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clusterでのバーチャル生活をもっと楽しむためのプロジェクト志向

だいたい何でもそうですが、人生に必須でないことは目的や目標がないとあっという間に飽きます

clusterも同じです。メタバースやWeb3がホットでclusterも多少の恩恵を受けて新規ユーザーが増えているかもしれませんが、結局は生活に必須ではないので飽きる人や1回だけ使って離脱する人が続出しています(これは僕の観測範囲で実態とは異なる可能性があるのでご注意を)。

皆さんはどうでしょうか、clusterに飽きてきていませんか? 「そういえばあの人、最近見ないな」と思ったことはありませんか?

諸行無常。いったいどうすればclusterに飽きないでもっと楽しめるのでしょうか。

飽きるのは目的・目標がないから

考えてみると、僕たちが何かに飽きるときはたいてい「目的・目標がない」状態のときです。また、「真剣ではない」状態、そして「フィードバックがない」状態のときもすぐに飽きが来ます。これら一連の状態は繋がっていて互いに影響し合いますが、最も重要なのは目的・目標の有無です。

clusterにはゲームと違って目的・目標は何一つ用意されていません。なので、clusterを使い続けるにはその人なりの理由が必要です。しかしながら、少なくともいまはユーザー1人1人が理由、つまり目的・目標を見つけるか作るかしないといけないわけです。だから、それを見つけられず作れもしなかった人は飽きへと一直線。

逆に言えば、clusterに飽きていない人はclusterを使う何らかの目的・目標があると言えます。その先には「とりあえずcluster」という習慣化もあり、これも強力な理由になります。

ということで、clusterをいい感じで楽しみ続けるために必要なことは目的・目標を作ることです。ただし、「中長期的な目的・目標」と付け足しておきます。

※さっきからなぜ「目的・目標」と併記しているかというと、それぞれの意味が違うのとどちらも大事だからです。目的は理想や欲望のことで、目標は目的を実現するための行動と指標のことです。

例えば、「友達をいっぱい作りたい」という目的を実現するには、「毎日2人に話しかける」という目標を立てればいいかもしれません。

僕がclusterを使うときに持っていた以前の目的は「ネットで友達を作る」で、目標は「ワールドを継続的に運営して来てくれた人全員と話す」でした。目標をちょっとずつ達成していたら目的がある程度実現されていったので、いまは違うことをしています。

目的・目標を作る難しさ

中長期的な目的・目標を作ると言っても、どうにも大仰で簡単ではないように思うかもしれません。たしかに、「簡単だよ」と気軽には言えませんね。

でも、clusterには生活に必須のことが何もなく、目的・目標も用意されていないので漠然とワールドにいても何も起きません。気の合う友達ができたらラッキーですが、友達を作るための行動をみずから起こさなければどうにもならず。

あるいは、ワールド制作を始めればいいかもしれません。cluster用のツールがあるのでとても手軽です。とはいえ、ワールド制作のような創作もまた目的・目標がないと続かないので、趣味を長続きさせるには目的・目標がやはり大事です。誰しも、作りたいものがなくなったら何も作らなくなるでしょう。

いや、中長期的な目的・目標を作るとか難しくてめんどくさいことをしてまでclusterを使い続ける必要はないのでは?

そのとおり。この話はここで終わりです。ありがとうございました。

※clusterを使う理由がないとclusterを使ってはいけないわけではないですが、習慣化していない限り、使う理由がないなら使いませんよね。理由とは目的・目標のことです。

プロジェクトという事を起こす

clusterでしかできないことは何もないので、無理に使い続ける必要は本当にありません。飽きたらやめればOK。

……でも、せっかく触れたバーチャル生活をもっと楽しく過ごせれば、きっと人生が少し豊かになるはずです。

そんなわけで、今回は僕が取り組んでいて、最近とても重要だと考えている、clusterをもっと楽しむための工夫について紹介しようと思います。

それはプロジェクトを立ち上げることです。プロジェクトには必然的に目的・目標が含まれます。

個人的なプロジェクトでもいいし、誰かを巻き込むプロジェクトでも構いません。何らかの形でclusterを利用するプロジェクトを立ち上げれば、それを実行している間はclusterが必要となり、バーチャル生活に潤い(充実感や達成感)が生まれます。

clusterを楽しむには自分から事を起こすか、事に積極的に関わっていくことが大事です。

プロジェクト志向のVRChat

ちょっと余談も含めつつ。

clusterからバーチャル生活を始めた人がVRChatも使い始めると、それなりの人たちがVRChatを拠点に移してしまいます。

VRChatのほうがユーザーが多いから、機能が多くて優れているから、といった理由も考えられますが、僕はVRChatには目的・目標を与えてくれるプロジェクトがたくさんあることが大きな理由だと考えています。

ゲーム大会やクラブイベント、○○をする会、○○が好きな人が集まる会、カフェやバーの運営、学校やセミナーなどなど、大から小まで継続的なプロジェクトがいくつもあります。多くのコミュニティがこうしたプロジェクトの上にできあがっているので、ユーザーは自分に合ったプロジェクトないしコミュニティに所属・関与しやすいわけです。

VRChatにはプロジェクトを立ち上げる人が多く、また参加している人も多いように感じます。だから目的・目標を持っている人が多く、参加者が同じ方向を見ているのでコミュニティの結束や絆が強まり、それゆえバーチャル生活を能動的に長く楽しめているのかなと思います(もちろん、全員がそうとまでは言いません)。

日本でのVRChatのコミュニティがこのようなプロジェクト志向になったのは構造的な要因があります。ややこしいので詳述しませんが、その要因ゆえにプロジェクトに人を呼び込むには外部環境、多くの場合はTwitterを使わざるをえません。

しかしゆえに、必然的にVRChatの外への発信が多くなり、VRChatを使っていない人たちからの注目も集まりやすい、という好循環が生まれます。

ワールド志向のcluster

翻ってclusterはどうかというと、プロジェクトの数は少ないです。

これはそもそものユーザー数の少なさが一因であるとも思いますが、僕の体感では毎夜100~300人くらいは同接しています。にもかかわらず、なぜかプロジェクトを立ち上げてコミュニティを盛り上げて、という活動をしている人が多くないんですよね(年齢層が低め、スマホユーザーが多い、という点も関係しているんでしょうか)。

※イベントの大半は一過性または断続的なのでプロジェクトの範疇からは除きます。範疇に入るイベントは、あくまで目的・目標を有する継続的な企画の一部としてのものです。当然、それの良し悪しの話ではありません。

では、clusterのコミュニティがどのように生まれているかというと、ほとんどがワールド志向です。ワールド主が自分のワールドを拠点にコミュニティを形成しようとするからです。

ただ、ワールド志向のコミュニティはあまり長続きしません。よくあるのは、交流を目的としたワールドを作って公開したところ、運よく人が集まる場となってコミュニティのようなものが形成されるも、その場での偶発的な交流以外に何も起きないので次第に人が離れ、ワールド主自身も飽き、誰もそのワールドに集まらなくなってコミュニティが消滅するというケースです。

このために、忍耐強いワールド主がいるワールドを除き、人が集まるワールドは時とともに激しく変遷しています。

ワールド志向のコミュニティで交流以外の目的・目標がメンバーや訪問者の間で共有されている場合はほとんどないんじゃないでしょうか。そこに来た人たちで交流(雑談)するだけのコミュニティ(のような集まり)は、バーチャルではあんまり長続きしませんね(そこを訪れる地理的な要因や必然性が薄いので)。

※ちなみに、ワールド志向といってもワールドが好きな人が集まっているのではなく、たいていそこに人がいるから集まっていることが多いと思います。clusterのトップページには人が多いワールド・イベントが順に表示されていて、僕も特定のワールド・イベントに行きたいとき以外はその中から入るワールド・イベントを選ぶことが多いです。

clusterにもプロジェクト志向のコミュニティはあるにはあります。が、前述のように少ない。でも、やっぱりバーチャル生活をもっと楽しくするには目的・目標があったほうが充実すると思います(幸いにもVRChatが証明してくれています)。

ということで、僕はclusterをまあまあ好きなので、その場限りで先が見えない離合集散ではなく、できればプロジェクト志向で盛り上げていきたいと考えています。

皆さんにもよかったら「桜を見る会」「映画鑑賞する会」のような気楽なレベルでいいのでプロジェクトを立ち上げてほしいなと思っています。

どんなプロジェクトをどうやって?

実際問題、(多少込み入った)プロジェクトを立ち上げ、同志を募り、継続的に活動するのはそれなりに難しいです。でも、それゆえにやりがいや面白さが段違いであり、人生をより豊かにする源泉となりえます。

プロジェクトを立ち上げるには、やりたいことや挑戦したいことがないと成立しません。野望、願望、欲望、理想など、自身を動かす目的が必要です。

※欲を持たないと人生は面白くならず、バーチャル生活も面白くならないのです。プロジェクトを立ち上げるほどの欲がない人は、誰かのプロジェクトに参加して真剣に遊びましょう。

欲の大小はプロジェクトの勢いや規模に関わってきますが、些細な欲でも大丈夫です。先ほど挙げた「桜を見る会」なんて、定期的に桜のあるワールドに集まって花見をしようと呼びかければいいだけです(定期イベントとして開催してもいいですね)。

僕はいまAmazonのプライム・ビデオにある「ウォッチパーティ」を使って映画を見る会に参加しています。週に1回集まって映画を観て、cluster内で感想を話し合う会です。1人で映画を観るのではなく、「何人かで一緒に観てお互いの感想を話し合いたい(1人で観る以上に映画を楽しみたい)」という欲が原動力であり目的です。

さて、目的が見つかったらプロジェクトを前に進める目標が必要です。目的を実現するために何をするのかを決め、その頻度や場所、参加者の有無を決めましょう。自分以外に誰かを巻き込みたい場合、当然ながら主宰者としてリーダーシップを発揮しないといけません。

ただし、特にリーダーを決めずに友達同士で回すプロジェクトもありですし、1人でできるプロジェクトも面白いと思います(友達を作りたいなら、clusterロビーで1日何人かに話しかけるなど)。

目的と目標が決まったら、あとは進めていくだけです。できるだけ長続きするような工夫をしながら、バーチャル生活をもっと楽しくしていきましょう。

真剣にやって、失敗もしよう

お察しのとおり、ある程度はめんどくさいことが立ちはだかります。手間暇もかかるでしょう。ですが、それを突破するほどの欲と目的があれば気になりませんし、やってみたらどんどん楽しくなっていくはずです。

※完全に与えられているわけでない限り、面白さとはめんどくささと表裏一体です。

欲や目的があるのにプロジェクトを立ち上げるのを避ける人もいますが、その理由は(僕の想像では)めんどくささのほかに、誰からも見向きもされなかったときのみじめさや恐怖、うまく進められずに頓挫したときの恥ずかしさや申し訳なさなど、不安を過剰に意識しているからではないでしょうか。やらなくても困っていないし、という開き直りもあるかもしれません。

もちろん、やらなくてもいいと思います。しかし、やっている人たちはみんなバーチャル生活を楽しく過ごしているように見えます。何もしていないのに「面白くない」「楽しくない」というのはただの怠惰で、しょうもないです。

もしかしたら、頓挫したり挫折したり、失敗するかもしれません。でも、趣味なんだから失敗していいんですよ。clusterにいる人たちが、皆さんの周りにいる人たちが責めると思いますか? もし責めるような人が身近にいるなら、付き合いをやめたほうが賢明です。

つまりは、こういうのは自分の意識の持ちようなんですよね。いかにして勇気を出してめんどくささや恐怖心や羞恥心という殻を破るか。

失敗するからこそフィードバックを得られ、改善していけます。プロジェクトをやらない人のほうが多いのに、やれば楽しい。だから求められているわけで、やる側になることのメリットはたくさんあります。

ところで、ポイントは真剣にやることです。ほとんどが趣味だと思うので、真剣に遊ぶということですね。自分がプロジェクトを主宰する場合も、自分が誰かのプロジェクトに参加する場合も、とにかく真剣に遊ぶこと。

真剣にやらないと面白くなりませんし、茶化したり冷やかしたりしてくる人がいると興醒めするので、そういう人には近づかないでおいてもらいましょう。

プロジェクト志向のすすめ

僕はかつてclusterでのワールド運営をおすすめする記事を書きましたが、ワールド運営ももちろんプロジェクトです。

今回、より一般化した考え方としてプロジェクト志向を思いつきました。

挑戦したいことがある。じゃあ、どんなプロジェクトにするか? 目的と目標は? 1人でやるか誰かを巻き込むか? 継続的に活動するにはどんな工夫が必要?

こうしたことをしっかり考えるのが大事です。最初は不安ばかりでしょうが、やっていくうちに必ずや面白くなっていくことでしょう。

トラブルもあると思います。特に、人間関係やコミュニケーションのトラブルは頻発していますので、誠実な対応が望まれます。つまり、はっきり口に出して伝えること、そしてきちんと相手の話を聴くことです。

せっかくclusterにやってきた人たちが飽きていなくなってしまうのは寂しいので、いろんな人がプロジェクトに取り組んでくれると嬉しいです。

自分にはできないとか、やっても意味ないとか、そういうのは面白くないのでとにかくやってみてください!

ここまで読んでいただき、ありがとうございます! もしよかったらスキやフォローをよろしくお願いします。