援よろしくお願いします。

www.frect.store

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