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-親ガチャに失敗した君へ- 第3話 『自分で選ぶ道』

ー前回までのあらすじー

・おとんの小指が…犬に!?

・急遽、滋賀県に引っ越すことになった。

からの続きです。

今回は、私の運命の選択の一つのお話です。

nasso



『自分で選ぶ道』


引越しを余儀なくされた私に待って居たのは


高級なタワーマンションでも無く


新築の一戸建てでもなく


家の周りが、ほとんど田んぼに囲まれた


ボロアパートでした。


もちろん、トイレは汲み取り式のボットン便所と言われるものでした。


今でもよほど酷かったのか子供の頃の記憶ですが鮮明に覚えています。笑



そんなアパートでも家族が一緒なら頑張れると

思っていましたが

現実はそんなに甘くはありませんでした。



        
そんなアパート生活をして1か月が経とうとした頃

神妙な顔をしたおとんに兄と私は近くに来いと呼ばれました。


おとん
「今からお前らに話しがある」


そう言うと横から不意にオカンも横に座りました。


おとん
「おとんとオカン離婚する事になった。

お前らはおとんとオカン

どっちについて行きたい?」


と4〜5歳の子供にわかるはずもない
質問を投げかけました。


ですが何故か子供の本能でしょうか?
兄と私は口を揃えてこう言いました。


「オカンがいい」


そう言うとおとんは頷きオカンは


「ごめんな、ありがとう」
と私達にいいました。


この選択が後の人生に大きく関わってくることは
全く想像できませんでした。


家族会議から一夜明け

何事もなかったように
1日が始まったと思いましたが

突然
おとん「ちょっとこっちに来い」

兄と私は近くに行きました。


おとん「俺はちょっと今日から出掛ける。

お前らがオカン守ってやれよ。

それとな、お前らは男なんやから女には手出すな」

と言われ私達は頷きました。


おとん「ほな頼むで、行って来るわ」

と玄関に向かい、兄と私も見送りに行き2人で

「行ってらっしゃい」と言い見送りました。



ドラマや映画にあるハグをして涙するような

感動的なシーンとは程遠い最後の別れでした。


無知な子供の私には

その場にオカンがいない状況に

少したりとも違和感を感じていませんでした。



次回、『頑張るオカン、感謝の生活保護』
へと続きます。


nasso

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