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感情的な支援

情緒的な繋がりで支援をおこなう方がいらっしゃいます。
必ずしも全てが悪だとは考えません。上手にツールとして使っている方もいると思います。
しかし、個人的にはあまりこういった側面が前面として出てくるのはどうなのか、と思うことが多くて。
最近も少し驚いたことがありました。

あるケース会議の場で

関わっていたのがグループホーム、計画相談兼委託相談の相談員、支給決定をおこなった行政、そして私ことナカポツ。

確かに本人もよくなかった。
金銭管理をグループホームにお願いしていたところ、架空の通院をして請求することが度々あったのと、体調から禁止にしていた飲酒がばれたところだったので。

ですが、そこで本人に対して行政の方が言われたのは「あなた昔から何も変わってないじゃない。私たちみんながっかりよ」という言葉。

待て待て。少なくとも私は別にがっかりしていない。巻き込まないでほしい。
というかよく言えるな、と。

別の相談員は「これまで相談に乗ってきてこの結果はちょっと辛いです」と。
さらに行政の方は「今日は休みだった。でもこうして来てあげているの」と。
ホームはホームで「連れ出してあげるなどしているけど、なんで相談してくれないの」とか。

いやまあ、いろいろな想いで関わってらっしゃったのだと思うし、確かに長いお付き合いだったのはわかっています。
でも、それらを伝えて何が生まれるのだろうかと私はよくわからなかったのです。

本人は謝るばかり。まあそうですよね。
その後になぜそうなったのか、と整理はしたものの、雰囲気はすごかった。
しまいには「管理できていないホームに支給は出せない」とか「それは心外だ。最初から全て管理できると言っていない」とか「いやそれは約束が違いますよ」とか、行政とホームと相談が殺伐としていて、私は遠くを見ていました。

最近になって行政が「面倒を見切れないからひとり暮らしを」と言い出すし、ホームも「面倒をみきれない」と言って、相談は「引越すから支援できなくなる」とのことで、広域の私だけが残りそうです。

みなさんには言っていませんが、がっかりだなぁ。

感情と距離を置く

どのような状況でも、対象者とのやり取りではこちらの感情も動きます。
失礼なことも言われるし、不条理なことも言われる。神経を逆撫でしてくる対象者もいらっしゃる。
ここで起こってくる自分自身の感情は、怒りや悲しみ、不安、恐怖、焦りなど様々だと思います。重要なのはここでよくよく自覚を持つことだと思います。
それを表出してはいけない、とは思いません。
私は相手が障害を持っていようが、失礼なことを言われたら失礼ですよ、と伝えていいと考えます。なぜ、相手がそう言ったのかは重要なポイントですが。
で、理由によっては相手に渡さず、自分の中から取り出して置いておくというイメージを持っています。
「あー俺めっちゃキレてるわ」と自覚すると、少し置いておく余裕ができる気がします。
これは毎回できるわけではないけれど、意識はそのように持っておくといいですね。
余裕があれば、怒りながらもそれを渡すことで何を得られるかを考えられるといいなと考えています。

そうできない時の多くの場合、相手に私にとって望ましい行動を求めているのではないかと振り返ります。
いくつか選択肢を提案した時、それ以外を選んだり、メリットが少ないものを選択したり。
電話を終えてほしいのにだらだらと同じことを話されたり、理屈に沿った話をしてほしいのに理不尽な脈絡で話されたり。

今回の件で言えば、みなさんは金銭管理の予定に沿って執行してほしかったり、適切なタイミングで相談してほしかったりしたのではないかな。
つまり、コントロールしたい方向に行かなかったことで怒りや不全感、徒労感に繋がったのだと思います。
そこで止まることもできないほど強い感情が生じたのではないでしょうか。
いずれにしても、それを伝えて、何を得ようとしたのでしょうか。

まとめ

バイスティックも言っていたよ。統制された情緒的関与だかなんだかって。
私もそう思うよ。私たち支援者は、いわゆるフォーマルサポートであって、機能として役割を果たせばいいと思っています。
もちろんその機能・役割を果たすために、本人との情緒的な関係性はある程度結ぶことになると思いますが、正直今回のみなさんほど強く結ぶ必要はないのではないかと考えています。

まして「休みだったのに来てやった」はそれもうインフォーマルで来てますやん、と思ったのです。
ナカポツではなく、なすとして来ました、ということですよね。機関として責任を取れない状況ですごい言うじゃん、と感じました。

自分自身も顧みないといけないと思える部分でした。
今後どのようになっていくだろうか。
とりあえず、本人とはうちのセンターで面談をすることになっています。もちろん支援機関が繋がっている限りはみなさんに内容は共有しますし、方向性も一緒に考えますよ。
あのケース会議、3時間はかかってたっけなぁ・・・。

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