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消極的に選ばれる経済学部・経営学部という悲しい存在

はじめに

この記事は経済学部がいかに消極的進路選択として選ばれているかと、経済学と経営学の違いなどについて述べる。これから大学を受験する・入学する高校生や該当学部出身者、そして経済学や経営学に興味がある方に向けて書いた。

なぜ、経済学部に行ったの?

経済学部を進んで選ぶ人は少ないと思っている。ここでの議論をシンプルにするために文系学部を法や政治を学ぶ法学部、文学や哲学を学ぶ文学部、経済や経営・商学を学ぶ経済学部の3系統とする。

こうした場合に、法学部は偏差値が高く、文学部は就職が不安ということで偏差値でも将来性でも間をとって経済学部を選ぶということになる。こうしたことで、特に経済なんて欠片も興味のない人たちが経済学部にいく。

しかも、これは地方特有の問題なのかもしれないが、高校の先生たちも生徒を大学に進学させることが目的になっていて、自分自身も勉強していた教育学や周辺領域しか知らないものだから、進学サポートの冊子を配るだけで大学の勉強とは何ぞや?ということが語られることはなかった。高校、大学、就職までの繋ぎが十分に出来ていないというのはこれは別のテーマとして取り扱いたい問題だがここではひとまず置いておく。

余談だが、地元のマイルドではないヤンキーの同級生に経済学部で勉強しているといった時には「俺FXに興味あるから教えてくれね?」と的外れなことも言われた。経済学は別に株式投資を教えてくれる場所ではない。

経済学部と経営学部は何が違うの?

字面は似ているが全く違う。僕の独自解釈だが、経済学というのは誰かと誰かの利益(お金だけではなくてお互いが満足するものと考えればいい)をうまい具合に分けるのはどうしたらいいのか?を考える学問で、経営学はある組織が成功したもしくは失敗した原因を考えて、他の組織にも当てはめられないか考える学問だ。

経済学の「誰かと誰か」というのは国だったり、自治体だったり、企業だったり、人だったり、自然だったりする。人と人の利益をうまく分けるにはどうするか考えるのはというのはミクロ経済学というし、国と人(国民)の利益をうまく分けることを考えるのはマクロ経済学という。ただ、世の中複雑なのでいろいろな利害関係が発生しており、〇〇経済学と名前をつけて個別の利害調整問題を考えているのが現状だ。

経営学部と商学部は何が違うの?

一方で経営学は先述の通り、組織が成功した、失敗した原因を考える学問だ。経済学と同様に経営学の中身もだいぶ細分化されていて、経営戦略論、組織論、マーケティング論など色々な切り口で組織の成功・失敗を分析している。ところで大学の学部でいうと経営学と商学部というのがある。日本の大学には旧三商大と呼ばれている、一橋大学、神戸大学、大阪市立大学があるが、このうち経営学部があるのは神戸大学だけだ。

諸説色々あるのだが、独自解釈を織り交ぜてシンプルに説明すると、神戸大学は例外として商学部という場合には、経営学と会計学の2つのコースがある。経営学は先ほど説明したが、会計学というのは簡単に言えば会社の価値をどうやって評価するか考える学問だ。例えば会計士という仕事があるが、この会計士の仕事は、会社の一定期間に出した成果が適切かどうかを確認する仕事だ。

経済学・経営学は役に立つの?

思ったより就職などでは役に立たないと思っている。どの学部かよりも、どのスポーツをやっていたかが重視されていたように感じる。それでも就職難の時期は体育会の主将でも苦戦していた記憶がある。

理系であれば本人がその専門領域が嫌いで続ける気がない場合を除けば、同じような専門性を持つ組織に就職出来るかもしれないが、経済学を学んだからと言っても必ず経済政策・評論のプロになれるわけでもない。経営学も同様で学んだからと言って経営者になれるわけでもない。

思ったより役に立たない理由には2つの側面があると考えている。1つは、理系分野の多くは自然科学つまり同じ状況を揃えれば同じ結果が得られることが多いが、経済学や経営学は社会科学と呼ばれていて、同じ状況を揃えることがほぼ無理だ。物凄い雑に説明すると、おっさんが若いころの成功談という名の自慢話は当時と時代が違うから参考にならないというのと一緒だ。ただそうは言っても僕は経営学を学んだ人間として、賞味期限はあるものの、ある種のセオリーは存在していると信じている。例えば、経営戦略論のフレームの定番中の定番、ファイブフォースモデルで業界特性はある程度説明できる。

2つ目の側面は自戒も込めてだが、何となくという気持ちで経済学部や経営学部を選んだ学生が勉強に打ち込めるとは考えにくい。真面目に勉強すれば〇〇コンサルティングとか〇〇総合研究所みたいなカッコいい会社に行けるのかもしれないが、そこまで真剣に取り組めていないのではないかと思う。最近、学生の時に真面目に勉強していればと思う。特に経済学の分野でいかに利害関係を調整するかというケースはたくさんあったはずで、そういったものが頭に入っていれば日頃の仕事や生活ももう少しスマートに過ごせえるのではと考えてしまうことがある。

最後に

とりとめのない文章になってしまったがエッセイということでご容赦願いたい。大学で何を学ぶかというのは正直、受験生からすると二の次で、まずは学校名と立地かもしれないがせっかく4年間人によってはそれ以上過ごすのだから勉強も楽しかったと思えるようにしてほしい。僕は劣等生だったけれども経済学も経営学も今でも大好きだ。役に立つか立たないかも大事だが、ちょっと真面目な趣味を見つけるくらいの気持ちで学んでほしい。

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