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【映画感想50】デッド・ドント・ダイ/ジム・ジャームッシュ(2012)




100本目指して週2で映画の感想を書いています、絵描きのNarumi Kawaseです。
(毎週水土21時に更新中)

いよいよ50本目になったので、冒頭で名乗りを入れてみることにしました。ブログっぽい。

パターソン、コーヒー&シガレッツに続いて
ジムジャームッシュは三作品め。

・パターソンに出てくる詩人が出てくる
・B級映画っぽい

という事前情報のみでみてみました。

まず、コーヒーを飲む2人のゾンビのシーン、コーヒー&シガレッツのパロディでは…!?となんとなく今までの作品のパロディを入れた映画の気配を感じて、観る順番間違えたかもと思いました。

この映画ゾンビの魅せ方(直線殺害するシーンより引のカットとガラス越しのカットが多い)でちょいちょいいいカットが多くて、この監督はやろうと思えばたぶんしっかりゾンビ映画を撮れると思う。

ほんの数秒だったけどゾンビが徘徊する通りを車
で通るときにスタージル・シンプソンをかけるカットとか絶妙によかったと思う。ショーン・オブ・ザ・デッドのジュークボックスのシーン思い出しました。
でも撮らない!!笑

あとキャラクターがすごく良い。
ギークな店員、謎の刀を持った女性、淡々とゾンビを制圧する警官の青年、森に住む浮浪者、これそれぞれ主人公にしたストーリーの短編映画できるくらい濃いメンツ。
でも撮らない!!(2回目)

B級映画ってアタックオブザキラートマトしかりキノコ男然り、しょっぱなからチープさを醸し出してるのが多いと思うのですが、
この映画で異色なのが出だしの映像や音楽で結構いい映画を始まる感出てるしちょいちょいセンスがあるのに、すべてをぶん投げたB級に舵を切ってるところ。

例えるならいい香りのする上等なコーヒー豆を丁寧に挽き、こだわりのポットで規定の温度までお湯をあたためたあと、バケツに全てをぶち込んで布を入れてコーヒー染めするようなイメージ。

これを背徳感とカタルシスをもって笑えるか、「なんじゃこりゃー!」で拒否反応するかで別れそう。

評価が賛否両論っぽかったけど、たぶんこの監督を知ってる人なら笑えるかもだけど、ゾンビ映画を求めてる人だと物足りないかも。(シュールに全振りしたゾンビ映画にもできそうなのにやってないので)

監督の意図が結構気になる映画でした。

これはただの想像だけど、「君ってこう言う人だよね」って言われ続けるとすべてをぶっ壊したやつ作りたくなる気持ちはちょっとわかる気はする…笑

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