「鵜呑みにしない」尽信書即不如無書

尽く書を信ずれば即ち書なきに如かず
―尽信書即不如無書―

[原文](孟子 尽下)
尽信書即不如無書。

[書き下し文]
尽(ことごと)く書を信ずれば即ち書なきに如かず。

[原文の語訳]
書(書経)の内容を全て信じるなら、書経など無いほうが良い。

[解釈]
書物の中にも間違った記述があるので、全てを盲信するくらいなら読まないほうが良いということです。

そんなことを言ってしまうと、昨今の歴史の教科書で肖像画の別人疑惑もありましたし教科書は読まないほうがよいう極論が...。ただ、ここで先生が「最近はこういった議論もある」と補足を付け加えることでフォローすることができるのです。

週刊誌の内容を鵜呑みにし、受け売りのくせにいかにも自分は見てきたかのように得意気に語っている人がいますね。

読書法の一つに「内容に疑ってかかれ」というのがあります。書籍は著者と読者の一対一の対決なのです。

歴史家や科学研究家であれば本に書かれていることが100%真実であると考えないところから、新しい発見があるのでしょう。

「これで完璧」「絶対わかる」「成功間違いなし」と題された本を忠実に実行したからといって必ず成功するとは限りません。時には内容に反した臨機応変、柔軟に対応することも必要です。

書物に限らず、あらゆる物事で盲信することをせず、結論に対し理由を考えるなど分析し、その上で判断できるようにしたいものです。

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