ナロルのショート文学

23歳です。自作のお話をあげていきます。

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最近の記事

セミのきもち

「ミーンミーンミーンミーン」 朝の鳴き声。俺の鳴き声かっこいいだろ。 この美声、この声量すごいだろ。 あの子は聞いてるかな。 どうかどうか届いてほしい。 「シェイシェイシェイシェイ」 昼の鳴き声。暑くなってきた。少し休憩しよう。 朝うまくいかないと、大体午後はもうダメなんだよな。嫌になっちゃうぜ。まったく。 「カナカナカナカナ」 夜の鳴き声。今日も一日お疲れ。 仲間とお話。今日どうだった?全然ダメだった。西公園のやつらが最近調子いいってさ。 俺たちも明日からそっち行く?

    • なんで俺が。

      「なんで俺が」が口癖の中学2年生市川。 ある時親友の高谷と悪ふざけをしていたとき教室の花瓶を割った。 「あー!市川が花瓶割ったー!」 市川が叫ぶ。 「なんで俺が!高谷が押したんだろ!」 ある時親友の高谷にちょっかいをかけられる。 「おい市川、鈴木さんに好きですって言ってこいよ〜」 市川が叫ぶ。 「なんで俺が!ホントは高谷が好きなんだろ!笑」 ある時親友の高谷にクラス会で室長を任される。 「みなさん、僕は市川くんが室長にふさわしいと思います!投票よろしくお願いします!」

      • お風呂にて。 ボディウォッシュを2プッシュ。 こどものときは1プッシュだったのに。 おとなになったんだな。 とそのとき。 ボディウォッシュが切れた。 ちっ。 買いに行くか。 おとなになったことだし。

        • 砂漠のコンビニ

          ここはコンビニ砂丘店。砂漠の真ん中に位置するコンビニエンスストアだ。 幾度となく聞いた入店音が鳴る。客が来た。 「この時間にしては珍しいな」 品出しの手をとめたカリンドは時計を見た。 物騒な格好をした客が1人店内をウロウロしだした。何かを探しているのか。まあよくあることだからほかっておこう。 空になったコンテナを片付けようと外の倉庫に移動する。自動ドアをでると砂漠独特のムっとした暑さが襲ってきた。カリンドにとっては慣れたものだ。 本社は一体何を考えてここにコンビニを建