「思いをはっきり伝えられる関係に」忠焉能勿誨乎

忠にして能く誨うること勿らんや<
―忠焉能勿誨乎―

[原文](論語 憲問第十四)
子曰、愛之能勿勞乎。忠焉能勿誨乎。

[書き下し文]
子曰く、之を愛して能く労することなからんや。忠にして能く誨うること勿(なか)らんや。

[原文の語訳]
孔子が言う、愛するならばどうして労らずにいられよう。思うならばどうして諭さずにいられようか。

[解釈]
「労する」は労る(いたわる)・悩む・働く・苦しむ・助けるなどの意味があります。

相手を思う気持ちですね。思うから労ってあげる代わりに、時に耳に痛いことも言ってあげなければいけません。

「言われる内が華」とか「あなたの為を思って言っている」とはよく聞く言葉ですね。

子育てならば、子どもの間違った言動に対しては時に厳しく叱責しなくていけませんし、またその際にはもう片方の親は子どもに寄り添ってフォローしてあげる必要もあります。

友人同士であれば手伝ってあげた上でアドバイスをしてあげるということでもありそうですし、組織であれば発展のために働き悩んで仲間を労り、時に上司に向かって直訴する必要があります。

相手を思うならば、誤りに気づいた時には躊躇せずはっきり言うようにしたいですし、それで怨念を持たれないような関係を構築しておきたいものです。

思い余って感情的に罵声など罵るのではなく、冷静にして諭せるように心がけたいものです。

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