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eスポーツを通じて学生に成長を:必要な場所に橋渡しを

こんにちは、NASEF(North America Scholastic Federation/北米教育eスポーツ連盟、以下NASEF)日本支部です。

久々の投稿となる今回では改めて、NASEFの北アメリカでの活動、そして日本での活動方針を簡潔にまとめてみようと思います。

NASEF概要と日本での活動

現在北米全土に広がるNASEF の本拠地はアメリカ・カリフォルニア州。そのビジョンは、ごくごく端的にまとめると「多くの若者がゲームを楽しむのならそこで彼らの知見を広め、能力開発しよう」というもの。現在北アメリカではゲームが青少年に及ぼす影響の学術的な研究、クラブ大会運営、学習カリキュラム提供など幅広い活動を行っています。
また日本との関係では、昨年11月8日にはJHSEF(一般社団法人全国高等学校eスポーツ連盟)との提携も発表しました。

私たちはそのNASEFの日本支部窓口であるわけですが、今後はNASEFとして蓄積してきたノウハウやカリキュラムなどを言語・文化の異なる日本でも広められるよう適宜柔軟に適応させながら普及に務めるべく活動していきます。

このnoteでの活動も、日本未上陸の海外事例紹介を継続的かつオープンに提供していくためのものです。今後は海外事例の翻訳・要約紹介などを通じてeスポーツと教育の組み合わせに興味関心のある教育者・実務者の皆さんに情報発信していければと考えています。

多様化が加速度的に進む社会の中で、次世代を担う高校生・中学生は様々な形で成長し、自分の将来をデザインしていくはず。そのひとつとして「eスポーツ」を活用したい。

この言葉が響く方には、きっと今後も有益な情報をお届けできると思います。私たちはこれを信じて活動しています。

端的にと言ったのに長くなってきてしまいました…巻いていきます。以下では、よく聞かれる疑問に回答する形で活動方針を説明します。

なぜ「eスポーツx教育」?

日本と同様、米国においても非常に多くの若者が日常的にゲームに親しんでいます。それならば、若者が興味を持っていることを教育(人間的成長)の機会にしてしまおう、というのが私たちの活動の主旨です。実はNASEFの概要説明スライドでも丸々1枚使って強調するほど重要視しています。


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※翻訳すると「子どもたちがいる場所へ会いに行く」といった意味合いになります。

実際、北アメリカでは現在進行系で講師やコーチの派遣、高等学校向けカリキュラム(および中学校向け短期カリキュラム)の提供が行われています。

学校の授業でゲームを上達させようとしてるの?

答えはNOです。もちろん北アメリカでは学生トーナメントも行っていますし、そこからプロゲーマーになる若者が排出されればそれは素晴らしいことですが、それは「目的」ではありません。私たちの目的は、eスポーツに打ち込む/楽しむ若者に、次の2つの「機会」を提供するところにあります。

1.ひとりの人間として成長する機会
2.自分の将来(職業)を設計する上で活かせる指針、情報、視座

前者については、たとえばゲームには「問題解決スキルを向上させる効果がある」、「技術リテラシーとの強い関連性がある」、「数学の成績と関連がある」といったことを示す研究論文があります。またeスポーツと従来のスポーツには類似点もありますから、従来型スポーツに関する一部の研究結果もまた当てはまるでしょう。

全員がプロゲーマーを目指すのではなく、eスポーツという活動を通じて若者が成長し視野を広げることができれば、それは社会にとって大きなプラスになる、というのが基本的なスタンスです。

一方、後者の機会を提供することは、産業内にどんな業種があり、どんなスキルが必要になるのか?といったことを若者が「社会に出る前に」知ることで、視界を広げることが期待できます。eスポーツは選手だけでなく、コーチ、実況解説者、大会/チーム運営者、ジャーナリストなど様々なプロフェッショナルが活躍する業界ですが、そういった職種について知る機会を提供できれば、前途ある若者に「世の中には多様な選択肢があるのだ」と在学中に示せます。

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これはeスポーツを取り巻く業種のカテゴリーとしてNASEF公式スライドで引用している図です。ストラテジスト、コンテンツクリエイター、事業家、運営の4カテゴリ内にプロゲーマー以外の様々な職種が並んでいます。
(引用元:Anderson, Tsaasan, Reitman, Lee, Wu, Steele, Turner & Steinkuehler (2018))

今後、日本での活動は?

当面は継続的な海外事例紹介やメディア対応を通じて認知度向上に努めつつ、志や興味を同じくする方々とのミーティングを積極的に進めてまいります。

具体的な施策段階では、日米ではマーケットや業界の状態が異なるため「海外事例をそのまま持ってくる」のではなく、日本という環境に即した形で活動できるように、全方位的に様々な方々と連携していくことを強く意識してまいります。

日本支部窓口のお問い合わせ先は以下のとおりです。取材や相談などお気軽にご連絡ください。

【お問い合わせ窓口】

公式ウェブサイト(英語): https://www.esportsfed.org/
日本支部窓口(日本語/英語): hnaito@esportsfed.org

SNS

Twitter:@nasef_japan


北米教育eスポーツ連盟(略称NASEF)は、教育を受け、想像力に富み共感力のある人材を育て、すべての生徒が社会におけるゲームチェンジャー(改革者)になるための知識やスキルを身に着けるために取り組む教育団体です。