clusterって何すればいいの? バーチャル生活だよ!
ゲームのような、イベントプラットフォームのような、あるいはSNSのような、得体の知れないclusterというサービス。
clusterは自分のアバターを持って、誰かが作ったワールドに入り、そこで遊ぶバーチャルSNSです。
でも正直、clusterに興味を持ったばかりの人にとってはこれは謎の言葉ですよね。InstagramやTwitterのようなSNSと何が違うんでしょうか。
そのよく分からなさは、たとえclusterを使い始めたとしてもすぐにはすっきりしません。1回か2回は使ってみたけど、「なんか面白くないからもう使ってない」という人も大勢いると思います。
バーチャルSNSって何? clusterって何が面白いの? clusterに入り浸っている人たちは何をしてるの?
こんな疑問がいっぱい湧いてきますが、いま、それに分かりやすく答えるためのキーワードがあります。
生活です。
clusterにはそこで生活している人がいます。誰かと交流したり、ゲームで遊んだり、イベントで騒いだり、何かデジタルなものを作ったり、いろいろ。
バーチャルSNSとはすなわち、リアルとはまた別の生活、あるいはリアルとかけ合わせた生活――バーチャル生活ができるサービスのことです。これはもはや新しいライフスタイルのあり方です。
ということで今回は、clusterに興味を持ってこれから始めてみようと思っている人や、何回かclusterを使ってみたけどすぐやめてしまった人のために、clusterを楽しむための考え方と方法を紹介します。
この記事を読んで、少しでも多くの人がclusterを使い始めてくれるだけでなく、入り浸ってくれるようになるとたいへん嬉しく思います。そのために必要な情報はなるべく書いておくので、よかったら参考にしてみてください。
ちなみに僕はcluster歴1年ほど。まだ飽きる気配がないので、面白がり方には多少自信があります。
clusterにはバーチャル生活がある
実は「生活」というキーワードは僕の考えついたわけではありません。clusterとは別のサービスであるVRChatを利用しているヨドコロちゃんという方が、↓の記事で紹介してくれているのを読んだだけ。
でも、生活という捉え方にものすごく感動して、この考え方が一般的になれば楽しいなと思っています。
ヨドコロちゃんはこの記事で、VRChatで何が行なわれているのか、つまりユーザーのみんながVRChatで何をしているのかという疑問に答えようとしています。
その答えが生活です。VRChatに入り浸っている人は、VRChatに住んでいて、そこで生活をしていると。皆さんが生活と聞いて思い浮かぶことのいくつかが、VRChatの中で行なわれているのです。
これはclusterでも同じです。clusterを最も楽しんでいる人たちは、1週間のうちの何時間か(または何十時間か)clusterに住んでいて、そこで生活をしています。
具体的な生活の内容を挙げてみると、
●誰かと知り合って仲良くなる
●何度も顔を合わせてお喋りをする
●時には誰かのことを好きになる
●飲み会をする
●ゲームを遊ぶ
●イベントに参加したり、自分で開催したりする
●集まって運動したり、踊ったりする。
●楽器を演奏したり、歌を歌ったりする
●アバターやその衣装、3Dアイテムやワールドなどを作る
●cluster内の出来事を取材して新聞を作る
●自分のワールドをお店に見立てて運営・経営する
ほかにもあると思いますが、こんな感じ。生活は生活でもリアルの生活とは異なるので、バーチャル生活と呼んでおきましょう。
clusterではまだ動画を観たり買い物をしたりはできないものの、そのうちアップデートされて可能になるんじゃないでしょうか。YouTubeやAmazon、Uber Eatsなどのサービスと連携すれば、ますますバーチャル生活が充実しますね。
誰かとのコミュニケーションが鍵
さて、これらバーチャル生活の中身を見たところで、一番大事なことを言っておかなければなりません。
それはフレンドの存在です。正直、clusterって1人でいても全然面白くないんですよね。ゲームをするにしても、誰かと一緒に遊んだほうが楽しいことのほうが多いです。
要するに、clusterを楽しむにはフレンドを作るのが手っ取り早いというか、ほとんど必須と言っても間違いありません。
フレンドを作る鍵がコミュニケーションです。clusterではテキストのチャットとボイスのチャットがあり、好きなほうで誰かと話すことができます。なので、積極的に話しかけてフレンドを作っていきましょう。
しかし、「友達作るのなんて無理……」「知らない人に話しかけるの怖い……」と思った人もいるはず。
大丈夫です。全人類、友達がほしくてしょうがないので、あいさつや受け答え、簡単な質問ができればなんとかなります(あとで詳しく書きます)。すでにclusterで生活している人たちも友達がほしいので、優しくしてくれます。
そのとき、テキストでもボイスでも、チャットをいっさいしないのはあんまり望ましくありません。なぜなら、人は誰しも「コミュニケーションしてくれない人とコミュニケーションしたくない」からです。
clusterを始めたての人でけっこう見かけるのが、あいさつをされてもあいさつを返さない人です。clusterではみんな生活をしているので、出会い頭のあいさつは基本ですね。
あと、clusterのようなサービスに慣れていない人は、もしかしたら自分が入ったワールドにいるアバターがNPCだと思っていることもありえます。そうではなく、すべてのアバターは皆さんと同じように人が操作しています。
なので、最初はあいさつから始めましょう。
皆さんにテキストまたはボイスでのチャットを強制するわけではありませんが、この記事の目的はバーチャル生活について知ってもらうことだけでなく、より楽しいバーチャル生活を送ってもらうこともそうです。
その場合、やはりコミュニケーションは不可欠です。全然話さない人も雑に扱われることはありませんし、むしろ歓迎されますし、僕も歓迎しています。話さないでいることの面白さや魅力もあります。
しかし、話すことができれば、楽しいことはもっと増えると思います。「話さない人」と「話してくれる人」なら話してくれる人のほうが仲良くなりやすいですよね。さらに、いまのclusterはVR機器がないとアバターの表情や身振りで豊かな感情表現ができないので、余計に言葉でのコミュニケーションが重要です。
僕の経験から言うと、cluster初心者でチャットをしない人はすぐにclusterから離れてしまいます。それは、clusterの面白さの多くがコミュニケーションを起点に生まれており、そのコミュニケーションを体験できていないからだと思います。
せっかく興味を持ったんですから、勇気を出してチャットをしてみてください。おそらく、生活している人がいるワールドなら相手から話しかけてくれますし、それなりの受け答えができればその場に温かく迎え入れてもらえるでしょう。
↑ 僕の友達であるでんこさんが書いてくれたcluster紹介記事もぜひ。
話しかけられたとき、話しかけるとき
さて、実際にワールドに入り、誰かと遭遇したとしましょう。相手がclusterに慣れている人だったり、そのワールドが交流を目的にしている場だったりすると、ほとんどの場合は相手に話しかけられるでしょう。
まずはあいさつを返す。これだけで世界が変わります。
次に皆さんがすべきチャットは、clusterを始めたばかりであると伝えることです。そうすると、相手はclusterがどんなサービスで、どう楽しめばしいのか教えてくれるでしょう。あるいは、どうやってclusterを知ったのかを訊かれるかもしれません。
逆に、皆さんのほうからも相手にclusterの楽しさや遊び方を尋ねてみるのをおすすめします。
とりあえず何回かやり取りができたらOK。また別の日に同じワールドに行ってみましょう。もちろん、ほかのワールドでも大丈夫です。こないだ会った人や話した人がいたら、ちょっと気が楽になりますよね。
最初にワールドを見つける方法としておすすめなのは、clusterのトップページを見て、人がいるワールドに行くこと(↓画像の、並んでいる丸いアイコンが人がいる印)。現状、clusterで人がよく集まるワールドは10個もないので、だいたいはトップページに表示されていると思います。
何度かclusterを使い、ワールドに出向くことで、顔見知りや話せる知り合い、フレンドが増えていくでしょう。そうなったら、あとは自由にバーチャル生活を謳歌してください。アタバーを作るもイベントを開催するも、ひたすら雑談するのも、ただそこにいるのも自由です。
コミュニティの場となっているワールドごとに雰囲気や感じが全然違いますので、自分に合ったワールドやフレンドを見つけて、自分なりの楽しみ方をどうぞ。
僕のこれまでの経験からすれば、clusterは孤独に効きます。たぶん、今後は人生にも効くようになるでしょう。
※ところで余談。
↑の記事の中でヨドコロちゃんは「(リアルより)余裕でVRが勝った」「いつまでも"外"で苦しんでいる人のことは本当にどうでもいいし、なんで無駄なことしてるんだろうって思う」といったリアルよりバーチャルのほうがよいという価値観を表明されてい(るように見え)ます。
僕はまったくそう思いません。バーチャル生活が好きだからと言って、リアル生活を重視している人を蔑む必要はないからです。そしていまのところ、特に食事(とその生産)や経済活動など人間と社会の根本的な活動について、バーチャル生活は完全にリアル生活の上に成り立っています。
ヨドコロちゃんはさらに「VRChatでの生活は、今まさに物語のハッピーエンドの部分にいるなあという感じ」と書いていますが、それはVRChatにリアルに相当する規模の経済活動(お金を稼げる仕組み)が存在しないからです。バーチャルSNSの中で誰もが稼げるようになってくると競争が発生するので、たぶん相当に違う景色が広がっていくことになるでしょう。
現在のclusterの温和な雰囲気も、誰もちゃんとお金を稼げないからこそ成り立っている部分がけっこうあるのかもしれません。ですが、clusterにしろVRChatにしろ、リアル経済とは異なる価値観で発展する可能性があり、ヨドコロちゃんと同じく、僕もそこから「苦しいリアル生活」を凌駕するバーチャル生活やバーチャル経済が生まれ出てくる期待を持っています。
幸甚亭もやってるよ
最後に宣伝です。
僕も幸甚亭というワールドを持っていまして、毎週月水金の21時からカジノバーとして営業しています。常連の人から初見の人まで、いろんな人が訪れては雑談をしたりカジノで遊んだりしていますので、cluster初心者の方もぜひ遊びに来てくださいませ。
幸甚亭がどんな感じかというと、人がいるのに全員佇んでいるだけのときもあれば、僕が1人で喋っているときもあり、いろんな人が各々話しているときもあります。ひたすらカジノに没頭しているとも……。
始めたてと思われる人もけっこう来てくれるんですが、半数くらいは本当にチャットもエモーションもしてくれなくて寂しい。でも、そういうバーチャル生活もいいですし、たんに幸甚亭の雰囲気が合わないというケースもあるでしょう。好きなところに行くべし。
※ちなみに、僕自身は雑談バーを謳っているにもかかわらず、世間話や雑談が得意ではなく、喋らないときは本当に喋りませんし、どこかで会話が発生していると黙っています。
もしかしたら、特に初心者だと、この記事で書いたようなclusterの楽しみ方を知らなかったり、誰かが同じバーチャル空間上にいるサービスを経験したことがなかったりする人も多いかもしれません。公式サイトじゃそういうところは全然教えてくれないもんね……。
とりあえず、この記事を読んでくれた人はちょっとだけclusterに入り浸る人の気持ちが分かったのではないでしょうか。
リアルの生活に加えて、バーチャルの生活もある。または、リアルの生活はちょっとしんどいけど、バーチャルの生活がストレス解消になっている。そんなふうに捉えると、clusterがもう少し魅力的に見えるかもしれません。
ではさっそく、clusterでバーチャル生活を始めてみませんか?
ここまで読んでいただき、ありがとうございます! もしよかったらスキやフォローをよろしくお願いします。