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グローバル人材になるための英語学習法 ~子音を聞き分けろ

子音聞き分け習得

グローバル人材になるためには、英語力は必須になります。私は、語学は、勉強というより(もちろん文法のようなものは学ばないといけないと思いますが)、英語を聞いたり、話したり、書いたりする訓練だと思います。泳げるようになるためには、息継ぎの仕方とか、多少の泳法を習った後は、ひたすらプールで泳ぐ訓練をすると同じような考え方です。

よって、どのくらいの時間をかけて、訓練すればいいかということになります。米国国務省の外務研究所(Foreign Service Institute)によるとアメリカ人がある程度の日本語を話せるようになるまでに、約三千時間かかるといいうものでした。私は、この三千時間というのは、日本人がある程度(TOEIC730点程度)の英語を話せるようになる時間と考えていいのではないかと思います。

先ほどのアメリカの国務省の調査によると、アメリカ人がフランス語を習得する場合は、日本語の3000時間に対し、三分の一の700時間で済むそうです。

そういえば、日本人が一番習得しやすい言葉は、インドネシア語で、英語の半分以下の時間で習得できるそうで、インドネシアの日本人駐在員は、大抵皆、一年もするとインドネシア語を話し始めていました。発音がそんなに、日本人には、難しくないというのが理由です。

会社にインド人社員が少なからずいますが、彼らは、入社して二年くらいで、皆、結構日本語をしゃべりだします。「なんでそんなに速く日本語が習得できるの」と聞きましたら、彼らの母国語のヒンディー語などには、いろんな発音があり、大抵の国の言葉の発音は使い分けできるそうで、語学には、日本語以外にも相当自信があるそうです。

私は、これが一つのヒントになると思います。英語学習の最初に、できるならば、小学生くらいの時に、日本語にない子音が聞き取れるようになれば、今までよりも短い時間で、それこそ学校教育だけで英語が話せるようになるかもしれないと思うわけです。既に大人になっている人もリスニングの訓練の量を増やす事は重要だと思います。

東南アジアなどの新興国の国営のテレビ番組は、あまり面白くなく、衛星放送やビデオが普及していますが、その時の言語が英語という場合も結構あります。よって、英語の学習のためというわけでなく、ただ単に娯楽として、映画やアニメを楽しんでいると自然と英語が耳から入ってきて、速く英語が習得できるようになった人も大勢います。以前、モンゴルに行ったときに、ホテルのテレビでやっていたのは、「ちびまるこちゃん」の英語吹き替えバージョンでした。「ちびまるこちゃん」を楽しむには、英語が理解できればいいわけですね。


ということで、東南アジアの人は、ただでさえ、子音認識言族で、しかも幼少の頃から、英語のリスリングの特訓を受けているようなものなので、学校で英語を習うとその習熟速度は、我々日本人の何倍にもなるわけです。

日本の場合、私の子供の頃から、「ララミー牧場」などの映画や「トムとジェリー」「ポパイ」などのマンガも全て、日本語に完全吹き替えで、おばあちゃんが、「この外人さんは、なんて日本語が上手なの」と言って驚いていたのを思い出します。幸か不幸か、一生懸命、英語を理解しようと努力もする必要もないし、その機会もなかったわけです。

というわけで、語学習得には、「発音」というのは、重要な要素なので、慣れ親しむというのは、早期英語習得に有効だと思います。今は、英語のコンテンツは、非常に豊富なので、お子さんには、英語のアニメを見せるとか自分も一緒に見るなどして、耳を鍛えながら、英語の訓練の時間も稼ぐというやり方も、英語と楽しく付き合う方法ではなかろうかと思います。

グローバル・コミュニケーション能力

さて、異文化理解ができ、英語ができるようになっても、自分の考えを皆に説明し、説得するプレゼン力と多数の人の前で自分の意見を積極的に発言できる発言力は、グローバル人材の基礎力として必要です。私は、これを「グローバル・コミュニケーション能力」と呼んでいます。

日本人は、あまりスティーブ・ジョブズのようには、プレゼンテーションはできず、苦手意識がある方も多いのではないかと思います。

以前、オーストラリアの友人と夕食を一緒に取っている時に、彼が、「今の子供は凄いよ、小学生の時からプレゼンのやり方を訓練されているのだから、自分の時代は、高校生からだったよな」と言いました。その時の私の返事は、「俺は、社会人になっても訓練されたことがないよ」と言うものです。当然、彼の方が、はるかにプレゼンは上手でした。

このように、欧米では、プレゼンテーションや人前での発言は、社会生活では必須のスキルとして認識されて、子供の頃から訓練されているわけです。これは、多様性のある社会の中では、説得させたり、意見をはっきり言うということは重要だったからだと思います。それに、加えて、グローバルでは、プレゼンの重要性を認識しており、あのスティーブ・ジョブズですら、プレゼンの前には、何度も練習したと言われています。私も、プレゼンの訓練を受け、最近は、大分ましになりました。


シンガポールの大学では、プレゼンの授業は必須で、ビデオで撮られたりして訓練されたそうで、若い人は、皆、プレゼンは上手です。日本の大学でも、最近は、プレゼンの授業も始まったそうですが、まだ「選択科目」で必須ではないそうです。これは一刻も早く「必須科目」にしてほしいと思います。

アジアの人々は、日本人と似ていて、人前での発言は、あまりしません。シンガポールでも同じでしたが、若い人は、結構、発言します。理由を聞いてみると、大学時代に、インドや中国からの留学生が、授業中にどんどん発言するそうです。それに比べ、おとなしいシンガポール人の学生をみて、教授が危機感を抱き、授業中に発言しないと単位を与えないというふうに変えたそうで、皆、それならば、と言う事で、どんどん発言するようになったと言っていました。これも訓練しだいで、習得できる能力のようです。

という事で、「グローバル・コミュニケーション能力」は、訓練すれば、身につく能力だと言えます。

まとめ

ちょっと、まとめてみましょう。

グローバル人材の基礎力として「グローバル・コミュニケーション・スキル」がある。それは、異文化理解、英語力、プレゼン力、発言力である。


その習得のためには、海外に留学したり、海外からの留学生と交流したりして異文化を理解することが重要である。また、英語の習得は、ある程度の訓練の量が必要であり、トータルで三千時間を意識すること。そして、訓練の際、発音にもポイントを置き、リスニングから入ると長続きする。プレゼン力は、生まれつきのものではなく、身に着けられる技術だという認識を持って、習得する事。発言力は、授業の時や会議の時に、自分に必ず発言するという事を課する。


これらを学生の内に習得するようにすることが望ましい。既に社会人になっている人も時間を捻出して計画的に習得したり、新興国旅行などをすれば習得できる。

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