『ITOCHU SDGs STUDIO』感想
ITOCHU SDGs STUDIO
地球のあした観測所
きみとAIの!?(ワンダー)な未来旅行展
日曜日の昼間に行ったが、全体的に大人の来場者が多いイメージだった。
また、QRコードを活用し、展示そのものも文字は減らして、詳細な情報を来場者の端末に任せていることで、HPに誘導したり、今後も少しでも見てもらえる工夫となっているところは勉強になった。
「きみとAIの!?な未来旅行展」
生成AIの発展がめざましい今、この展示ではAIにさまざまな論文や研究データを学習させて出力した「あるかもしれない未来」の景色や体験に出会うことができるとのことだった。AIが導き出した未来の旅行における様々なシーンを体験できるようになっており、紹介文では、6つのテーマはいずれも子どもから大人まで、幅広い視点で、SDGs達成のためにどのようなアクションが必要か学べる展示となっているとのことだった。
そして、この展示を通して、未来への道のりを想像することで、きっと「本物の未来」が動くきっかけになる…… AIが考える未来は必ずしも理想的なものばかりではなく、不思議なものから危機感を感じるものまで実にさまざまであり、大切なのは、それを目の当たりにしたときに「!?」=心を動かすこと。「どうしたら、この未来に行けるんだろう?」「どうしたら、この未来を止められるんだろう?」と一緒に心をめいっぱい動かして、未来への道のりを想像し、「本物の未来」が動き出すきっかけにしたいとのことである。
AIという流行を取り入れた新しい取り組みで興味を惹かれた。しかし、「どうしたら、この未来を止められるんだろう?」という視点が生まれるような内容は少なく、実際はポジティブで前向きなイメージを植え付けるような展示が多かった点は気にかかった。また、AIの提示した内容をどのくらい精査しているのか、どういった初期条件入力をしており、主催者の思想がどのくらい反映されたのかといった、制作の裏側についても知りたいと思った。
②未来に出会う!?サファリ&サブマリンツアー
ここでしか出会えない、陸と海の生き物たち。なぜこの姿に?を想像しながら観察してみましょう。
→動物が特徴を変えるような進化には果てしない時間がかかるが、その視点が入っていないように感じられた。遺伝子組み換えなど、人間が介入する前提なのだろうか。
⑤未来を旅する!?ツアーガイド
未来で大人気の観光ツアーのパンフレット。
世界各地を巡る旅行プランにはおどろきと発見がいっぱい。さあ、どのツアーに参加しよう?
→SDGsの169のターゲット(グローバル指標)という視点が抜けているように感じられるツアー内容が少なくないことが気にかかった。外務省HP(JAPAN SDGs Action Platform | 外務省 (mofa.go.jp))ターゲット(グローバル指標)と達成率が公表されているが、それらはあまり考慮されていなかったり、先進国のさらに恵まれた環境の人間が思い描くようなツアーで、途上国や恵まれない人のことを考慮されていない作りになっていると感じた。
ただ、「5ジェンダー平等を実現しよう」に「変身し放題!メタバース・タイムトラベルツアー」という提案がなされている点はとても勉強になった、自由に変身できる世界では、見た目による偏見や差別なく、能力で評価される。それをメタバースで実現できるという想像はしていなかった。なんとなく対面コミュニケーションこそなんだかんだ言ってやっぱり重要であるという考えがあり、メタバースにいいイメージは特にないと思っていたが、考え直そうと思った。
⑥未来で撮影!?記念写真
楽しい未来旅行の思い出を残すなら、やっぱり写真撮影。
「未来行ってきたよ!」と友達に自慢したりして。
→⑤のツアーをパネル展示だけで終わらせないという点がよかった。撮影することで、体験できるというポイントを作っているのが、参考になった。
「地球のあした観測所」
Apple Vision Proを導入した没入感のある体験
→VRの精度や質が年々上がってきていると実感できた。まだ簡単にどこにでもあるような装置ではないが、ハードもコンテンツも質が向上している。強いて言えば、ハードがもう少し軽くなってくれると嬉しい。
デジタル地球儀「SPHERE(スフィア)」
→操作性はまだ改善の余地がありそうだが、写真に撮った時にとても写真映えしていたのが驚きポイントだった。
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