見出し画像

そこに至る過程。【武器になる哲学】読書感想

お疲れ様です。総務部総務課マモたろうです。
私は社会人学生でもあります。今回は哲学入門の教科書である【武器になる哲学】の読書感想です。

本書はこれまでの入門書と違い、著者にとって個人的に有用であった哲学のキーコンセプトを50個紹介しています。

自分では手に取らなかったと思います。授業で出会えて良かったです。

コンサルの現場で一番役立ったのは哲学だった――。
「役に立たない学問の代表」とされがちな哲学は、ビジネスパーソンの強力な武器になる。経営コンサルだから書けた、「哲学の使い方」がわかる1冊。

【武器になる哲学】Amazon解説より

プロローグがすでに素敵です。

プロローグ
ー無教養なビジネスパーソンは「危険な存在」である。

【武器になる哲学】山口 周 (著)

・無教養な専門家こそ、われわれ文明にとっての最大の脅威
・専門家というものは、専門能力があるからといって無教養であったり、諸々の事柄に無知であったりしていいものだろうか

日本アスペン研究所HPより

【武器になる哲学】山口 周 (著)

正直、教養の足りない私は腑に落ちていません。しかし何か心にぐっとくるものがありました。数々の歴史、教養を紐解いていくと、こういった結論になるのだろうなと感じました。

そして本書はプロセスからの学びを重視しています。その理由を引用します。

哲学者の考察から私たちが得られる学びには次の二つの種類があります。
・プロセスからの学び
・アウトプットからの学び

 プロセスとは、その哲学者がどのように考え、最終的な結論に至ったかという思考のプロセスや問題の立て方を意味しています。一方でアウトプットとは、その哲学者が論考の末に最終的に提案した回答や主張を意味します。
 この枠組みで考えてみれば、古代ギリシアの哲学者たちが至った結論である「世界は四つの元素から成り立っている」という指摘は、アウトプットということになるわけですが、ではこのアウトプットから現在の私たちが何かを学べるかというと、もちろん何もありません。せいぜい、頭の良かった古代ギリシアの哲学者たちも、こんな世迷いごとをほざいていたんだな、というくらいの学びしかないでしょう。
 しかし一方では、彼らがどのようにして世界を観察し、考えたかというプロセスについては、その限りではありません。そこには現在を生きる私たちにとっても大きな刺激となる、みずみずしい学びがあります。

【武器になる哲学】山口 周 (著) 49-50P

万物の根源は水、万物の根源は火、万物は流転する……。
「我思う、故に我在り」「神は死んだ」

私も聞きかじりのアウトプットにばかり気をとられていたと感じました。
「どのようにして世界を観察し、考えたかというプロセス」は気にしたことはありません。

本書を読み終え「哲学者とは洞察の達人」たちだと感じました。最近よく思う言葉が「洞察」です。

洞察
① 物事を見ぬくこと。見とおすこと。洞見。透察。
② 心理学で、新しい事態に直面したとき、試行錯誤法によらないで問題を解決する知性の重要な働き。見通し。

精選版 日本国語大辞典

ある事象をどう観察し、どう解釈するのか。自分の強み、弱み、持ち前も社会との関係性の中の特徴であり、自分で認識するのは困難です。言語化されていない自分の考え、話せば話すほど心とは遠ざかっていく言葉、そもそも本音とは一時の感情であることが多い気がします。

言動一致は理想ですが、凡人の私には困難です。言動一致しないということが多面的ということであり、人間臭さなのではと感じています。相手も自分が何をしているか理解していないかも知れないのです。

みなさんもきっと「悪循環は悪いこと」に同意することでしょう。
しかし悪循環は無くなりません。

そのため、洞察がとても重要なのではないかと感じています。

本書では「どのようにして世界を観察し、考えたかというプロセス」が学べ、私でも仕事に役立つキーコンセンプトがいくつかありました。

おすすめです。

お読みくださりありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?