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妖精殲滅作戦

 私は小さいころから、「あいつの周りには妖精がいる」と言われていました。私の周りには常に妖精がいて、私はその妖精とずっとおしゃべりをしているということです。どういうことでしょうか?つまり、私は独り言が多いということです。

 正直小さい時は自覚は無かったのですが、大学生くらいから友人などから指摘されて、自分が独り言が多いことを自覚しました。当時は友人からたびたび「誰かと話しとるかと思ったわ」と言われていたので、独り言でもかなりまとまった文章をブツブツ喋っていたのでしょう。誰もいないところでブツブツ語り掛けるように喋る男。想像するとちょっと怖いですね。怖いって言っても私なんですけどね。
 私に独り言を指摘した友人の内の一人は、同じく私が口を開けていることが多いことも指摘したため、その時ようやく私は口を開けていることが多いことも自覚しました。
 私は鼻の通りが悪く、いつも右か左のどちらかの鼻が詰まっているので鼻呼吸がしづらく、口呼吸をしていたのですが、その指摘があってからは口をなるべく閉じ、鼻呼吸をすることを心掛けるようになりました。
 しかし、独り言は収まりませんでした。

 社会人になって仏教に出会い、瞑想をし始めるようになってから、独り言が多少マシになりました。
 私がやっている瞑想は呼吸や手の動きなどに注意を向け、気が逸れたら気が逸れたことに気づき、再び呼吸や手の動きに戻る、という方法の実践法です。そのため、日常生活でも独り言をしそうになったときに、独り言をしそうになったことに気づき、今やっている作業に戻る、ということが少しずつできるようになったので、独り言がマシになったのでした。

 私なりに自分が独り言をしてしまう心境を観察すると、まず今やっている作業(仕事上の作業や家事などの作業)から意識が逸れて考え事をしてしまうフェーズがあります。考え事の内容は過去の失敗を思い出したり、先々を不安がったりすることなのですが、そうしたことに気が散ったときに「あーあの時失敗したなぁ」とか「あー〇日後にあれがあるわ。めんどくさいなぁ」といった思いが湧いてきて、その思いがそのまま言葉として出てくる時に独り言になっているようです。
 要するに独り言をするには「今の作業から気が逸れて考え事をする」というフェーズが必須になるのです。そのため、「気が逸れた」ということにその時気づいて今の作業に戻れば、独り言を言うフェーズに移行しなくて済むわけです。

 とはいっても、24時間常に気づきを保つことはできていないので、未だに独り言を言ってしまうことがたびたびあります。
 しかし最近、独り言を物理的に言わなくする方法が見つかりました。
 そうです。「口に水を含む」ということです。

 当たり前ですが、口に水を含んでいると喋れません。当然独り言も言えません。そのため、「気が逸れる」というフェーズを過ぎて頭の中で考え事をしてしまい、独り言を言う段階にまで至っても、いざ独り言を言うタイミングになっても喋れないことにその時気づき、独り言を言わなくてすむのです。
 最近家では口に水を含んで過ごすことが多いので、「あ、俺 今 独り言 言いそうになってたわ」ということに気づくことがあります。そして独り言を強制的に言わずに済んでいます。

 これはなかなか面白くて、独り言を言いそうな時になって口に水を含んでいるため独り言が言えないことに気づく、ということ繰り返していると、口に水を含んでいない状態でも「あ、独り言言いそう」という自分のタイミングに気づけることが増えてきました。
 また、独り言を言わない時間を増やすことで、自分自身を「独り言を言わないのが普通」という状態に持って行けるので、それも独り言を減らす効果をもたらしているように思います。

 身体の動きを向上させるために始めた「口に水を含む」という試みが、意外な副次効果もあり、ますます面白くなってきました。
 問題は口に水を含んでいると人と話せないので、人と一緒に何かする時には向かないのと、口の中の水が唾液で粘り気が増してくるたびに飲み込むので、結果的に水を頻繁に飲むようになるということでしょうか笑

 とはいえ、こうやって独り言が減っていけば「あいつの周りには妖精が飛んでいる」と言われることもなくなるはずなので、これからも独り言を減らして私の周りの妖精を殲滅していこうと思います笑


 本日は以上です。スキやコメントいただけると嬉しいです。
 最後まで読んでくださりありがとうございました!