【ショートショート】『人類存亡の危機』
「えっ、それは..スパイしろって事ですか?」
「いやいやいや、そんな大袈裟な事じゃないよ!なんて言うかさ、ただ単純に、あの人気の秘密を知りたいんだよね」
俺の言葉を聞いたラーメン屋【みつはし】の大将、三橋さんはそう言いながら、慌てたように顔の前で手を振って、気まずそうに下を向いた。
【みつはし】は、かつて行列のできる人気店だったが、今は少し離れた所にいつの間にか出店していたラーメン店【三十五番】に客を奪われてしまっている。
開店以来、5年以上【みつはし】に通っている俺