見出し画像

-親ガチャに失敗した君へ- 第39話『生きている意味』

-前回までのあらすじ-

・高校を辞め住み込みでバイトするもお店が閉店。

・やっとのことでひとり暮らしをする算段がつく。

からの続きです。

nasso

『生きている意味』



遂に旅立ちの時を迎えました。


荷物がほとんどない私は

大きめのリュックに衣類などを入れ

初めて自分で借りた家に向かいました。


電車に乗りながら

色んな思い出を思い出しながら

新天地で頑張ろうと思っていました。



それから新しい家に着いた私は

片付ける物などなかったので

すぐにタウンワークを広げ

仕事を探しました。


面接を受けられそうな職場を探し

3〜4件の職場をピックアップし

履歴書を書きました。


集中していたのでしょう

気づけば

夜になっていました。



引っ越したばかりの

私の部屋には

もちろん家具や家電もなく

寝具もありません。

その日は、冷たいフローリングで

丸まって眠る事にしました。



そして次の日から

初の就職活動に専念していましたが

やはりここでも

親がいない事が障害になっていきました。

私が未成年であるが故に

面接官に問われるのは


「保護者の同意書持ってますか?」

「緊急連絡先ってありますか?」


面接を受けた大半がこの質問でした。


ですが

私には誰もいないので

答えは一つでした。


「家庭の事情があり、ありません」


そう聞くと

面接官の方が怪訝な表情を浮かべ


「そうですか、なら今回はすいません」


そう柔らかく断られました。


そんな事を繰り返し

家で冷たく硬い床で

横になりながら考えました。


「俺って生きている意味あるんかな?」


親が居ないだけでこんなにも足枷になり

家を借りる事も

仕事を探す事もさせてもらえない。



そんな世の中に

私は精神的に疲れてしまい

このまま起きない方が幸せなんじゃないか?

そう思いながら重い瞼を閉じました。



つづく…

nasso

この記事が参加している募集

私の遠征話

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?