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利益の源泉

高く売る、安く仕入れる、経費を掛けない、の三つが利益を生み出す

高く売れれば素晴らしいが、相手を騙して売ることはできない以上、買い手が納得するものを提供せねばならない。街の中を走るだけなら中古車センターで15万の車でもいいだろうが、わざわざ何十倍も出して高級車を買う人もいる。その違いに何故金を払うのか?と考えると高く売ることはそうそう簡単な話ではない。

安く仕入れる事を考えると、100円ショップである。材料費+加工費+運送費+倉庫代+工場の人件費+販売店の利益と、ずいぶんかかっているはずだが、あの店はそれで食っているのである。どうしてこの商売が成り立つのか?存在自体が勉強になる現象だ。

経費を抑えるにはボールペン一本にいたるまで節約することに尽きるが、三井も住友も家訓は同じように勤倹を旨としている。節約だけで利益が出るとは限らないが、節約をしなければ決して利益は残らない。

これは当人からじかに聞いた話であるが、戦前上海のある会社が、日本から大量の鋼材を輸入していた。ある日彼が初めて訪問して見た光景は、だだっ広い倉庫の中で一人の男が黙々と木枠を解体している姿だった。社長は?と聞くと自分だと答え、他に社員はいないとの返事にあっけにとられた。聞けば100で仕入れた鋼材はそのまま100で売るという。それでは利益がないではないかと問うと、「解体した木枠と釘がある、これが自分の利益だ」と答えてにっこりしたので開いた口がふさがらなかったそうだ。

利益がどこにあるかを考えることがビジネスを決める。

当社にとっての利益の源泉はどこにあるかを考えてみると、畢竟「減らす」ことに尽きると思う。現場で最も効果的なのは部品点数を減らすこと、部品が減れば仕事量は確実に減る。事務所では、書類を減らすこと、書類が減ればあまり必要でない仕事がなくなる。仕事が減れば紙もコピーも電話も減る。                   

良い仕事をする為には、まず捨ててかかることである。

大きく利益を計上している会社は、意外にアクセクしていないものである。

つまり、努力の「量」を減らして「質」を高めることと言える。

☞『迷いの時代に』より「利益の源泉」抜粋


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