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地方の女性流出は「偏見が要因」って??「偏見」じゃなくて「性別に対する固定概念」だと思うけどなぁ・・・

地方の女性流出は「偏見が要因」??
 内閣府の女性の社会参画に関する有識者会議で、地方から都市部に若い女性が流出していることについて「地域に性差への偏見が根強く存在している」と指摘されたそうだ。若い女性が地方から大都市(特に東京)への転出が顕著なのは事実。2年ほど前に愛知県のデータでも確認したことがある。
なぜ東京へ行くのかって?「そりゃあ、地方で、女性が男性と同等に働こうとすると働きづらい、生きづらい」からだ。特に優秀で、自分の力を信じられる女性にとっては。
 男性より目立つと疎まれる。子育てより仕事を優先すれば眉を顰められる。正面切って嫌味を言われなくても感じる疎外感、居場所がない感覚、孤独・・・男性の皆さんは本気で想像できるのだろうか?

「偏見」じゃなくて「性別に対する固定概念」だと思うなあ・・
 第一の関門は自分の母親だったりする。
「どうして○○ちゃん(孫の名前)を預けてまで仕事をするの?
あなたは母親の自覚があるの?」なんて言葉を、毎度毎度かけられるうち、自分の仕事への思いに揺らぎがある人ほど、心が砕けるもの。
 職場の上司の心優しい声かけ「お子さん優先でいいんだよ。無理しなくていいよ。」も、言われるたび、上司は好意で言っていることは頭ではわかっていても「私はここで必要とされていないんじゃないか」と迷いだす。
そんな声が、地方の方が溢れているのだと思う。
 
「性別に対する固定概念」に対抗して生き延びる処世術?
 私自身も、上述の例のような言葉を、何度も聞き流しながら、仕事を続けてきた。そう「聞き流す力」が必要なのだ。悪意のない「ジェンダーバイアス、性別に対する固定概念」に対抗するには。
もしくは、一昔前なら「オヤジ女子」「チャック女子」など、「女子の皮を被ったオトコ」になって生き延びるか。
 そんな思いをして、ココロ折れそうになりながら仕事と家庭を両立していくよりも、溢れていない地域を選ぶことは、アタリマエの自衛策と言えよう。

お金で解決できるもの?
 しかし、その「地方の女性流出」に対する対策が「女性や若者が地方に定着するために、地元企業への支援をする自治体の取り組みに国の交付金を活用」というのが、これまたズッコケる。お金で人の心が、しかも何の悪意もない常識がどうやって変わるのか??是非、有識者会議の方々に聞いてみたいものだ。

 とはいえ、否定ばかりしていても仕方がない。前に進むにはどうしたらいいのか。

<地方企業の上司の皆さんへ>
 皆さんの価値観を変えてくださいとは言いません。24時間企業戦士として長年力を尽くしてきた皆さんの家庭には、内助の功の奥様がきっといらして、家庭内役割分担が上手くできており、お子さんも無事成長されたのでしょう。ちなみに私もそんな家庭で育ててもらいました。ありがたいことだったと思っています。しかし、皆さんの部下は、女性はもちろん男性も、少し違うイメージを持っているのかもしれないのです。部下の思いをまずは聞いてみてください。子育てと仕事を必死で両立している女性部下が嬉しい言葉は、「無理しなくていいよ」じゃなくて、「いつも頑張ってくれていて、ありがとう。頼りにしているよ」だったりするのです。

<これから仕事を選ぶ若い女性の皆さんへ>
 地方より大都市の方が、やりがいのある仕事を性差なく与えられる可能性は高いかもしれません。それを選択するのも良いと思う。でも皆さんがやりたい仕事がある企業が地方にあるなら、地方だというだけで排除しないでほしい。皆さんは「地方で働く」のではなくたまたま、地方にある「その企業に勤める」だけだから。与えられた仕事でアウトプットを出し続けていれば、必ずチャンスは巡ってくるものです。

交付金はありがたいこと。自治体の皆さんは「女性や若者が地方に定着するために、地元企業への支援をする自治体の取り組み」として何をすべきか、よく考えてほしいなあ。一緒に考えたいな。意外と地道なコトの積み重ねが大切だと、女性活躍推進担当者歴10年のワタシは思います。








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