clusterのDJイベントで初めて自分の曲を流したら、みんなが踊ってくれて感極まった
6月26日(日)にclusterで「パリピ銭湯」という音楽を流して踊るイベントがあって、DJとして出演しました。
バーチャルでのDJ自体は何度もやったことがあってもはや慣れたものですが、その日だけはかなり心持ちが違いました。
始まる前から気が気でなく、奇妙な緊張感が背中を覆い……なぜかアバター姿で脚を動かすため(フルトラッキング用)のベースステーションが壊れ、ヘッドセットが認識されなくなり、開始直前にSteamVRが起動せず……機器の不調はさておき、いつもの感じではありません。
なぜか。その日、僕は初めて自分で作った曲をイベントで流すつもりだったからです。
作曲を始めてまだ2か月。いちおうどの曲もクラブイベントのために作っていて、自分がDJをやるときを想定していました。そのお披露目の機会がとうとうやってきたわけです。
セットリストには僕の大好きな曲を並べて、その中に自分の曲をいくつか紛れ込ませました。さすにが「いまから自作曲を流します!」なんて粋ではないですし、主催者から託された1時間は来てくれた人たちを止まることなく踊らせ続けなければなりません。
だから、用意した二十数曲の中に潜ませたわけです。……"ホンモノ"の曲の合間に。ごく自然なセットリストの流れの一部として。考えてみると、なんて恐ろしい所業か。
ほかのパフォーマーの時間には僕も踊りながら、ついに自分の出番が。そして、いつものようにMakinaをメインに回し始めました。
何十人もの人が音楽を聴き、踊る空間。
不意に鳴り始める、この2か月でよく聴いた曲たち。
自分の曲が流れ始めたのを感じ取って、妙な汗が流れました。
DJブースにいた僕の目の前には、ダンスパフォーマーとしてよく知られた人もいれば、僕がDJをやるときにいつも踊ってくれる人も。
そのみんなが、僕の曲で踊ってくれている。
これまで僕が明確な目的をもって創ってきたものといえば、小説や記事などテキストばかりです。読んで面白かったと言ってもらえることもあれば、書いてあることを実践してくれたり、面白そうだと同じような活動をし始めてくれたりする人もいました。
僕は長年テキストを書き続けてきました。それで食い扶持を稼いでもいます。しかし、趣味でも仕事でも、テキスト以外のものはほとんど創ってきませんでした(アトムかビットのモノとして)。
センスや縁がないと諦めていたと言えばそうですし、あるいは自分にはテキスト以外は必要ないと思い込んでいたとも言えます。にもかかわらず、今年はグラフィックデザインをやり始めたり、挙げ句には作曲をやり始めたり(それについては以前書きましたが)。
そしてこの夜、自分の作った曲で誰かが踊って楽しんでくれるときがついに来たわけです。本当に本当に、年初の僕はまったく想像すらしていませんでした。
自分の曲でみんなが踊ってる! いや、自分の曲がみんなを踊らせてる!
僕の人生において、これ以上に感慨深い日はそんなに多くありません。
もちろん、さまざまな曲が流れているイベントの最中に拙い数曲が流れてきたからといって踊るのをやめる人がいるはずもないので、「そりゃ誰のどんな曲でもみんな踊るだろう」と思われるかもしれません。
しかし、たとえそうであっても、踊ってくれたみんながもたらしてくれたこの嬉しさは褪せず、大事な思い出として一生残ることでしょう。
イベントに呼んでくれて、特別枠として1時間もくれた熊猫土竜さんにも感謝します。自分が主催するイベントではなかったという点も、僕には重要でした(いつでもできますからね)。
改めて、最強の夜でした。来てくれたみんな、ありがとう。
これからも踊れる曲を作って、またDJをやります。