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夫婦でラジオを作りはじめました。その経緯と理由を綴ります。

3月から夫婦でラジオを始めました。

といっても、もちろんラジオ局から流れる音声ではなくて、自分で録り、自分で編集して、インターネットで勝手に配信しているだけの音声なので、厳密にはラジオではありません。でもラジオって、いまやラジオ局の番組だけを示す言葉じゃなくなっているのが、面白いなぁ~と思います。

ただただ、とある夫婦の他愛ない会話をのぞき見いただくだけのラジオ。

そんなものに需要あるの? 聞いて何が得られるんだ!? と聞かれると答えに窮してしまいますが……、私自身としてはこのラジオを作り始めて満たされたものがありました。
また昨今のSTAY at HOMEな毎日になってからは、ますます「ラジオやっててよかったな」と感じています。もう1ヶ月以上の日々を、否が応でも一緒にいる家族。孤独ではないという良さはありますが、距離が近すぎるために諍いも生まれやすい家族……。
そんな中でラジオ作りは、意図せず私と旦那の共通の話題となり、手近な達成感として機能するようになりました。最初に始めた3月には想定していなかったことです。
一緒に何かを作り上げるのは、私たち夫婦にとって楽しいことだったのです。これは新発見でした。家族でyoutuberやる人の気持ちがちょっと分かるような気がしました(笑)。

すべてのご夫婦、ご家族にオススメできるかというと少しちがいますが、やってみてお互いが「楽しい!」と確認ができたなら、家族をそのままエンターテインメントにしてしまうのは、個人的には良いコミュニケーションツールになると思います。


さて、きちんと休まず10週続けられたら、夫婦ラジオに対する思いを書くぞと決めていました。決めとかないとサボっちゃうので……。
なんとかかんとか週一配信を続けてきて、ようやく第11回。あらためて、私と旦那さんの立場や関係性を、紹介を兼ねてまとめてみます。

ラジオを始めてみたきっかけは、ふたつありました。
ひとつは昔から思っていたこと。もうひとつはここ数年の私自身のライフスタイルの変化から生まれたこと。


まず昔から思っていたこととは、ズバリ私の旦那さんの話は面白いということです!!!!!!

ママ友さんとの飲み会で「旦那のことって今でも好き?」との話題が挙がったことがあります。多数派は「もうさ~そういうのじゃないよね~、情で一緒にいるっていうかぁ~」ってなノリでしたが、私は恥ずかしながら今でも旦那さんが大好きだったりします。

旦那さんはけっこう苦労人で、物心ついたときには母親がおらず、あまり裕福でもなかったみたいです。高校生の頃から自分の学費は新聞配達のアルバイトでまかない、大学も新聞奨学生で進学しました。
親に私立大学に通わせてもらったうえに、声優養成所のダブルスクールまでさせてもらったスーパーすねかじり娘な私としては旦那さんを心底すごいと思いましたが、旦那さんにとってはそれが当たり前の環境であって、何もすごくはないのだそうです。そう言えちゃうことがもうすごいし、私とは思考の素地が違うんだなぁと思います。

そんな旦那さんですから、私には思いつかないような考え方で物事をとらえて、何気なく面白いことをのたまうのですね。私はそれがとても好きなんです。
彼と長く付き合ってくれている人は「この人、面白いこと言うなぁ」を分かってくれるんですけど……、パッと見や人前に出たときは、イマイチ本人の魅力が出ないんですよね。

それがね~、、、本人にとってはお節介な話でしょうけど、もったいなくて!

旦那さんはフリーのWeb屋(Webディベロッパー。Webならお任せ! お仕事ご依頼どうぞ!)ですが、まあ営業下手で……って私も人のことは言えませんが。。。
旦那のいいところを引っ張り出せるのは、妻である私しかいないでしょ! という本当にお節介以外のなにものでもない考えで、頼まれてもいないのに旦那さんをプロデュースしようと思ったのがひとつめのきっかけでした。

(まあ、それで10回やってきて旦那さんの魅力を引き出せたかというと、、、そこはまだまだ課題であります。苦笑)


そして、ここ数年の私自身のライフスタイルの変化から生まれたことは、何がなくとも子どもです。

私はわりかし若い時から子ども願望が強くて、女性に生まれたからには出産は必ず通りたいルートでした。浅はかな物言いになりますが、ゲーム的な発想で、必須イベントではないにせよ絶対に回収しておきたかったんです。
ただ、いざ産んでしまうと、ここもまた言葉選びが難しいのですが、ある種、人生を達成、ゲーム的に言えばクリアしてしまったのです。
いわゆる燃えカス症候群。子育て中の今も大変で楽しい毎日ですが、これまでの人生にあった明確すぎる通過点“出産”を通り越した私は、次なる通過点を見失う、いや、”見失う”だとまるで本当はあるかのようですね、次なる到達点が”なくなって”しまったのです。あとはゆるやかに死に向かうだけ……いささか大げさですが、それくらい無気力になりました。

しかし、これまた面倒な話なのですが、私という人間は、今からゆるやかに死に向かうことを良しとできるほど、達観した人間ではありませんでした……。子どもが手を離れてくるにつれて襲い掛かってきたのは、「このままじゃダメだ……!」という目標なき強迫感。
これはネガティブ思考な性格の人にありがちな現象なのでしょうか? とにかく「何かやらなきゃ」と焦って仕方ない。
それでも、どんなに子どもが成長してきたといっても、食事は自分で済ませてはくれないし、何かあれば保育園へお迎えに行かなきゃいけない。結局、行動範囲は狭いまま。Twitterやってるけど全然つぶやいてないし。私は何もやってない……何も生み出していない……世の役に立っていない……何かやらなきゃいけないと思うのに、枷が重くて動けない………。

行動に移すまでにぐるぐる、ぐずぐずと考える残念な人の典型です。しかも、やるからには壮大で新しくて価値のある素晴らしいことをしなければならない、と思っている節もあります。


なかなかラジオにたどり着けませんね(笑)。
さて話は変わりますが、私は『そこ☆あに』というネットラジオに10年来出演させてもらっています。ですから、ラジオの音声を作ることは技術的にも精神的にも特別、難しいことではありません。声を録音し、編集すればできあがるんです。

突然に話題が結びつきますが、ラジオは、単純に私にとって「できること」だっただけなんです。

この制限された環境の中でも、ラジオなら作れる。
それは私にとって当たり前のことでした。ただ、私の一人語りなんて、それこそマジで需要がないと言い切れるのです、真顔で( ˙-˙ )。だから、「やりたくなかった」んです。

でも、それが旦那さんが一緒なら、途端に需要とか関係なしに「楽しいこと」として作れる気がしました。だから「旦那さんがやってくれるなら」と、すぐに動くことができたのです。枷だらけの私でも、ラジオはできることだったんです。


動き出したら早いもので、しかも意外に旦那さんも楽しんでくれているようでした。
とりあえず週一で録るだけ録って、3週分ほどストックしました。そもそも続くかどうか自分でも分からなかったので、ヘタに“録って出し”しちゃうと「やらなきゃ!」の強迫観念に襲われて楽しめなくなるかもと思って、すぐに配信はせずにいたんです。それも、今だから言えることですけど、良い判断でした。途中、お題が思いつかずに収録がめんどくさくなる週もあったのですが、最初のストックのおかげで乗り切れました。実は10週手前でまた無気力の大波がやってきて、旦那さんに「もうやめる」と自暴自棄発言までしたのですが、10週も続けると不思議なもので、今度は「やらなきゃ」がポジティブな強迫観念に変わってくるんです。「私がやらなきゃ……誰がやるのよッ!」ってなもんで。それで割と早く回復しました。ホント不思議。


ラジオをやることで私の「何かやらなきゃ」という焦りが根本的に消えたかと聞かれれば、消えてはいません。ただ、軽減はされています。このラジオが「私は何かをやっている」に成ったということは、私自身にとっても意外であり、幸運でした。


まあこんな感じでなんとか10週続いたので、そろそろ何かしら次なる展開を考えていかなくちゃなぁ、とは思っています。
ラジオを作る“習慣”をつけた10週。この先の10週は? やっぱりやってるからには、ちょっとは聞いてもらいたい。そういう欲を持てる段階に、ようやくスタート地点に立てたということなのかもしれません。


私が何を言いたいかというと、たくさんの人は既に気づいて行動しているとは分かっていますが、私の気づきとして書かせてください。できることをやったら、もしかしたら充実感を得る手段にぶち当たることもあるんだな、ということです。

私はバズるツイートはできないし、星野源とセッションする動画は恥ずかしくって作れない。技術だけでなく、生まれ持った人間性はなかなか変えられません。ある種そこは諦めていて、でも諦めきれずに悩んだりもして、今なお悩み続けていますが、それでも今ある身体で、できることをすればいいんだな、と。ラジオを作っていて思います。できることをやるというのは、「私はこれっぽっちのことしかできない」との悲しい気持ちからスタートしますが、私はたまたまその中で充実感を得る手段に辿り着けましたよ。ラッキーでした。

そんなラッキーも、ありますよ、と。「私にはこんなことしかできない」と今なお思っているあなたがいるのなら、押し付ける気はありませんが、私という事例はあるんだと、書きたくなったのです。

妻です! https://twitter.com/nase1204
旦那です。 https://smilemonster.site/

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