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フィンランドのセカンドハンドストアでお宝探し

これまでもフィンランドにはセカンドハンドの文化があるということは書いてきた。今日はセカンドハンドストアの中でも特に伝統的なタイプのお店について紹介したい。

セカンドハンドストア(Kirpputori:きるっぷとり)

kiroputoriは「蚤の市」と訳すのがより直訳だが、広場などで開催されるバザーのようなものも、日本のハード・オフのような店舗型のものも両方kirpputoriと呼ぶ。kirppisと略して言うことも多い。

おばあちゃんの家の掘り出し物?Kirpputori

フィンランドでもっともよくみかけるKirpputoriは、棚貸し式のもの。物を売りたい人が棚を一定期間借りて、そこになんでも好きな物を並べておく。棚の番号がついた値札をもらって、値段も好きにつけられる。棚を借りる期間が終了すると、売れ残りを撤収し、レジで売り上げをもらって帰ることができる。

買う人はほしいものを取ったらレジでお会計するだけ。棚を見ているとそれぞれの出品者の好みや、家族構成、お金の使い道までもがなんとなく見えてくる。好みのものを一つ見つけた棚からは、他にも好みのものが見つかることも多い。

お店自体が古いところも多い上に、多くの人が古い不用品を売りに出していることから、お店全体としてほこりっぽい印象は否めない。ただ、だからこそ年代物のアイテムが見つかるのだ。日本にも数多く輸入されている、ヴィンテージ食器や雑貨もこのKirpputoriから掘り出されて、磨かれたものが綺麗に並べられている。

私が見つけたお宝

去年の滞在中、私は何度もKirpputoriに通った。出品者が変わったりと、品物の入れ替わりがあるからだ。Kirpputoriでは、お土産屋さんでは手に入らないものを買えるのがいい。金継ぎをしている友人へのお土産にあえて欠けたカップをさがしたり、今はもうない遊園地のお土産品のミルクピッチャーを見つけたり、Arabiaのteemaの廃盤になった黄色の食器を見つけたりした。

そんななか、ロヴァニエミのKirpputoriの高級品コーナーで見つけてしまった。

ふっくらとした白が愛らしい、雷鳥。

iittalaのbird。私は北欧雑貨に詳しくないが、この鳥が高くて、母がずっと欲しがっていることだけはわかっていた。値札をみると80€、これは安い。すぐにお店の人に頼んでガラスケースから出してもらった。お店の人は「これは80年代の本物で、よく口ばしが欠けるんだけど、これは綺麗だよ」と教えてくれた。

大事に包んで持ち帰り、裏側をみるとなにやらうっすらと文字が彫ってある。ホストファミリーのお父さんお母さんとランプやルーペを持ってきて代わる代わる必死で解読する。お母さんが「O. Toikka Nuutajarvi だ!」と解読した。

そう、北欧のデザイン好きの方ならすぐわかる、この鳥シリーズのデザイナーであるオイバトイッカのサインだった。調べみると最近の製品には機械でサインが入れられているようで、直筆のサインはヴィンテージものの証だ。

日本に持ち帰り母も大喜びで、これまでで一番の掘り出し物となった。

フィンランドに訪れる際は、ぜひ自分だけのお宝探しにKirpputoriに行ってみてはいかがだろうか。

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