見出し画像

職場でデジタル耳栓つけてみて〈1年半〉

デジタル耳栓着用感及び復職日記の記載がストップしてましたが、何とか生きてます。
同僚が病気休暇に入ったり同じ係で同時に2人新型コロナ陽性になったりとドタバタありましたが、何とか生き延びました……。
そんなこんなもありながら、今年も仕事納めと向かっていっています。今年を振り返ると、自分の体調を注意深く観察・分析しながら適宜主治医に意見を求め、障害福祉サービスにサポートを受け、上司と相談を行い、自分の働きやすい環境又勤務形態を構築できた1年だったなあと思います。
その中で、デジタル耳栓に係る部分について記しておきたいことがあります。

⤴⤴⤴前回の使用感まとめはこちら

デジタル耳栓を職場で着けるまで

デジタル耳栓を着用するまでは相手の話を聞き取ろうと一生懸命集中しても、僅かに単語が拾える程度でした。

そうなるとどうなるか。

その状況に適応するために、拾えた単語から相手の発言を推測で補ってコミュニケーションを成り立たせようとします。今の職場やコミュニティではそれで何とかなってました。 
だいたい聞き取れれば、やり方や方法が違ってても結果さえ良ければヨシ!という場所だったからです。
なので、少ない情報から推測や想像で求められていることを考え、確認をせずに行動する癖が着いてしまいました。これは生まれてこの方ずっとそうでした。デジタル耳栓を着用するまでは。

しかし今の職場は違います。
一言一句漏らさず相手の発言を丁寧に聞き取り、論理的に分かりやすく必要な人へ伝達する必要があります。そのような職場で、自身の推測や思い込みで仕事をするとどうなるか。

大事故が多発します

「そんなことは言ってない!」
「それはあなたの思い込みだ!勝手な行動をするな!」
「電話でちゃんと伝えましたよね!」

自分の仕事は部内折衝です。伝える相手は課長代理級の人たちです。「こんくらいでいいやろう」と決めつけ伝えることで、「そんなの聞いてない!」案件が多発し、たくさんお叱りいただきました。

デジタル耳栓を着用したが……


そこで着用したのがデジタル耳栓。
デジタル耳栓を着用すると、今まで一生懸命聞き取ろうとしても聞き取れなかった相手の言葉が、話としてちゃんと拾えるようになりました。これにはとても感動しました。
しかし同時に、情報処理能力がパンクしてしまいました。

なぜか。
それは聴覚からの情報処理を、私は30年弱もの間、想像力フルに働かせて解釈していたからです。
その処理方法で、今までの何十倍も多い量の情報が入ってくるとどうなるか。

ダムが決壊するように、自分の情報処理能力が決壊し、制御できなくなりました。その結果、刺激に弱くなり外出すらできなくなりました。そうして病気休暇を取得するに至りました。

工夫したこと

復帰後1年かけて、相手の話を一言一句漏らさず拾う試行錯誤を続けました。

  • 話しかけられたらすぐ胸ポケットからメモを取り出す

  • 話が終わったら、メモをとった内容が正しいか必ず復唱する

  • 電話をとる時は相手の発言をオウム返しし、周りにどんな電話を受けてるか暗に知らせる

  • 話が長い人には「後でその話メールで送ってください」と伝える。

こうした試行錯誤が実り、相手の話したことを正確に把握し、なおかつ言われたことを言われた通りに解釈することが可能になりました。
その結果、以前の2%の労力で働くことができるようになりました(個人の感覚です)。

そうすると、今までとは働き方がガラリと変わります。
聞き取りに割いていた労力を状況整理や判断、確認、報連相など、仕事を進める上で最低限必要不可欠なことに回せるようになった。

やっと社会人になれた。
そんな実感を持てるようになったのが今月(12月)に入ってからだ。

具体的に何が変わったか

  • 落ち着いて相手の話を聞けるようになった

  • 相手の話をメモできるようになった

  • メモを整理して生じた不明点を同僚や上司に確認できるようになった

  • 作業に取り掛かる前に段取りを考えられるようになった

  • 同僚とのコミュニケーションが怖くなくなった

  • 質問することへのハードルが下がった

  • なにかあれば聞くようになれたので、ちょっとしたことでも同僚がヘルプくれるようになった

などなど……

意識して情報処理の方法を変えたことで、働き方が大きく変わり、自分にとって働きやすい働き方ができるようになってきたと思います。これを1週間、1ヶ月、1年、3年と続けていきたいです。

今後の課題

  • ロジカルシンキングを自然にできるようになりたい。公務員が故に、根拠ある言動を求められるため、勘と経験と度胸でお茶を濁す姿勢から抜け出したい。

  • より余裕を持って仕事に臨みたい。指示されたことをメモに書き出し整理するだけでなく、図解やロジックツリーをパパっと書き出すなどしたい。

  • 口頭でのやり取りにおいても、根拠をすぐパッと出せるようにしたい。それの鍵となるのは大型ディスプレイの有効活用。

まとめ

デジタル耳栓を着用することで、自分の世界が変わりました。しかしそれは良いことばかりでなく、大きな痛みを伴うものでした。
ただそれを単なる失敗として片付けるのではなく、原因を分析し、改善できるポイントを愚直に遂行し自分のものにする。そうしたサイクルを回すことで、ひとつひとつ課題をクリアできたように感じます。

3年目が終わろうとしている今、求められるレベルには到底達していません。1年目の3ヶ月経ったくらいの感覚です。でもこれは自分にとって大きな自信となる期間でした。

自分と同じような苦しみで悩んでる人のために新たな道を作る。

これが私の働く理由です。

誰もが働きやすい社会づくりに、自分の出来るところから試行錯誤を続けていきたいと思います。