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【映画感想44】アメリカン・スナイパー/クリント・イーストウッド(2015)


イラクに4回出兵し、多くの功績を挙げた凄腕のアメリカ人兵士が帰国後PTSDに苦しむ実話。

戦争が終わっても続く苦しみを描いている貴重な映画なんだけど、本音を言うと「アメリカ人がつくった映画だな」と感じました。
民間人を殺す葛藤もあるにはあるんだけど、向こうには民間人を恐怖で縛っている親玉がいる、というのを強調されるのでどうしても正義がアメリカ側にあるような感じがする。

以前見た「模倣の人生」に近いじんわりした違和感がある。そこにたしかに差別と言わないまでも明確な区別があるんだけど本人たちは全く気づいていない感じの。


ただ、実在の人物が元になっているので遺族のことを考えると英雄譚的になってしまうのは仕方ない気もする。実際の本人の写真も出てくるし、
これを土台にして新たなストーリーを作り上げるにはたぶん日が浅すぎる。年月が立ってりゃいいというわけではないけど。

最後のエンドロールが一切の無音だったことに感動しました。ホテル・ルワンダ(だっけ?)では演者の後に無数のunknownの表示が続いて「数え切れない犠牲者がいる」と表現していてゾッとしたのですが、この無音も無言のメーセージを感じました。黙祷のような。


エンドロールで席を立つかいなかはたまに議論にあがるけど、この映画のエンドロールで席立っちゃう人とはめっちゃ気が合わないだろうな〜と思う。


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