見出し画像

コロナウイルス感染症拡大防止、一人ひとりが安心して学ぶための少人数学級を求める陳情(奥丹後地方教職員組合より)

賛成討論ー鳴海公軌

まずはじめに、つい先日、少人数学級をめぐる来年度予算編成として、5年間かけて35人学級を実現するという教員定数を改善するという報道がありました。

これはこれまで、加配教員として単年度ごとの予算で組まれたものを、法律を根拠として基礎定数にしていくことで、安定的な教員確保にすすむ、大きな一歩です。ですが、これが意味するところが、京丹後市の学校が抱える課題に対して十分かというと、まだ足りていません。
教育の質を語るときに、学力テストで測られがちですが、学力は教育のなかのほんの一部にすぎません。学校のテストが悪くても、豊かな人間性を育まれるということは、想像に難くありません。
それゆえ、京丹後市では、中学3年生に対して、自分自身のことをどう思うか、や、自分の育った京丹後市についてどう思うかというような、学力に留まらずより深くまで教育を捉えようとしています。

本市の教育の本質は、子どもたちが自立すること、つまり自分の頭で考え、自分の力を発揮することを目指しています。高度経済成長時代、人口増加時代に求められた教育は競争主義だったかもしれませんが、いまの時代を、未来を切り開くための教育は競争ではなく、創造、創り出す力です。昔は50人ひとクラスだったから、少人数学級なんていらないという意見もあります。
人口増加時代は、自然に経済規模も拡大していきましたが、今後の日本ではそんなことは起こりません。ひとりひとりが新たに価値を作り出していかねばなりません。

そのなかで、大人数の学級規模による教育は限界があります。

人口規模という客観的な事実に基づいても、いまの時代に必要な教育を進めなければなりません。そういった時代認識のもと、陳情の審議をいたしました。

この陳情は、コロナ感染拡大防止のための少人数学級をすすめるようにという陳情タイトルになっており、第一項には、20人程度の少人数学級と記されています。

私は、少人数学級の実現を通した教職員の増員は教育的社会的に意義のあるものだと考えており、その形はクラスの規模を小さくしていく方法や、ひとクラスにつく教職員の数を増やす方法、ひとりの教師の受け持つ授業時間数を減らす方法などが考えられます。そのなかで、この陳情の文面によれば、コロナ対策、20人程度と記され、極めて限定された要望であるように見受けられます。

しかし、陳情人との問答のなかで、職員室(当事者)の声は、「とにかく授業ができる先生の数が足りてない」という課題が趣旨である、とのことでした。その点につきましては、京丹後市教育委員会も、市長も一致しているものであり、議会としても共有すべき課題です。国の政策が学校現場、また子どもたちにどのように伝わっているのかを把握する仕事は文科省の役割ではなく、自治体の仕事です。われわれこそが、責任をもって学校現場、子どもたちの抱える課題を解決するために国に要望をあげることが大切です。

よって、子どもたちへの教育、未来の私たちが生きる社会を真剣に考えるならば、学校への人員増加に向けて、真っ向から議論し、本気の意見書をあげるべきだと考え、陳情の趣旨採択に賛成します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?