見出し画像

初雪観測

スクリーンショット 2020-12-31 23.50.13


海嶺にとても大きな死があってたまに写真を撮られたりする

雪国に生まれなかった良し悪しを想えばアスプルンドの火葬場

逆風をゆっくりと来た海猫の疲れを癒せ人造の川

悴んで本が読めないバス待ちの人らの思考読んでみたいわ

車窓からみえた黄色のマフラーを栞代わりにたたむ小説

この人に旧姓のある不思議さは初めて耳にした音のよう

フェンネルの繊細な葉は散らされて、愛が足りないところは何処だ

少しずつ流されながら繰り返す鴨の潜水練習は良き

明確な冬のあらわれとして降り始めた雪を眺める犬と


(2020年12月、まだ足は着く)

「蝉時雨」みたいな言葉を発明するまで続けるよ。