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送電塔の草刈りはたいへん

 私は最近、送電線の鉄塔の草刈り作業を行っています。
 どこの電力会社の鉄塔も年に1回ないし2回行っている作業です。鉄塔の周りの木が伸びて鉄塔を壊したり、蔓が這ってショートしたり、草で覆われて鉄塔の点検のために鉄塔に辿り着けなくなる事態を避けるためです。

 電気って電線を伝って建物に流されてますよね。家などに入る電線は電柱の電線ですが、そこに入る前の高圧の電気は送電線で送られていて、変電所で何度か電圧を下げてからようやく家庭などに送られるわけです。まあ私も電気は専門的に学んだわけでないので詳しくは知らないのですが。
 で、その高圧電力を流している電線を支える構造物である鉄塔(正確には送電塔)はバカでかいです。さらに送電線で送られてる電力って超高圧で危険なので送電塔は街中には建てられないんですよね。都会はどうか分からないですが、田舎だと誰もいない山に建っています。

 あいつです。

山の上にいるあいつ
山の上にいるあいつ

 
 ということはですよ。その送電塔の付近を草刈りするということは、必然的に山を登らないといけないのですよ。5,6kgもする刈払機(草刈り機)と燃料などの荷物を担いで、えっちらおっちら山を登らないといけないわけです。

 送電塔までの道は巡視路と言います。年に数度しか使われない道なのでたいへん荒れ果てています。

倒木や蔓でふさがれている巡視路

 こんな感じで道がふさがっています。ここを仮払機をつかって切り開いていくのです。
 そして登山道ではないので整備されていないような「え?ここ道?」というような巡視路を登っていきます。

え…?道…?

 そんな巡視路をクモの巣に引っかかったり、足を滑らせて谷に落ちかけたりしながら送電塔の下に辿り着けたらようやく草刈り開始です。

草刈りの様子

 山の急斜面に建てられている送電塔もあり、草刈りも危険ですし疲れます。複数人で草刈りをするので、近づきすぎると刈払機で飛ばした石が当たったりしますので、注意しないといけません。

見上げるほど高い送電塔

 送電塔の草刈りをしていていつも思うのは「よくこんなところに鉄塔建てたな!」という驚きです。
 送電塔の写真を見ても分かるかもしれませんが、鉄塔は急斜面に建っていることも多いです。そもそも山ですからね。平らな場所が無いです。
 そこの四隅に基礎となるコンクリートの土台を作って、そこの上に骨組みをくみ上げています。
 巡視路の写真を見てもらえれば分かるように、輸送のための車などは通れない道です。レッカー車や重機(バックホウなど)が入れる道はないので、人力で組み立てたのだと思います。
 しかし基礎の土台はかなり地中深くに設置しているので、人力だけでなく、重機を使わないと掘れない気もします。でも登り道ないしなぁ…。どうやって作っているのか謎です。ただ、ものすごい労力がかかっているのは確かです。そして作業する人たちもたいへん危険な作業だったでしょう。


 以上が最近私が鉄塔の草刈りをしている様子とその時に思ったことです。
 みなさんが電力を安心して使える基盤にはこうした見えないところでの人々の苦労があるわけですね。
 ITだなんだと言っても、その基礎になるところはどこまで行っても物理的な基盤が必要になるので、こうした仕事は大事だと思います。そこに関われている私は有難いことだとも感じます。

 私が今回の記事で言いたかったことは一つです。


 鉄塔の草刈りってたいへんなの。褒めて(*'∀')



 本日は以上です。スキやコメントいただけると嬉しいです。
 最後まで読んでくださりありがとうございました!