訪日観光客の激増の影で
訪日観光客がいきなり1800万人の大台を実現させる。
中国、韓国、台湾などのアジア近隣国を始め大幅な増加の経済的恩恵が話題になっている。静岡空港もようやく万年赤字から黒字基調に転換できたようだ。
ここで観光客増加の影で動いている正と負の二つの話題をとりあげてみよう。
一つ目は観光の「質」の問題である。
観光客のマナーの悪さは前から指摘されてきたが、その観光客を扱う業者の質の悪さは表に見えにくい。
中国からの観光客を扱う業者の多くは中国人で、中国人が経営するレストランで食事をして、中国人のホテルに泊まり、中国人の店で買い物をする。一気通貫のさばきで結局中国人の消費する金は中国人のサイフに還流する構図が少なくない。
こうしたことはある程度どこの国でもあるが、こと中国の場合は遠慮会釈ない商売で、同胞だからといって手を緩めないところがある。その結果「日本へ行っ
て酷い目に遭った。もう二度と行きたくない」と怒りをぶちまけるのである。
日本側の観光業に携わる人々が、よくよく毅然とした品格のあるサービスを心
掛けないと冤罪に巻き込まれかねない。
二つ目は思いもよらない需要で、外貨紙幣識別の需要増である。
ドルも人民元も大量に持ち込まれる時代には、偽札も当然紛れ込む。これを素早く正確に識別しなければならないが、このほどグロリー社は「女子行員が片手で持てる」小型高性能の識別機を開発した。1枚ずつしか投入できなかったものを一気に重ねて横入れができるようになった。種類はドル、ユーロ、元、ウオンの4種。
さすがに円は対象外であるが、いずれ将来は偽の円札が持ち込まれることも十分にありうる。
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