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360度評価って何なんだ

今回は360度評価に関して書きます。評価の中にはMBOやOKRなど様々あり、自社にあった評価制度を導入していると思います。なかには評価制度やめたという会社もあるくらいです。

「No Ratings」というものです。評価結果を正規分布になるようにしない(評価ランクS,A,B,C...が全体の何%ずつか?など)、また評価結果を相対的に調整しないというのものです。

評価制度を導入していも工程(目標設定→中間面談→自己評価→上長評価など)がたくさんかかるだけで、面談や評価結果が良くないことで部下のモチベーションを下げる可能性があります。むしろそのケースの方が多いのではないでしょうか。競争環境が激しくなり、立てた目標が1年後意味をなしていないケースが多い中で、MBOを取り入れても本当に効果があるのかわからなくなってきたということもあると思います。

それよりも2週間に1度部下と面談の機会を持ち、部下とのコミュニケーション量を増やすことに注力する企業が増えてきています。

1on1制度と言われるものです。

ただ1on1で2週間に1度30分程度部下のために時間を取っている管理職でも、面談の中身の蓋を開けてみれば「上司が一方的に話をしている」「上司の詰め会なっている」「業務の進捗確認会のみになっている」など課題は山ほど出てきます。1on1のやり方に関しては、別途書く予定ではありますが、面談を増やしたからいいというものではないことは事実です。コミュニケーション量は重要ですが、「本当にその時間が部下のための時間になっているのか?」常に問い続けることが重要です。


今回は様々な評価の中でも一番クリティカルであり、受け入れることで成長につながる評価手法を紹介したいと思います。

それが「360度評価」です。360評価とは何か?

360度評価:多面評価とも言われ、上司・部下・同僚など自身と利害関係が異なる複数人の他者から評価される評価手法。評価者の人数は組織や部署によって異なるが5〜6名程度が一般的です。

・本人

・上司

・同僚(数名)

・部下(数名)

が関わる評価手法になります。図にすると以下になります。

本人の自己評価と他者(上司・同僚・部下など)との評価ギャップを見ることで自分には見えていなかった側面が「いい面」「改善面」含め出てくることになります。

これを昇格・賞与に絡めている会社は少ないですが、育成の観点で取り入れている会社は多くなってきたように感じます。

【360度評価のメリット】

①評価制度が上がります:これまで上司からしか評価されていなかったものが複数人から評価されるため、客観的評価の質が高くなります。より実情を表した評価結果になります。また上司がこれまで見ていなかった点が評価に現れるようになります。

②本人が見えていなかった側面が見えるようになります:自己評価と他己評価を照らし合わせるため、間違いなくギャップが生じます。自分が見えいていなかったいい面・改善面が見えるため、成長の糧となる材料が収穫できます。

③利害関係者に対しての関わり方が変わる:仕事は1人で完結することはありません。完結できたとしても、他者と関わって仕事をした方が質が圧倒的に上がります。周りの方から見られている意識を持つことで、本人の仕事の取り組み姿勢が向上します。

【360度評価の注意点】

①部下が1名しかいない場合は部下からは評価しない:360度評価は上司以外誰が評価したかわからないことが重要です。明らかに彼・彼女が書いたと分かれば普段のコミュニケーションの障害になる可能性があります。小さい組織やチームでは360度ではなく、180度(上司と同僚)にするなど工夫が必要になります。

②賞与や給与に反映させない方がいい:360度評価の結果を元に賞与や給与を決定することはできるだけ避けた方がいいかもしれません。一部導入されて成功している会社もありますが、それで給与などが決まると社員同士で調整に入るケースがあります。

③評価はあくまで育成のために行うもの:360度評価もしかり、全ての評価制度は人材育成のためにあるのが前提です。賞与や給与のためにあるものではないので、その点を全社員に共有・認識合わせしておく必要があります。人材育成のためにどのように評価結果を活用するべきか考える必要があります。

【評価結果を踏まえたフィードバック会】

これが一番重要になります。絶対に360度評価を実施したままにしないようにしてください。

評価結果を配って終わるのでは、せっかく費用をかけて実施したのに効果的には得られる能力の3〜4割程度で終わってしまいます。(個人的な指標です)

それよりも結果を踏まえて、フィードバック会を実施するのが効果的です。

■フィードバック会の運用方法

①フィードバック会の準備

・1日間フィードバック会の時間として確保する。

・5〜6名グループの班を複数班作る。(班構成はこれまで関わったことがない方・利害関係なし)

・各班ごとにファシリテーターとして、班メンバーと直接業務で関わりにくい1つ階層が上の管理職が入る。

②フィードバック会の流れ

・班のメンバーが揃った段階で初めて360度の評価結果シートを全員に配る

・まずは10分間個々で内容確認

・そこから1人ずつ40分間与えられるので、評価内容を班内のメンバーに話します。そこから具体的なアドバイスやフィードバックを残りの4〜5名のメンバーからもらいます。

・班ごとのファシリテーター(管理職)は、司会進行と班の意見が止まりそうになったタイミングやメンバーが悩んでいる時に問いかける役割が必要です。内省を促す質問力が求められます。(難しい)またフォローすることも必要になります。

・それを繰りかえり休憩取りながら、行うことでフィードバック会が出来上がります。



以上が360度のフィードバック会になります。正直360度の結果を見ただけでかなり苦しいと思います。普通に最初傷つきます。ただこれを毎年やることで、昨年比較でどのように良くなったのか?昨年よりもどこが伸びているのか?わかるようになります。

360度評価とフィードバック会でいいところは、開示しあえる文化が形成されることです。自分の評価が見える化し、それが開示されるのでメンタル面がかなり強くなると思います。

また普段関わりがない方とコミュニケーション取れるようになるため、社内でのインフォーマルなコミュニティが形成されます。部門を超えた人脈です。

大企業などいきなり導入することは難しいかもしれないので、まずは管理職だけ実施する企業など多いと思います。私個人としては全社員にやることがとても重要だと思っています。

以上が360度評価でした。

興味のある方はご相談ください。


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