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「そしたら人生」フィンランドに暮らす人との対話

私はせっかちなのにものぐさだ。将来やってみたら素敵だろうなということを思いついては、ほかのことを差し置いて細かくリサーチしたり、想像を膨らませて計画を立てたりする。けれどいざその「将来」がやってくると面倒になるか、適当な言い訳を見つけては実行に移さない。そしてまた次の「理想的な将来」を妄想する。

そんな自分が駄目なんだよね、という話をフィンランドの友人にすると「誰だってどこでだってそういうことはあるよ。フィンランド語にもsitten kun -elämäという言葉があるよ。略してsitku-elämä」と教えてくれた。スィットゥクエラマ、直訳すると「then when-life」、「そしたら人生」とでも言おうか。停滞した今の自分にぴったりの言葉をフィンランド語に見つけて、なんだか安心してしまった。

「そしたら人生」がよくないのは「こうなったら、ああなったら」とそれらしい言い訳を並べて、いつまでも何も実行しないからに思える。けれど本当にもったいないのは、先のことばかりに気を取られて、今を大切にできないことの方だ。「そしたら人生」は今も生きていないし、結果として将来も、人生も生きていない。

今、この瞬間に集中する、マインドフルネスか、瞑想でも始めてみるか。じゃあ瞑想ができるようになったら……。おっと。



# サムネイルはエスポー現代美術館の展示

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