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スリランカはgiveの国だった

こんにちはNARUです。

2023年の3月にスリランカへ1ヶ月間のワーケーションへ行きました。

当初の目的は自然に触れたり、スリランカカレーを食べる、作り方を学ぶことでした。

ですがある家族との出会いがそれらを遥かに凌駕して、泣いた経験なんて数えるほどしかない僕が涙してしまったお話です。最近は感動的なことが多くウルってきてしまうことばかりであまり説得力がないですが…

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スリランカの実質首都であるコロンボに到着して、数日間ドミトリーで情報収集をした後、僕たちは海沿いの鉄道を利用してスリランカ南部の都市Galleへ向かっていました。


ひよこ豆を無限にくれるおじさん
一番辛くないと言って激辛フライを買わせてからかってきた

この鉄道で東洋人は僕らだけ。面白がって辛い食べ物を僕らに食べさせたり、日本が好きなんだと熱弁してくる彼ら。

岸田政権がスリランカを含む他国へお金をばら撒いていると揶揄されていますが、彼らはその支援に対して心から感謝していました。という事実だけ置いておきます。

その鉄道に乗り合わせたのが今回の感動的な出会いになった家族の長であるPrasannaさん。

彼は韓国に数年住んでいたことがあるらしく、今は奥さんと2人の子供たちと海沿いの小さな街で暮らしているそう。

彼とはそこで連絡先を交換し、一期一会の出会いにホクホクしながら鉄道を後にしました。

翌日南部の街Galleで人生初のクリケットの試合を観戦していると、彼から「Galleに車で行くからビーチに連れてってやるよ」と連絡がありました。

彼らの住んでいる街はGalleから車で3~40分はかかる場所にあり、電車で少し喋っただけの僕らのためだけにわざわざ来る?僕の感覚では最初にこんな感覚が浮かびました。

スリランカについてまだ数日だったこともあり、彼らにどんな意図があるのか勘繰ってしまい躊躇しましたがこちらは男2人だし、最悪なんとかなるだろうと思って彼と合流しました。

彼と合流して車に乗せてもらうとそこには彼の奥さんと、2人のお子さんもいました。
ビーチにいき、キャッキャはしゃぐ子供達としばしのお戯れ。心が洗われました。


奥さんとお子さん。ニッコニコだったけど、カメラを向けると緊張しちゃう

この辺りから僕は完全に彼らに心を許し、彼らのgiveに対して何か恩返しができないかと思い夕食に誘いましたが「ノーノー」と言って一向に受け入れてくれない。。おまけに僕らの滞在先まで送ってくれて、ただただ感謝の気持ちを伝えてその日を終えました。

彼らのgiveはこれだけにとどまらず。。

・翌日僕らの滞在先に突然現れて、僕らの旅程を確認。移動手段やおすすめの滞在先を事細かに教えてくれる。
・おすすめの場所や予定していたサファリツアーの優秀なガイドを紹介してもらう。(ぼったくりなし、1/200の確率でしか見れないスリランカヒョウも見れて大満足)
・その後も旅中にトラブルがないか連絡を取り続けてくれる。

1旅行者には有り余るほどのgiveをもらってしまい、この恩をどう返そうかと考えた結果、僕らはスリランカでのワーケーションで最後に訪れる予定だった、世界自然遺産であるシギリヤロックから行先を変更し序盤で訪れた彼らの元へ戻りました。

お礼をしたいというと受け入れてくれないので、「またあそぼー!」くらいのテンションで連絡し、レストランで食事をご馳走しました。

彼らのおかげで僕らのスリランカ旅がいかに充実したか、現地人で信頼できる人がいることがどれだけ心強いか、感謝の気持ちを伝えました。

渋々僕らの奢りも受け入れてくれ、快晴な星空の中、バイク4ケツで彼らは帰っていきました。

ヘルメットをすれば違法じゃないっぽい

いい出会いだったねぇ、彼らとはまた会いたいね。

友人とホッコリした気持ちでその日を終え、スリランカでの残りの数日を海岸沿いのコテージで過ごしていたら、また彼から連絡が。

「最後に連れて行きたい場所がある」

まだgiveをする気か!!!?

半分申し訳ない気持ちと、また彼らに会えるという気持ちが入り混じっていましたが、好意を無碍にするわけにはいけない、おもてなしを全力で楽しむことが彼らへの今できることだと思い、迎えの車に乗ったのでした。

とある住宅街にある立派な家に招待されると、そこは彼のお姉さんの家だそう。
お姉さんとその家族もニッコニコで迎え入れてくれ、テーブルにはありったけのスリランカ料理たち。


なんでカレーしか撮ってないんだ….!!!!

「みんなでお食事かー、締めには最高だなぁ」と思っていたら、テーブルに椅子は2つだけ。おや?

彼らは僕らの後ろに並んで座っていて、笑顔で「ほら、食べて食べて!」と言わんばかりの熱視線。

いや食べづらい!笑 おもてなしがすぎる!なんでそこまでしてくれるの!まじで!!

最大の感謝と共に食べ始めたのですが、これが旨い旨い。。

「君たちが私たちの国に遊びにきてくれて、楽しんでくれて本当に嬉しい。日本に対して私たちは感謝しているしこの気持ちはこれからも変わることがない」

僕はたまたま日本に生まれて、あったかくて自然があってカレーもあるから楽しそう!という気持ちだけで訪れただけなのに。なんなんですか、あなたたちは!本当にもう。

経済破綻をして決して裕福なとは言えない国に住んでいる彼らが、気持ちをここまで行動で表現してくれたことに対して、カレーを食べながら思わず涙してしまいました。

この彼らの悟りを開いているような、圧倒的な懐の広さの根源はなんなんだろう?と漠然と思い始め、スリランカの文化や宗教的背景について学んでみたくなりました。

この気持ちを「感動した」だけで終わらせずに、彼らには必ずまた会いに行って恩返しをしたいし、いただきすぎたgiveを他の誰かに渡して正の循環を作っていきたいですね。

僕が作るスリランカカレーにはこの思い出と気持ちがぎっしり詰まっています。自分で言うのもアレですが、めっちゃ旨いです。

最近ジョージアで知り合った日本の友人が、僕らの話を聞いたり、僕が作ったカレーを食べたりした後、スリランカに来ています!何月に行きます!って言ってくれたんですよ。こんなに嬉しいことはない。

スリランカに行く際はぜひ教えてください、いい場所教えます。
なんなら彼らに渡すお土産を託したいです。

***

スリランカは数少ない仏教国の一つだそうですね。

驚いたのが、仏教国って意外と少なくてタイとスリランカ、あとは対外的には日本、くらいみたいですね。チベット仏教などは別として。

仏教は最も実用的な宗教とも言われていて、心の平和や慈悲と思いやり、真理の追求と自己成長、物質的な所有よりも内面の豊かさを重視するという点が理由になっている。

海外に出る際に各宗教については軽く本を読んだものの、実際にそれらを重んじる人たちとの交流は「百聞は一見にしかず」をそのまま体現したような体験でした。

次に訪れるときは彼らの文化への理解を深めた状態で、ありったけのお土産を持って行きたいと思ったのでした。ではまた🙌

【今日の1曲】
慈悲や諸行無常、なにか彼らから受ける印象と近い感性が垣間見える大好きな曲。


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