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「自分のご機嫌取り」を深堀ろう

この1年、自分の習慣が変わった。

自分が所属する組織は、フルリモート体制から早いもので、もうすぐ1年。出社も在宅も自由、家も近いので、自分が一番ご機嫌に過ごせる働き方を割と模索しやすい環境だった。

また、人事という役割上、組織のメンバーがパフォーマンス最大化できる環境ってなんだろうな、と考える機会が人よりちょっとだけ多かったことも功を奏した。

「人間だからこうしたほうがいいかもね」と「自分だったらこうしたほうがいいね」がなんとなく見えてきて、結果、選択肢がかなり広まった。色々と試した1年だったとも言える。

だから、拙くもあるが、自分のご機嫌をとるための試行錯誤の記録を残してみようと思う。

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①ゆるく続ける・例外を認めることを知った

人間にはホメオスタシスのフィードバックという機能が備わっている。

簡単に言うと、慣れ親しんだものを維持しようとすること。あなたの平熱は何℃だろうか?

風邪を引いて39℃の高熱が出ても、そのうち平熱に戻る。そう、ホメオスタシスはもとに戻ろうとする力がとても強い。

0か100か、白か黒か、ともかく、急に切り替えると、ホメオスタシスのフィードバックが強烈にかかり、すぐさま元に戻されてしまうのだ。ダイエットが分かりやすい例で、短期間で急激に体重を減らしたとしてもリバウンドしてしまう可能性が高いのは、まさしくこれ。なんなら、もともとのほうが臨場感が強く、以前より過剰に戻って、しまいには太るなんてことも。この脳の仕組みは、学校で教えてほしかった。

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慣れ親しんだものを維持しようとするのはあなたの意思うんぬんではなくて、あなたが人間である限り起こりえる基本的な搭載機能だ。だから落ち込まなくていい。年始の抱負がだいたいうまくいかないのは、あなたのせいではなくて、あなたが人間である証拠に過ぎない。

さて、自分の癖に「白黒はっきりさせたがる」があった。これが新しい習慣を作る上では大敵。勢いつけて極端に振り切ってしまうと、ホメオスタシスのフィードバックが強烈にかかりやすい。脳の仕組みを知ったことで、かなり意識してではあるものの、短期間・一気・気合を控えることにした。

代わりに長期間・ゆるく・身を委ねるを口癖にしていった。極端な選択を取ろうとするとき、理性で何とかとどめるような感覚を、歯がゆさを感じながら矯正した。

少しずつ新しい習慣に自分の行動がずれていくためにも、自分の発する言葉はていねいに設計し直したほうがいい。

②何のために自分のご機嫌を取るのか考えた

そもそも、どうして自分のご機嫌を取るのだろうか?

ひとりひとり違う答えがあっていいと思う。私は、とある大義があり、シンプルにもっと楽しく生きられるだろうと確信していて、もっとよくできそうだったから。それだけ。

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自分のご機嫌を取りたい理由が自分でわかっていないと、新しく習慣化するための事柄や手段が目的化してしまい、当然、続かない。

私は、目指したいものがあり、それに対して今の自分のままでは、到底たどり着かないと、現状に焦燥感を感じ、結果として習慣と行動が自然と変わっていった。だから、自分のご機嫌を取る理由もなく、流行り言葉にながされて、新しい習慣だけを作ろうとしてもきっとうまくはいかない。

あなたは、どうして自分のご機嫌を取るのだろううか?

③ストレス発散法をたくさん持っておく

現代でストレスを感じることなく生きる人間はそんなに多くない。多かれ少なかれ、日々の色んなことに感情が乗る。人間だもの。

では、あなたはストレスを感じたらどうする?

面接で聞かれそうな質問だが、私はストレスの解消法がスタバと食事に帰結していた。

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チャイティーラテ(豆乳)トールサイズの申し子かってぐらい飲んでいた。炭水化物29.3gだ。砂糖の塊だから当然だ。今にして思えばおそろしい。(テレワークで1日の徒歩数が8,000歩→3,000歩まで減った会社員に与えるダメージは底知れない。)

人によって、アルコールや煙草、カフェインなんかが当てはまるかもしれない。気をつけたいのは、ストレス発散の選択肢が少ないと、依存につながる。依存を抜くのは、当然ながらとてもきつい。

そう、ストレス発散の選択肢を多く持ち、分散して、発散ができることそのものが、実は重要度が高いことに気づいたのだ。

そこで、思いつくストレス解消法はかたっぱしから試し、自分なりに複数の選択肢が持てるようにした。

シーン別で、家ならこれ、外ならこれ、と選べるようになるだけで、だいぶ心の余裕が変わる。ストレスが生まれない自分の精神状態(いわゆる悟りに近いもの)を求めるのもいいとおもうが、一朝一夕では身につかない。いっぽう、ストレスに向き合うための技をたくさん持つことは今日からさっそくはじめられる。抜本的な解決と、一時的な対策は、どちらもやって美味しいどこ取りしたらいい。

※むかし通った暗闇ボクシングから着想を得て、家で暗闇エアロバイクをやってみたが、ライブとエクササイズを足して割らない高揚感が得られて自分には最高だった。教えてくれた同僚には感謝しかない。

④手持ちのカードを分析して自分だけの戦い方を決めた

習慣が変わるということは、日々の過ごし方が変わるということ。

人間の手持ちは、1日24時間で、残念ながら48時間にはなりそうにもない。手持ちのカードが決まっているなら、現状と理想の差から戦術を組み、実行までの仕掛けをつくるのみ。

ただし、あんまりにもギチギチに理想の予定を詰め込んでは、これまで通り、猪突猛進で勢いよく突っ走るのとなんら変わらない。それは新しい習慣づくりにあまり向かない。

やったことは非常にシンプル。

理想の生き方をしている自分はどんな一週間を過ごすだろうか?」を複数人と壁打ちさせてもらいながら、0から創りあげ、付箋に書き出して、モニターに貼る。

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あとは毎日見て「この時間の使い方は全然理想と違うな!」と今の自分に気持ち悪さと焦燥を感じる。すると、無意識に過ごし方が変わっていく。

あくまで無意識に、がポイントだ。

意識して「これをやらないと…」になった途端、ホメオスタシスに引き戻されてしまう。人間の基本搭載機能、引力がとんでもない。ホメオスタシスは生物としての生存戦略上、大事だから、当然だけれど。

理想を決めて、あとは無意識に委ねる。変わらなければ、理想がずれているだけだから、また理想を決める。その繰り返しだ。自分は勢いよく突っ込むのが癖なので、最初は予定を詰めすぎて、脳がオーバーヒートし、3日間高熱がまったく引かなかったことがあったりと、数え切れない失敗もある。だからこそ、変化が見られた収穫もあった。

ー はじめて睡眠の質に向き合えた

一度寝ると起きないことを長らく誇りにしていたが、とんだ勘違いで、「脳がオーバーヒートして気絶」しているだけだった。つまり不健康の極み。

人生の1/3を深く考えずに放置していたことに反省しながらも、良質な睡眠の定義をノンレム睡眠2時間/日と定義し、Fitbitを購入。

疲れが取れない朝はわかりやすくノンレム睡眠が1.5時間を切り、ノンレム睡眠が2時間獲得できていれば、睡眠時間が少なくとも寝覚めがスッキリしている体感が得られたため、人体実験で、いろいろ試した。

・朝起きてまずカーテンと窓を開けて30秒日光と外気を浴びる
・就寝2時間前に39度の風呂に15分浸かる
・入浴後はモニター、スマホ、テレビの電源を落とし書籍か手帳のみOK
・メラトニンのサプリを服薬する

まだ模索の余地がある領域なのでハックしていきたい。先人のみなさま、快眠ノウハウを教えてください。

正直、ショートスリーパーが羨ましい。ただし、自分が持つカードは決まっているから、どうデッキを組むかに思考を充てる方が健全だ。だから、私にとって、睡眠時間は必要な投資として割り切った。おかげで「顔色いいね」と言われることが増えたし、頭痛とめまいも格段に減った。嬉しい。

健康は遅行指標のようなもので、日々の自分の過ごし方が書き換われば、自ずと必要な睡眠時間も変わるだろうから、まずは持続を目標にする。

ー からだの資本づくりに時間を充てられた

私の人生をざっと振り返り、相対的に、健康へ投資する時間が足りなかったことを反省した。そこで時間と金銭の投資は他の領域よりも重要度が高いとして、実践しはじめたものがこちら。

・ピラティス …週2回(体幹づくり)
・有酸素運動 …毎日45分(9割エアロバイク)
・食事の見直し(MyfitnessPalでPFCバランス計測)

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ピラティス体験初日は筋肉痛で「まじ…無理では…」と弱音が漏れたものの、最近ロールオーバー(体幹で下半身を持ち上げる)なんかもできるようになってきた。「筋肉は自分を裏切らない」は本当らしい。こつこつ続けていく予定。

ー 趣味を諦めることを辞めた

新しい習慣づくりは、一撃必殺技があるわけではなくて、それこそ多くの知人に自分の将来像を壁打ちさせてもらい、多岐にわたるアドバイスをもらったからこそできたもので、本当に頭が上がらない。

そんな中で一番強烈だったのは、なぜか仕事と趣味が両立できないと思い込んでいた私に「全部取りしたらいいんだよ」とプッシュしてくれた存在。

そうか、自分が自分で諦めていたのかぁ」と妙に納得し、かってに蓋をしていたものをもう一度開けることにした。

・イラスト(毎日1枚は描く。スクールにも通い始めた)
・書道 (週1回は書く。自然と練習量が増えた)

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(ゆる募)どうしても手癖で漫画・アニメのイラストを描いてしまいがちなので、自画像をどなたか描かせてください。もしくは、よろしければあなたの推しを描かせてください。デッサンと色塗りを絶賛勉強中です。

書道は師範代なので、作品のご依頼大歓迎です。親の経営する飲食店で額縁に入れてもらった程度ですが、作品も作っています。スタイルは行書が得意ですが草書が好きです。気軽にご相談ください。

まずは決断したらいい

まとめると、

・自分のご機嫌をとりたい理由を知る
・なにに不安を感じるのか知り、自分なりの対応策を増やす
・理想の自分がどんな一週間を過ごすか考える
・決断する
・結果、現状の時間の使い方が変わり、習慣になっていく

こんなところでしょうか。ここだけの話、中学生の頃から、毎年救急車にお世話になっていたぐらいに体調が弱かったのですが、ここ1年は崩さなくなり、人生のQOLを数値化できるとするならば、過去最高レベルだと胸をはって言えます。お酒もやめたしね。

ま、言うは易しですが、自分のご機嫌をとるのって相当難しい。私もトライ&エラーをひたすらに繰り返して、ようやく道筋がわかってきたところ。

引き続き、実験を続けていく予定です。

※仕事の領域でも同じことが言えるし活かせる。今回は言及を避けますが、時期が来たらまた記事にしてみたい。

▼ここまで読んでくださった方へ

「習慣を変えたい。でもひとりじゃどうにもならない」
「もっと前に進みたいが進み方がわからない」

そんな方がいらしたら気軽にDMでご連絡ください。今回の実体験を支える理論とエビデンスがあり、正面から支援ができます。相談だけでももちろん歓迎。ツイッターだと返信早いです。

あなたの2021年が素敵な1年になりますように。

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