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夏の工作:手製本で一点物の歌集づくり

 時間が有り余ってる。
 今年はたっぷり夏休みがあるけど、出不精で県内にある実家にすら何年も帰ってないくらいだから、コロナとかは関係なくいつも通り、暇だ。
 これまでに作った短歌をまとめたばかりだし、前々から装丁と製本作業をやってみたかったし、本を一冊作れるだけの原稿を手にしている今、有り余る夏休み中の今、自分用の歌集でも作ってみるか。と思い立ったのが1週間くらい前で、つい先ほど完成しました。案外ススッとできた。
 とても楽しかったので思い出を記録しときます。(とは言ってもこういう記事を書くつもりがなかったから、作業途中の写真はほとんどありません)

【装丁デザインと製本データ作成】

 どんなサイズでどんな綴じ方の本にしようか、外観を中心にデザインを考える。コピー用紙を切ったり重ねたりしてモックアップを作り、それに直接鉛筆でタイトルなどを書き込んでレイアウトを決めていく。
 ちょっと前までアドビのCS5.5を持ってたんだけど、OS更新で全部使えなくなってしまったので、DTP作業の大半をIllustratorやInDesignではなく、Wordでやる羽目に。Wordをちゃんと使ったのは修士論文以来で、これが一番大変だった。なんだかんだで4日くらいかかり、本文のデータが完成したのは一昨日。データはクラウドにアップ。

【買い出しと印刷】

 昨日は自転車で材料の買い出しへ。日焼け止め塗りたくってサングラスかけたら夏。
 手芸用品店「ユザワヤ」で本を綴じる紐としてリリヤーンを購入。180円くらい。
 次はお盆休み前最終営業日の紙専門店「ペーパースタジアム」へ。店員さんにいろいろ相談しながら、本文用にタブロ(新聞に使うような紙。更半紙・藁半紙に近い質感。レーザープリンタでの両面印刷にも耐えられる) 、見返し用にクラフトペーパー、表紙用に中厚のピーチケント、カバー用にグレーの中厚紙(品名忘れた)と同じく中厚のトレーシングペーパーを購入。カバー用紙2つは大判しかなかったのでお高めで、合計2100円くらい。
 キンコーズに移動して、10分200円のパソコンを借りて印刷作業。Wordで作った原稿をPDFにしてたんだけど、埋め込みを忘れてたせいでPDFのフォントが代替されたうえにレイアウトも崩れてることに気づく。10分以内で作業を切り上げて、背表紙用の光沢ラベル用紙を1枚だけ購入して急いで一旦家に帰ることに。300円くらい。
 家でPDFを作り直して、昼ごはんに昨日作ったカレーを食べて、再びキンコーズへ。10分200円のパソコンを再度借りて印刷作業。本文データをプリンタに流し込んで、両面印刷がうまくいってることを確認したらその間にIllustratorで表紙と背表紙のデザインに着手。結局パソコンを1時間近く借りてしまい、それだけで1200円。これだけ使うならアドビのサブスクを月単位で購入すればよかったかも。プラス印刷代。(金額忘れた)
 ▽クラウド上のフォルダ。

 カバー以外の紙をキンコーズ内の作業スペースでカットして、この日の作業は終わり。ちなみに全工程の中で一番うまくいかなかったのが紙を切る作業。めちゃくちゃ難しかった。まあ売り物じゃないから良しとしよう。
 ▽本のあるところajiroさんでビールを飲みながら本日の成果を確認。

 とてもきれいに印刷されててうれしい。タブロはよい紙。

【製本作業】

 今日。はやく仕上げたくて早起きした。まずは紐を通す穴を開けるために、家にあった木の端材で固定道具を製作。これに本を嵌めて木工用の電動ドリルで計7箇所の穴開け。2箇所は補強用のこよりを通すための少し大きな穴。5箇所は紐を通す穴。真っ直ぐ穴を開けないと仕上がりに影響しそうで緊張した。
 ▽固定道具。使用後に撮影したので穴が空いている。

 発色のよさが気に入って購入した蛍光イエローのリリヤーンを針で穴に通し、きつめに本を綴じていく。リリヤーンは若干の伸縮性があるので、縛りやすかった。紐のうえから背表紙用のラベルを貼り付けて本体が完成!
 ▽けっこうきれいに出来た。

 2枚重ねのカバー用紙をカットして折って本体に着せたらすべて完成!
 ▽おわかりいただけるだろうか。カバーの上端が“平行じゃない”ことを……。

 ▽裏はこんな感じ。平行じゃないので見えるグレーの割合が増えてる。

 ▽強度を気にせずしっかり開ける丈夫な造り。

 ▽小口側はあと1cmくらい裁ち落としてもよかったかもしれない。

 ▽以上、夏の工作でした。

 全部で5500円くらいかかった。一点物ってやっぱり高くつく。


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「蝉時雨」みたいな言葉を発明するまで続けるよ。