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僕をジャケ買い狂いに堕とした罪深くも抗えない「The Like」の「Release Me」の問答無用のジャケットの破壊力と確かなクオリティ

はじめに

あれはいつのことだろう。6年から7年前の事だったと思う。いや、8年前かな・・・・。いやどうでもいいな。まぁ大体そのぐらいです。コロナの前です。
レコードを本格的に買い始めて日が浅く、買いたい作品がわんさかあった駆け出しの私は、日本のレコード屋の2大巨頭であるディスクユニオンとHMVレコードの週末の廃盤セールに足しげく通っていた。
このセールという言葉はレコードが安いという意味ではなく、レアな作品や人気の作品を年代やジャンルで括ってまとめて出しますよという意味です。
私の集めているジャンルは90年代以降のJ-POPと90年代以降(一部80年代終わり)のインディオルタナロックというジャンルである。今ではこのジャンルは人気ですが、この時はまだそこまで盛り上がっていなく、インディオルタナに於いては円安の影響も無かったので色々と捗った幸福な時代でした。
会話をすることはないけど、お互いの好みを買っている盤から推測できるぐらいには一緒に争奪戦を繰り広げている数は少ないけど手練れの競合相手との闘いを制し、お目当てのレコードを棚から引っこ抜いた私に一枚のレコードが目に留まった。
それがこのレコードである。

この前レコード屋でサイン無しは20000でした・・・。

何かを考える間もなくすぐにそのレコードを棚から引っこ抜く。
まず可愛い。そしてオシャレ。最後に可愛い。おまけでどんな音楽なんだ?という疑問。YoutubeやGoogleで検索しようと思ったけど、なんか勿体ない気がしたので調べずに買うことを決意。当時の私はCDで持っている作品を全部レコードに置き換えるという事をやっていて、既に知っている作品しか買っていなかった。久しぶりにあのドキドキが味わえるのではないかと思ってたので、その楽しみを失うことをしたくなかったのだ。
値札を見る。約1万円。
既にお目当ての作品を買って予定金額は使っている。
だが欲しい。3000円くらいだったら・・・・いや買う。
俺はアートを買っている。中身が気に入らなくても可愛いしアートだし。
しかも、サインが入っている。それがどのくらいの価値があるかはわからないけどサインの筆跡も可愛い。どうせ帰り道も帰ってからも買えばよかったかなーとか考えてモヤモヤするんだし、迷ったら買え!
この間10秒も経っていません。
私はそれを持ってレジに並び、寂しくなった財布の中身を見ないふりして買って帰る。
新宿のHMVレコードだったと思う。Googleで検索したらこれと同じサイン入りの商品のページが出てきた。まだページ消えてないんかい。

レコードを買ってない人がこの文章を読んで私の行動を評するとしたら
「イカれてる」だと思います。
1万円のレコードを調べも視聴もせずに買うなんてと思っているはずです。
つか、レコードに1万円て・・・たっか!と思っているでしょう。
大丈夫。あなたが正しい。レコード屋の廃盤セールに並んでバシバシレコードを買っている私はイカれていると私も思います。

いや、こんな話をしたいんじゃない。こういう話は今後他の記事でしてみようかなと思います。
この作品の話がしたいのです。
どうすか?
めちゃくちゃイイ感じのジャケじゃないですか?
買っちゃうのも無理ないよな。なっ!(威圧)
残念ながら男という生き物は可愛かったり、美しかったり、チャーミングだったりな魅力的な女性が大好きなのです。しかもオシャレ!最高!イェイ!
ということでジャケの破壊力がわかった所で中身の話をしましょうか。

どんなバンド

そうなんです!バンドなんです!買って帰って聴きながら調べてビビりました。しかも2作目!そして1作目は格好もグランジ直系の感じで内容もグランジっぽい感じでした。昨年あたりに1stのレコード出たんで買いました。
簡単に紹介。

英語のページ多くて大変


Elizabeth "Z" Berg (Vo/Gt) 中央右
Charlotte Froom (Dr) 脱退
Tennessee Thomas (Dr) 中央左
Laena Geronimo (Ba) 脱退
Reni Lane (Ba) 多分一番右
Annie Monroe (Organ) 一番左
多分これで合ってるはず・・・・。
基本的にメンバーの大部分が業界人の娘さんみたいで、そういう恵まれた環境で育ってバンド結成して・・・みたいな感じです。
確かに育ちがよさそうな感じです。オシャレで可愛い感じを出せるのも納得。

どんな作品

ジャケットからは全くジャンルがわかりません。

いやオサレだな


裏ジャケを見ても分かりませんね。
1作目が直球のオルタナなのでこれもそんな感じと思いきや
今作の参照元は60年代のポップスみたいな感じです。
しかもUSじゃなくてUKの感じです。Beatlesとかが現役バリバリで輝いていた時代ですね。
こんな曲です。

観て聴いて頂いた通り、衣装はその頃のイケてる女性が着ていそうなオシャレな服で、楽曲の全体的な感じもレトロなあの頃な感じで、オルガンが特にレトロ感を出すのに効果的に作用してます。コーラスの入れ方も「コレコレ!こういう感じだよね」というような徹底振りです。
でも音の響きはレトロを意識しつつも、決して懐古趣味に終わらず、あくまでも現代のガールズバンドが表現の参照元としてこの年代の音楽をやるとこうなるよねという形になってます。
というか、これが2010年代のガールズポップの決定盤だと宣言できる完成度だと思います。このバンド以外に女性だけのグループって全然知りませんのであくまでも推測ですが。
楽曲とサウンドの完成度が物凄く高く、レトロ感を自分たちの表現に上手く取り入れていて無理やりな感じがなく、そしてアルバム全体でなんか可愛らしい感じもします。
写真みたからかもしれないですけど・・・。

まとめ

直感に従って1万円のジャケ買いを成功させた私。
その後1年間、洋楽の近年盤のジャケ買いをしまくりました。
ただ残念なことにこれ以上の当たりは正直ありませんでした。
全部がハズレではないですが、並ぶくらい好きなのがもう一つ。
ちなみにコレです。

とても楽しそう。丸出しだったので消しました。

あとは1回楽しんだらそれでおしまいな感じの作品だらけでした。
いくら使ったんだろう・・・・・。
本当に我を忘れるくらい直感にビビっと来た時以外はジャケ買いをやめようと心に誓い、今日もレコード屋でジャケ買いをしてきてしまった私という愚かな人間がいます。
あっ、昔よりは全然減りました。さすがに学びました。
こんな人間を生み出してしまうぐらいの魔力を持った作品なので
重ねて大推薦させて頂きます。

成功体験って恐ろしい。


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