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寧静は

毎年、眩いイルミネーションが街を彩る。
ライトアップが綺麗だねと、肩を時折ぶつけながら歩いた夜。
さながら縁日のような賑わいで、多様な国の人々とすれ違いながら、当たり前の東京を散策していた日々。

2020年はオリンピックイヤーだね。もっと人がいっぱい来るよね。オリンピックの時は会社休みたいなあ(笑)
ふざけて話していた去年が、なんだか別の世界の出来事のようで、やるせなさと憤りと、悲しさを隠して生きる。東京は、生きている。

ライトアップが一斉に消えた震災の日から、ずっとずっと頑張っている人々。
75年前の焼け野原から、幕末から、それよりずっとずっと前から、頑張る人々の手で紡がれてきた日常は、常に寧静だったわけじゃなく、寧静致遠で積み上げられてきたもの。

禍はフィクションではない。だからイルミネーションの灯りのように、家庭で学校で仕事先で、一人一人が懸命に輝き続けよう。明日を、眩く彩ろう。

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