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勘違いしてしまったために友人を失った話

 私が今まで好きになった異性は私に対して好意的な女性でした。それは、私が「ありのままの自分を受け入れてほしい」という渇きを持っていたからでした。つまり、私に好意的な女性に「この人は私のありのままを受け入れてくれるかもしれない」という幻想を抱き、それに恋をしていた(気がしていた)のでした。
 そして私の恋もどきは、私にとっては不幸なことに、相手の女性にとっては幸いなことに、一度も実ったことはありませんでした。

 そういう過去の失敗の中で今でも強烈に覚えているのは、前職で職場の女性を好きになった時のことです。
 
 その女性とは共通の友人がいたことなどから、休日に一緒に遊んだりイベントに参加することもありました。
 そんな彼女と職場で同じ部署に配属になった時期がありました。休日も遊ぶことがあり、職場でも近くで仕事をすることになり、私とその女性は以前より仲良くなりました。仲良くしてくれる彼女に対して私の渇きが向き、私は彼女が好きになりました。
 そして、ある日、私は彼女を食事に誘い、帰りに告白をしました。そして振られたのでした。私は告白をした時、本気で相手が私を好きだと思いこんでいたので、振られてショックを受けました。

 告白して振られた翌日から、私はその女性から避けられるようになりました。今まで「男友達」枠であった相手から「実は恋愛対象として見られていた」と気づいたことにで、気持ち悪さを感じたからでしょう。
 ちなみに「女性が恋愛感情なしに仲の良かった男性から告白されると生理的拒否感を覚える現象」にはネット上で名前がついているのですが、あまり品の良い単語ではないので引用は控えます。ただ、その女性にはそういう現象が起きたのだろうと思います。
 さすがの私も彼女から避けられていることには気づいたので、私はその後、その女性とプライベートで同じ時間を過ごすことはしませんでした。しませんでした、も何もそもそも相手から避けられていたのでしようとしたとしてもできなかったのですが。

 この出来事は私にとってはたいへんショックでした。振られたのも確かに大きなショックだったのですが、仲の良い友人を一人失ってしまったことも大きなショックでした。あの時私が告白などしなければ、彼女とは友人のままでいられたのかもしれないと思うと、悔やんでも悔やみきれませんでした。「やって後悔した方が、やらずに後悔するより良い」という言葉がありますが、私はその時は本気で「やった後悔の方がやらずにする後悔より深い時もある」と思いました。

 さらに、後々になって内省すると、私が好きだと思っていた感情は、ただ相手に自分の理想(自分を受け入れてくれる存在)を押し付けていただけだったことにも気づいたので、なおのこと後悔の念が強くなりました。
 友人として楽しい時間を過ごしてくれたお返しとして相手に最後に与えたものが「気持ち悪い」という生理的嫌悪感だったとしたら、申し訳ないと思います。


 私の中の渇きはまだ収まっていないので、今でも同じ過ちは繰り返してしまう可能性はあります。そのため、非常に恥ずかしい昔話ではありましたが、自分に対する戒めと、私と現時点で仲の良い女性に対して「気を付けてください」という警告も込めて今回記事にしました。


 本日は以上です。スキやコメントいただけると嬉しいです。
 最後まで読んでくださりありがとうございました!