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「メタボ」の診断基準、身長が考慮されないのはおかしい?

こんにちは。
あなたの「なりたい」を応援する管理栄養士
成松由佳です。


本日のテーマは

メタボリックシンドロームの基準とは?


健康診断で引っかかって
「メタボ」または予備軍と
言われたことのある方

その場で、または後日
保健師や管理栄養士に捕まって
面談をすることになった方も
いらっしゃるかもしれません。


実は、私は捕まえる側の人間です。


…怖がって逃げないでくださいね~><
取って食いやしませんので。。


対象となった方と
面談でお話していると、

病気になりたくないし、
運動不足も感じているし、
食事も気にはなっている。

でも、捕まらなくて済むなら
そのほうがいい…

と思われる方が多いようです。


✅何がどうなったらメタボなの?
✅どこが改善されれば
 来年は呼ばれなくてすむんだろう?

こんな疑問にお答えしていきます!


内臓脂肪の蓄積が諸悪の根源!

メタボの基準の第一ステップは
ウエスト周囲径
=おへその高さの腹囲です。

男性:85cm以上
女性:90cm以上

が基準になります。


なぜ、腹囲を測るのかというと
内臓脂肪の蓄積のレベルを
チェックするためです。


内臓脂肪細胞からは
「アディポサイトカイン」が分泌され、
高血圧や高血糖、脂質異常の
引き金になります。

高血圧や高血糖により
血管の内壁が傷つき
脂質が増えすぎたことで
コレステロールが血管の壁に溜まると

血管が詰まり、
心臓病や脳卒中を引き起こします。


つまり、
内臓脂肪が諸悪の根源
なのです。


CTスキャンを使って
へその位置の断面像を撮影し
内臓脂肪の面積を算出したところ

100cm2以上の人では
それ以下の人より
合併している病気が多い

ことも分かっています。


そのため、本当ならば
内臓脂肪の蓄積量を測りたいのですが

健康診断を受ける人全員の
CTスキャンをとるのは
現実的には不可能です。

そこで、
内臓脂肪100cm2に相当する腹囲として
設定されたのがこの基準です。


女性の方が皮下脂肪が多いため
同じ内臓脂肪面積でも
5cm大きな基準になっています。


身長が違っても腹囲の基準は変わらない

メタボの判断基準は腹囲です、
とお伝えすると

自分は背が高いから
基準を超えていても問題ない

とお話される方もいます。


身長の違う人が
同じウエストの基準値で判断されるって
違和感があるのもうなずけますが

実は、そこについても
ちゃんと研究がされています。


ウエストそのものの値と、
ウエストを身長で割って身長の差を考慮した
「ウエスト/身長比」

このどちらが
病気(高血糖、高血圧、脂質異常症)のリスクと
関連しているかを調べたところ

ウエスト/身長比よりも、ウエストのほうが
リスクの数との関連が強い
(ただし、統計学的に意味のある差ではない)

国立研究開発法人 国立がん研究センター
がん対策研究所 予防関連プロジェクト
多目的コホート研究 (JPHC Study)
身体指標とメタボリックシンドロームとの関連について
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/333.html

という結果が出ています。

つまり、

身長を考慮してもしなくても
診断に大きな差はない
どちらかといえば考慮しない方がいい

ということになります。


血液検査の結果も見てみよう

「腹囲が大きいのは
 筋肉がついていてガタイがいいから」
とおっしゃる方もいます。

確かに、腹囲だけでは
それが脂肪なのか、筋肉なのかまでは
判断できません。


ただし、
ひとつ覚えておいていただきたいのは

メタボの基準は
腹囲だけではない

ということです。


単に腹囲が大きいだけでは
メタボには該当しません。

腹囲が基準を超えたことに加えて
血液検査の結果から
以下の3項目中2項目が該当した場合に
診断されます。

・中性脂肪150mg/dL
 かつ/または
 HDLコレステロール40mg/dL未満

・収縮期血圧130mmHg以上
 かつ/または
 拡張期血圧85mmHg以上

・空腹時血糖110mg/dL以上

厚生労働省 e-ヘルスネット メタボリックシンドロームの診断基準
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-01-003.html


ちなみに、面談の対象となる基準は
これとはまた微妙に違いますが

血液検査の結果も踏まえている点や
チェックする検査項目は
共通しています。


まだ病気ではない!今から予防を始めよう

「メタボ」と言われたからといって
すぐに病気とは限りません。

メタボリックシンドロームは
重大な病気の入り口ではありますが

まだ病気ではない予備軍の段階で
「これ以上進行しないように
 今から対策しておきましょう」

という意味合いで作られた基準です。


もしあなたが
今回「メタボ」と診断されたのなら
これを良いきっかけにしていただき、

生活習慣を見直して
少しでも変えられることを探して
実践していただければと思います。


食べ過ぎているものを少し控えてみる
できる範囲で体を動かすようにしてみる

それだけでも
未来の健康につながるかもしれません。


仕事で力を発揮するため、
好きなことを楽しみ続けるため、
大切な人との時間を長く過ごすため

今から少しでも
行動を始めてみませんか?


本日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。




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