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happy esports

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日本のeスポーツシーンをマーケティング視点で考察した記事のまとめ。 eスポーツを仕事や事業にしている/したいとき、マーケティングで活用したいとき、あるいは投資したいときにも役立ち… もっと読む
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#マーケティング

マガジン「happy esports」とは?

国内のeスポーツシーンについてマーケティング目線で考察している個人メディア、「happy esports」の運営をしている謎部えむです。この記事では初めて来てくださった方のために、弊誌の紹介をしています。 どういったコンセプトで運営しているのか。 どういう記事を掲載しているのか。 どんな読者がいるのか。 そうしたことをまとめました。どういう内容の記事があるのかも一覧しているので、記事を探すときに参考にしていただければと思います。 ここで紹介している以外の記事もありますの

eスポーツに他業界の企業が当たり前に参入する時代、ビジネスセミナーのモデレーターをやってみて

こんばんは、謎部えむです。実は8月28日(金)に、「eSPORTS TRINITY」というビジネスセミナーにモデレーターとして登壇してきました。 eSPORTS TRINITYはeスポーツ業界に参入したい企業が、すでに参入して知見を蓄積している企業からノウハウを共有してもらえるセミナーです。 ※モデレーターは簡単に言うと、会議や討論で参加者に話題や質問を振って議論を前に進めていく役割です。 こんな辺境の地で記事を書いているだけの何者かにお声がけいただけたのはたいへん光栄

Red Bullのマーケティング哲学を知っているか? すべてが書かれた本がここにある

国内のeスポーツシーンにおいて、Red Bullというブランドの存在感は不動のものになりました。いまやRed Bullは単にエナジードリンクの一銘柄というだけでなく、シーンやコミュニティを支えてくれる心強い味方として認識されています。 レッドブル ジャパンは日本に進出した2006年以降、eスポーツを含む数々のマイナーシーンを「翼をさずける」という言葉とともにサポートしてきました。しかし、テレビCMなどの大々的なプロモーションをする傍らで、いったいなぜマイナーシーンにも並々な

eスポーツチームはどのようにコンテンツマーケティングを活用できるか?

GW前から『ゴールデンカムイ』が110話まで無料で公開されていて、毎夜読み耽っていたら生活リズムが狂ってしまい、さらには続きが気になりすぎて110話以降が掲載されている単行本を買い揃えてしまった。 誰にでも覚えのある経験だが、ここには明らかに仕掛けがある。集英社と野田サトルはまったくの善意で『ゴールデンカムイ』を無料公開したわけではなかった。商品の一部を呼び水に使い、気に入ったら商品を購入させようと企んでいたのだ。 この仕掛けは一般にコンテンツマーケティングと呼ばれている

ファンに選ばれるブランドへ、そのためにサッポロビールはeスポーツシーンに伴走する

いわゆる大企業がスポンサーとしてeスポーツシーンに注目するようになって久しい。 eスポーツとの距離感や協賛の方法はそれぞれだが、eスポーツ業界自体もあらゆる取り組みが試行錯誤の現状、どの企業も「何ができるのか」「どんな効果が得られるのか」と暗中模索の段階なのは間違いない。 そんな状況下において、スポンサーにとってチームや選手、大会やイベントはどういう存在なのだろうか。 eスポーツシーンとのさまざまな付き合い方がある中で、プレイヤーやファンを根本から見つめて戦略を組み立て

家電量販店にゲーミングコーナーを開拓したLogicool、その偉大な挑戦を讃えたい

ヨドバシカメラやビックカメラ、ソフマップなど家電量販店に行くと、いまや当たり前のようにゲーミングコーナーがある。 そこには(主に)PCゲームをプレイするためのデバイス、プレイ配信や動画制作を行なうための機材が陳列されていて、店舗によってはブランドを後押しするプロゲーマーやアンバサダーと呼ばれる人たちのパネルが掲示されている。 メーカー勤めの人なら痛切に理解してもらえると思うが、小売店に自社の独占コーナーを設けてもらうことの難しさは筆舌に尽くしがたい。ましてや量販店はその名

中高生でも分かる「ブランド」のこと──自分らしさを表現するパートナーとして

最近僕は「eスポーツブランド研究家」をあえて名乗っています。eスポーツシーンにおけるブランドの潮流や動向に興味があってのことです。 eスポーツに広く関心が持たれているおかげでTwitterのフォロワーも少し増えているんですが、プロフィールを見ると中高生が(存外)多いことに驚かされます。 そこで思ったわけです、「中高生ってブランドの意味が分かるのか? もしかしてこの肩書きはまったく通じていないのでは?」と。 常日頃からビジネスや仕事に携わっているわけではない、自由に使える

ビットキャッシュのeスポーツ事業撤退を考察、未来のために得るべき教訓とは

ビットキャッシュが運営していたeスポーツメディア「SHIBUYA GAME」の閉鎖は、最大手の専門メディアとして受け入れられていたこともあって読者とeスポーツ業界関係者に衝撃をもたらした。 SHIBUYA GAMEは2019年12月に閉鎖。また、同月にはビットキャッシュと繋がりのあるeスポーツコネクトが所有するチーム「CYCLOPS athlete gaming」の『Call of Duty』部門が活動休止となった。 けっして結果が出ていないわけではないチームだったため、

ゲームに関心はないけどゲーマーを応援したい、そんな企業でもeスポーツ市場で成功できる?

eスポーツ業界でよく言われるのは、ゲームを愛していない企業がeスポーツ市場に参入したところでコミュニティ(ゲーマー)にそっぽを向かれてうまくいかない、という話。 これにはたしかに真実味があるし、概してそうではあろうとは思うものの、参入企業の顧客あるいはエンドユーザーはゲーマーであり、ゲーム自体(あるいはゲーム会社)ではない。だから、「ゲームを愛していなくとも、ゲーマーを愛しているのであれば事業はうまくいくのでは」と疑問に思った。 皆さんはどう思うだろうか。たとえゲーマーを

なぜゲームの社会的地位向上のためにeスポーツを待たなくてはならなかったのか

広告、マーケティング、ブランド、教育、国体、地方創生、企業間交流、スポーツ、福祉、コミュニケーション、AI開発、等々。 これらはいずれも「eスポーツ」が何らかの価値をもたらしうる領域ということで多くの取り組みが進展しているようだが、はっきり言ってすべて「ゲーム」で実現しうるものであるし、現実にゲームが当該の領域に価値をもたらしてきた事例も多々存在する。 にもかかわらず、昨今の報道(特にマスメディア──テレビと新聞)に鑑みると、eスポーツ以前のゲームの時代にはなかったような

「ゲームで強いこと」に価値を作る──Rush Gamingがラフォーレ原宿に出店した意義

どんな象徴的な出来事も、それが書き継がれなければ歴史には残らない。また、当時どれほど偉大だった人物も、間違った評価とともに書き記されれば稀代のうつけ者として歴史に残ってしまう。 だから、たとえその場が管理者の指先1つで歪曲・消滅してしまう電子媒体であったとしても、物事をきちんと価値づけてテキストに残すことには意味がある。一般に、この行為は批評と呼ばれる。 ということで、ここでは日本のeスポーツ史において重要な里程標となったある出来事について最大限の力を振り絞って批評してい

eスポーツチームがGoogle Analyticsを使ってスポンサーを得る最も基本的な方法

eスポーツシーンで活躍する、あるいはこれから活躍していきたいゲーミングチームの皆さん、こんにちは! この記事では、チーム活動を継続していくうえで欠かせないスポンサーの獲得に繋がる最も基本的なマーケティング方法を紹介します。非常に低コストで必要なツールも少なく、いますぐできるのでぜひ実践してみてください。 ※下記はSaaSやメディアなどtoBの事業ではだいたい有効で、基本的手法の1つです。 スポンサー獲得の要点は?ゲーミングチームにとって、スポンサーとは主に金銭的な投資を

コアファンがeスポーツ大会を観戦する理由~1位は選手応援、最下位はプレゼント期待

eスポーツ大会の主催・運営者にとって、視聴者がどんな理由で観戦するのかを知るのは観戦者を増やすためにとても重要です。個人的にも気になっていたので、弊誌でアンケート調査を行ないました。 この記事では回答を集計したものを提示し、簡単な考察を紹介していきます。 ※設問はオンライン観戦に限るので、文中では「観戦=視聴」と置き換えても大丈夫です。僕は普段「観戦」を「オンラインでの視聴+オフラインでの来場」の意味で使用していますが、今回は諸事情で「観戦」を使用しています。 調査概要

「プレイするesports」と「観るesports」、どっちに注力する?

最近は「プレイするesports」と「観るesports」について考えている。考えている最中のため、今回は話がまとまっていないのであしからず。 要点は、オーガナイザーは「プレイするesports」と「観るesports」のどちらにリソースをどれくらい割くべきかということだ。 ※ところで、僕の頭の中ではいまesportsは一つの大きな世界観を指す言葉になっており、「ゲームを用いた競技」や「競技を包括するシーン」といった概念よりさらに拡大している。その世界観の中に「プレイする