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🤑小遣いせびるも未遂事件〜父親め!その十万を何に使うつもりなんだよ?

 多分、2011年秋ごろの話。

 退職して実家の近距離に住み、この頃は相当に母親の具合が良くなかったので、ほぼ毎日夕方実家に様子を見に行っていた。

 思い出したらなんとなく業腹な気分になってきたため、書いて捨てる。

 皆、親が歳を取って弱ると、何故か親のことを美化したい気持ちに駆られるようだが、とりあえず正直に書く。

 うちの父親に金銭に関して信用はない。

 これに関しては、人に話しても信じてもらえないレベルだが、とりあえず手持ちに金があればあるだけ使う。

 なかったら(近くにいる身内に)せびってでも使うスタンスだ。

 今までは母にせびっていたのだが、私が近隣に戻ってきたことで、財布が増えたと思ったのかもしれない。

 私が行ったとき、実家は夕食どきだった。

 父は私の姿を見ると、おもむろに、本当に唐突に言った。

「梨(仮名)、ちょっと十万貸してくれんか。」

 唐突やな!

 めちゃくちゃ唐突やな!

 私が唖然として一瞬返事をしないでいると、父は聞こえなかったと思ったのか、もう一度繰り返した。

「梨(仮名)、ちょっと十万貸してくれんか。」

 何言ってんだオメー。

 まあ当然拒否する。

「貸すわけないやろ。

 仕事辞めて、実家に戻ってきた子供に言う言葉がそれなん?
 正気?」

 母は怒るでもなく後ろで笑って聞き流していた。

 いやちょっとは怒ろうや。

 当然貸さなかった。

 

しかし父は往生際悪くこの後も、何度も似たようなことを言ってくるのであった(とりあえず私は貸さない)。


(終わり)

 

 

 

 


投げ銭歓迎。頂けたら、心と胃袋の肥やしにします。 具体的には酒肴、本と音楽🎷。 でもおそらく、まずは、心意気をほかの書き手さんにも分けるでしょう。 しかし、投げ銭もいいけれど、読んで気が向いたらスキを押しておいてほしい。