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きっとずっとあなたに会いたかった(関西コミティア70レポ)

こんにちは。イラストレーターの なるのあやねです。
今回は、遅くなってしまったのですが、5月12日の関西コミティア70のレポです。
言いたいことは最後の1項目なのですが。
(出展予定のある方は前半もタメになるかも?)


初めての関西コミティア・参加後の考察

2024年5月12日、初めて出展側として関西コミティアに参加しました。
(東京でのコミティアは2023年冬に出展)

ラインナップは以下でした。

・「好きなもの好きなまま」(「好きの燃え尽き症候群」に向き合ったZINE)
・既刊イラスト集2冊
・「古の同人音楽オタクが10年ぶりに同人音楽イベントM3に行ってきた件」
・ポストカード5種
・キャンバスプリント2種

私のサークル「花と論理」は2人サークルですが、諸事情で搬入は1人。
和やかにお隣に挨拶しつつ、搬入・設営を終えた頃にもう1人も揃い、
開場を待ちました。

出展にあたり、工夫して良かった点

結論を先にお話しすると、サンプルをご覧になるだけも含め、
通りすがりのご購入が0人だった東京でのコミティアと比べ、
想定よりたくさんの方に新刊・既刊を手に取ってもらえました。
差し入れやSNSのフォロワーさんもきてくださり、とても嬉しかったです。!

また、驚いたのは、東京でのコミティア参加時より、
通りがかりや見本誌経由で来てくださる方も多かったことです。
過去の私の出展時と比べて、今回やって良かったと思われることを、
以下に書いてみます。
次回出展される方の、お役に立てば嬉しいです。

わかりやすいA4のポップやA2のポスターを用意した
…以前はA3ポスターを自分で印刷して、机の前にぶら下げていたのですが、
 人が多いと、視覚的に足元に近いものは見えづらいので、
 高さのある大きいポスターや、内容を簡潔に説明したポップは効果的だなと
 思いました。

ポップ。A4印刷・台紙をつけ、スマホスタンドに立てました
A2ポスター。机の上に、伸ばしたピンチスタンドを立てて飾りました


 ポスターを見て「かわいいですね」と話しかけてくださった方や、
 ポップを見て、通りすがりに足を止めて「うちのことやん!」と
 言って立ち読みしてくださった方がいて、嬉しかったです。(胸キュン)

 多分に、以前自分の本が売れなかったのは、ぱっと見で本やサークルで取り扱う内容が
 わかりにくい場合も多いのかもしれないです。
 キャッチフレーズや、内容がわかるポスター、ポップは重要だなと思いました。


・手に取りやすいよう陳列を工夫した
…以前は、組み立て式の段ボール本棚を使って、本を立てて陳列していましたが、
 ぐらついて見えて手に取りづらいかも?と感じ、
 机の通路側ギリギリに積み上げて、値札を上向きに置きました。
 手前だと手に取りやすいのか、サンプルを気軽に読んでくれる方が増えました。


・2スペース分取っていて目立っていた、色合いが統一されていた
…うちは2人サークルなので、東京のコミティアで1スペースで申し込んだところ
 狭くて動きづらかったので、思い切って今回は2スペース取りました。

 通りすがりの方からすると、目に入る時間が単純に2倍になるのと、
 敷き布が大きな淡い黄色いもので、新刊もポップも黄色と白だったので、
 遠目に見て、統一感が出たのも良かったかなと思います。


・会場や参加サークルの規模、関西の風土などが諸々噛み合った

…かなり大きかったと思います。8〜900サークル前後と回りやすい出展数、
 読める量の見本誌、イベントでお馴染み、かつ広々としたインテックス大阪が
 会場だったことは幸運でした。
 (ティアズマガジンかんさいに、京都開催の時は売れ行きが違ったという
  アンケートも載っていました)

 ゆったり回れて、コミュニケーションを取る余地がある、それが
 うちのような小さなサークルにも恩恵があったのかなと。
 個人的には、ゆっくりお話しできる関西コミティア、とても好きです。


同じ悩みを抱える人と出会えた喜び


また、嬉しかったことは、ジャンルを問わず、
「好きなことを嫌いになるのは辛い、好きな気持ちを持ち続けたい」と
同じように悩んでいる方との出会いに励まされたことです。

新刊ZINEのあらすじですが、
突然に絵が描けなくなってしまった私(なるの)が、それでも絵を描くのが好きだからこそ、
「好き」を続けるためにやってみた”小さな工夫”について、
4項目13個、エッセイ形式で話しているという
極めて個人的な内容のZINEです。

やめられなくて、ずっと続けていて、自分の根幹になっているもの。
評価されなくても、頼まれなくても、続けているもの。
気づいたら、絵に役立つんじゃないかと、色んなものを見たり、参考になる本を買ったりしてしまう、生きる張り合い。
それが私にとっての絵です。

そんなウルトラ個人的な本で、かつ私のたどたどしい、執筆の経緯の説明を、
サンプルを見た皆さんは熱心に聞いてくださり、
「わかります」「俺のことだ〜」「書けなくなる時ありますよね」「私も創作をするので共感します」
と言ってくださって、すごく勇気づけられました。胸がいっぱいになりました。

誰もが、好きな気持ちを大切に、日々足元を照らす心の中の灯火として、それを守りながら、暮らしているんだ。。

そう思うと、ほっとしたというか。


私は好きなもの・ことについての話って、否定されたら傷つくので、
初対面では詳しく話すことは伏せることもあるくらいで。
別の無難な話で、かわすこともあります。

そんな感じで、結構心の柔らかいところに触れる話を元に、
思い切って勇気を出して、心をオープンにして作ったZINEで、色々な方とコミュニケーションをとれたこと。
少しだけ心が繋がる感じがして、本当に嬉しかったですね。

きっとずっとあなたに会いたかった


ここで少し、私の活動について話します。
ちょっととつとつとした感じになりますがご容赦ください。

2019年にイラストのツイッターアカウントを開けて、24年4月で5年目、
もう少しで1000フォロワーになるところ。ちょっと遅いと思う方もいるかも。

でも、去年の春は300フォロワーだったから、
個人的にはしみじみ増えたなと思うわけです。
でも反面、何をつぶやくべきか、悩む機会が増えました。
そういう自分をすごく、さみしく思っていたというか。

これまでは、この世界では誰も私のことなど気にかけていない、
そのくせ世の中で上手に振る舞えなくて生きづらくて、
絵を描いている間は少し楽になれると思っていました。

自分の世界に潜り込んで、人の顔色も伺わず、自分のペースで、自分の決定権で
深く海にダイビングしていくような、
私にとっては、絵だけが自由な自分だけの世界だったんですね。
自分から1人になりにいく場所。

でも、出来上がった絵は、誰かに見てほしい。
良かったよ、と声をかけてほしい。
そう思ってSNS関連の本を何冊か読んでみると、
「フォロワーのペルソナ」「統一感のある投稿」「自我を出さない」とか
色々なことが書かれている・・・。

自分が深く潜るためだったはずの絵で、結果的にまた人の目を気にしている。
ネットは本来、自由になれる場所のはずだったのに、勝手にがんじがらめに
なっている。。何をしているんだろうと思ったんです。

数年間、フォロワーが少ないとき、いいねなどの反応が少ない間、
ずっと私は「私の絵に魅力がないんだ」と落ち込みながら暮らしていました。これがとても辛かった。

今思えば、SNSでのつながり方がわかっていなかったのもありますが、
まぁ、絵が魅力的ならフォローされる実力主義の世界ですし、
けれど評価されない原因が全て「自分」だと思っている世界は辛すぎました。
絵が好きなのに、またあの状況になったら、今度こそ嫌いになりそうだった。
だからSNSの関連本を読んだけれど、私にはあんまり向いていなかった。
なんだか全部、結局実世界で頼まれてもないのに人の顔色を伺うのとおんなじだなと思い、
しんどかった。

その反面、新作ZINEは、正直に書きました。
素直な気持ちだけを書くように、人の手を借りるなどもしながら徹底的に、削ぎ落としました。

その本を買ってくれた人たち。
感想まで寄せてくれた心温かい人たち。


その人たちの中に、ぼんやりと、素直な自分の姿を見ました。


きっとずっと私は、素直な私に会いたかった。
ずっと誤魔化していた、本音の自分。
いないことにして押し込めていたけれど、受け入れられたい、認めてもらいたい自分。
万人受けしないけれど、取り繕っていない自分。

見失っていた自分に、きっとずっと、会いたかった。
会わせてくれたのは、スペースにきてくれたあなた。
握手してくれたあなた。
差し入れしてくれたあなた。
SNSで励まし合うあなた。
初めましてのあなた。
通販で買ってくれた遠くに住むあなた。

おかげで、素直な自分が、最近息を吹き返して、
「この言葉選び、ちょっと格好つけているんじゃない?」と
そばで添削してくるようになりました。

これはこれで、
物事があんまりスムーズにいかないんですけど。


素直な私に会わせてくれた、みなさま。
また会えたら、嬉しいです。
お礼を伝えたいから。

イエイ!


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